旅行記



2023/08 奥穂高岳

奥穂高岳は、長野県/岐阜県にある3,190mの山で、
日本3位の高峰、北アルプス最高峰である。
穂高岳は16回目、穂高岳山荘は21泊目だ。
(2008/10、2010/10、2011/07、2012/08、2016/08、2017/08、2018/07、2019/08、
 2020/08、2020/09、2021/07、2021/09、2022/07、2023/07*2)

作戦概要は以下のとおり。
 1日目:CT6:10 上高地1145→1630涸沢
 2日目:CT2:50+1:20 涸沢0730→0940穂高岳山荘→奥穂往復
 3日目:CT1:20 奥穂往復
 4日目:CT1:20+7:20 奥穂往復→穂高岳山荘0905→1010涸沢1015→1145横尾1150→1405上高地
安全を重視してザイテンを往復するコースだ。

装備は、一部の食事を小屋に頼ることで火器を省き、軽量化した。
小屋が多く、クオリティも高い、北アならではの方法だ。
食料は足りなくなると大変なのでいつも多めに持参してしまうが、
北アならば足りなければ買えばいい。
ご飯は、徳沢、涸沢ヒュッテ、穂高岳山荘で買える。
涸沢小屋・涸沢ヒュッテではお湯だけ貰うことも可能でアルファ米を作成できる。
穂高岳山荘でもお湯だけ貰えるかも。
また、野菜ジュースを横尾山荘で調達可能だ。

山中に3連泊するので、マットは2枚持参した。
これで快適に眠れる。
自宅出発時の重量は12.2kgで、水分2.8L、食料0.5kgだ。
歩き始めで体に装備するので、重量は11.3kg(水分2.3L)、
2日目で、重量は9.5kg(水分0.9L)
帰りは、穂高岳山荘でほぼ消費したので、下りは8.8kgくらいだろう。
10kg以下だとテント泊経験者だとスキップできるくらいの軽さになる。
このくらいまで軽くなると、何とかコースタイム通りかやや速いくらいで歩ける。

穂高岳山荘のテント場は今年は予約制が解除され先着順のため、
早めに到着したい。
登山道上の残雪はもう無く、まだ雪が降る季節ではないので、アイゼンは不要だ。

穂高岳山荘は何度来ても最高だ。1年に2回くらいは行きたい。

" ようこそ、信じられない世界へ "


1日目




高崎から北陸新幹線で長野へ。
長野からは上高地直行バスに乗る。バスは35名ほどの乗車でほぼ満員。


上高地に到着。1130。やや遅れた。
上高地インフォメーションセンターでシャワーを借りて汗を流そうと思ったが、
500円にアップしたのでやめる。
以前は3分で100円だったのだが、燃料費が上がっており値上げはやむを得ない。
1145に歩き始める。バスの中で準備をすると出発までが早い。
上高地〜横尾間は、頑張れば2時間ジャストで歩ける。


徳沢。
横尾から涸沢方面は、横尾の橋が14時に通行禁止になるので、
14時までに急いで通過しないと涸沢まで行けず、横尾宿泊となってしまう。
横尾宿泊だと前泊感が強いが、涸沢宿泊なら山中泊感がある。
ぜひ涸沢まで入りたい。
横尾山荘で涸沢方面が抑止されたら、
予定を変更して槍ヶ岳方面という作戦もある。
横尾から槍ヶ岳方面は特に時間制限が求められていない。


横尾からはいよいよ登山道。ここから穂高岳への入り口だ。
門限14時で、このときは1350に通過できた。
やはり上高地直行バスに乗れると余裕がある。


本谷橋はオアシス感がすごい。



だいぶ上がってきた。
登山道上に雪はない。


涸沢ヒュッテに到着。標高2,310m。



荷揚げのヘリがすごい。
真下に入ることも可能だが、このヘリ、単発エンジンなので、
真下に入っていると、エンジンフェイルしたときに死ぬかも。
ただし、パイロットの心理として、
人が多く居る場所に緊急ランディングするのは回避すると思うので、
多くの人が集まっている場所のほうがまだ可能性が低いかもしれない。
AS350B3、高地性能は結構高いらしく、データシート上では、
重量が軽ければ7,000mでOGEホバリングできそう。
実際、エベレスト頂上に着陸したことがあるのもこの機種だ。


今回搬入食料。
水2L、野菜ジュース800ml、その他固形物が500gほど。


ご飯を食べることが可能。300円。
6時半〜17時半くらいまでやっている。
今回は、