旅行記
2023/10 下ノ廊下・水平歩道
下ノ廊下・水平歩道とは、黒部ダム建設時に、欅平から上流の黒部川沿いに、
物資輸送用として建設された登山道の通称である。
そもそもこのエリアは、黒部川の電源開発のために、
いくつもの発電所およびダムを設置することになった。
黒部中上流エリアは年間降水量が屋久島(4,000mm)を上回る5,000mm、
豊富な水量と、急勾配は、水力発電に最適とのこと。
しかし、どれも壮絶な工事となったようで、
技術屋(特に土木屋・機械屋)なら一度はみておいて損はない。
登山というより、社会科見学のような感じ、あるいは、
インディージョーンズみたいな感じとも言われることが多い。
阿曽原温泉小屋
Web アルバム (niikawa.com)
今回の行程は、以下のとおり。カッコ内は交通機関利用。
0日目:(自宅→松本)
1日目:(松本→信濃大町→扇沢→)黒部ダム→阿曽原温泉
2日目:阿曽原温泉→欅平(→宇奈月温泉→黒部宇奈月温泉駅→自宅)
下ノ廊下は、1泊2日必要になるのだが、行程が長いため、フルに2日必要である。
このため、公共交通機関利用では自宅を朝出発では間に合わず、前泊が必要だ。
前泊地としては、
南下ルート(山中前泊) 祖母谷温泉(テント可)
北上ルート(山中前泊) ロッジくろよん(テント可)
南下ルート(下界前泊) 宇奈月温泉・長野駅〜黒部宇奈月温泉駅の新幹線各駅付近
北上ルート(下界前泊) 信濃大町駅付近・松本付近
あたりが考えられる。
黒部峡谷鉄道の始発が遅いので、
長野駅前泊でも宇奈月温泉でも、登山口到着時間は変わらない。
松本前泊だと、始発から30分or90分遅になる。
縦走なので公共交通機関利用が基本だが、
どうしても自家用車利用にしたい、というときには、
信濃大町駅や宇奈月駅に自家用車を停め、
下山後に電車乗り継ぎで回収するという案がある。
欅平11:46の列車に乗った場合、高崎16:02着、自宅には16時台についてしまうが、
信濃大町駅到着は17:13と、自宅に帰るよりも時間がかかる。
回収している間に自宅に帰れるわけで、回収の時間ロスは大きい。
1人〜2人くらいの場合、自家用車回収などをせず、往復とも電車利用のほうが良さそう。
3人以上の場合、マイカー回送サービスの利用が快適そうである。
南下ルートと北上ルートでは、
登山口の標高差(欅平599m vs 黒部ダム駅1,470m)があるため、
体力的には北上ルートが有利である。
技術的に難しい場所はないので、下りでも登りでもあまり変わらない。
体力が減ってくると、集中力が途切れて、転落の確率が上がるので、
少しでも体力に有利なほうが良さそうである。
実際、YAMAPの記録では、北上:南下=4:1くらいの比率になっている。
このため、北上ルートは、すれ違いが少なくて安全、というメリットがある。
人より速い人は追い抜きが問題になるが、僕はテント泊なので、
周囲の人とほぼ同じくらいの速さであったので並行ダイヤになり、追い抜きはあまりない。
今回は、北上ルートで松本前泊としたものだ。
装備は軽量化・コンパクト化が重要である。
あまり大きいと、すれ違いで難儀するし、ザックが壁に当たって転落する事例が多い。
このため、少なくとも、正面から見た時に装備がはみ出さない程度には小さくしたい。
今回は、40Lザック+マット1枚外付けとし、2日目は、全てを40Lザックに内蔵した。
まわりの人も、テント泊でも、30〜45Lくらいに収めている人が多かった印象だ。
ストックは、谷側の1本だけを利用。小屋の公式でもその旨の言及がある。
0日目

自宅を出発し、前泊地の松本を目指す。

上田駅で新幹線を降り、しなの鉄道で、篠ノ井経由で松本へ。
新幹線に乗るのが100km未満となり、特急料金が少し安くなるのが助かる。

松本の宿に入る。4,950円と安く済んだ。
夜23時も過ぎたので、寝る。
1日目

翌朝は始発電車で扇沢を目指す。

電車に乗る。

信濃大町→扇沢のバスは満員近く。

扇沢からは電気バスに乗る。待ち時間はなく、スムーズに乗れた。

0825、いよいよ出発。

黒部川を渡る。

徐々に道が激しくなってくる。

進もう。

落ちたら即死だ。

滑らないように注意。

落ちたら死亡。

途中の高巻き区間。結構高度感があるが、難易度は低い。

しっかりつかまって降りよう。

落ちないように。

峡谷が美しい。

木道桟橋で滑らないように。

白竜峡のあたりはハイライト。

ときおり看板がある。

注意。

流れが美しい。

途中にあるシャワーポイント。
別山谷のあたりは、増水すると通れない。要注意ポイントである。今回は普通に通過できた。
雨の日は要注意だろう。

いよいよ十字峡である。
今回の最も深くにあるポイントだ。まさにここが黒部の最奥といったところ。

広場からは峡谷に出ることができる。十字に水が流れており。美しい。

看板がある。

1人づつ渡ろう。

美しい。

十字峡〜S字峡〜半月峡のあたりもハイライトである。

高度感がすごい。

高度感がマヒしてきて怖くなくなる。

なぜか楽勝である。こんな感覚だと落ちてもおかしくない。緊張感をもって進もう。

すごい。

100m以上ある。

すごい。

美しい区間だ。

黒部川第4発電所が見えてきた。

つり橋を渡る。
1人ずつ渡るようにという掲示が10年前はあったが、今回は確認できず。
とはいえ、10年前から補強されているようにも見えず、実際、1人ずつ渡っている人が多かった。
僕が渡ろうとしたところ、僕の後ろのパーティが、
「こんなん待ちきれねえ、自己責任だ、渡るぞ」と言ってぞろぞろついてくる。
自己責任なのは大いに結構だが、それに僕を巻き込むのはやめてくれ〜。

人工物の中を通る。

こんな山奥に自動車とバックホーがあるのがすごい。
どうやって運んできたんだろう。
上部軌道の貨車はあるが、車両限界が1660mmのため、自動車はギリギリ載らない。
軌道内を自走することもできそうだが、バックホーはかなり大変だろう。
バラして貨車に積載する案もあるが、バラす前提になっていないのでかなり難しい。

仙人谷駅には、列車が停まっている。

寮の脇を通過。

阿曾原温泉についた。
テント場はほぼ一杯。

今回搬入食糧。
小屋では、ジュース類は買えるが、食料はない(見た限りでは)。
テント泊の場合、食料はちゃんと持参する必要がある。

早速温泉に入る。一番混雑する時間では25人入っていたとか。
隣のトンネル坑口は、銀色のブルーシートがかかっていて、サウナになっている。
石鹸もあり、体を洗うことが可能。

お湯は透明。若干硫黄っぽい感じもするか。

テントを設営。
ドコモ電波も通じる。

暗くなってきた。寝よう。
19時就寝。
これだけ人口密度が高いとややうるさかったが、疲れていたためぐっすり寝れた。
2日目
モンベル#3(6℃まで)+インナーシーツ+マット1枚で、概ね快適に寝れた。
朝はスマホ温度で8℃、外気温は6℃くらいだろう。
標高が低いせいもあり、10月としては暖かい。

朝も露天風呂温泉に入る。
もう7時のため、全員出発してしまい誰もいない。貸し切りで入れた快適。

では、小屋に挨拶して、出発しよう。

テント場は誰もいない。出発。
欅平方面は最後の出発者になったが、欅平駅までに14人追い抜てだいぶ挽回した。

水平歩道は、下ノ廊下よりはマシだが、やはり落ちたら死ぬので要注意。

堰堤の中を通る。
トンネル内を通る区間は、水が水深10〜15cmくらい溜まっていて、
トレランシューズでは濡れるが、ハイカット登山靴ならそのまま通過できる。

注意。

高度感がマヒしてきてこのくらいでは怖くない。

怖くない。

下を見ると100m以上ある。
まあ、10mでも100mでも結果は同じなので変わらないとは言える。

太鼓岩。
映え写真スポットになっている。


まだまだ注意。

欅平上部展望台からは、登山道で360m下る。最後まで油断せず。

戻ってきた。一安心。

列車は、11:46に乗れないと待ち時間がえらいことになりそう。
12:28でもギリギリ大丈夫かもしれない。

トロッコ列車に乗って宇奈月温泉へ。

宇奈月温泉駅では、ご飯250円を食べる。

富山地鉄に乗って新黒部へ。

懐かしい車両に乗れる。

黒部宇奈月温泉駅では、弁当を食べる。650円。

新幹線に乗り、一気に高崎へ。高崎までは僅か1時間28分である。
糸魚川駅では、阿曾原温泉で見かけた山屋が結構降りる。
おそらく、信濃大町駅や扇沢駅に停めた自家用車の回収のためだろう。
以上、無事に帰還。総費用34k(うち減価償却費等3k)。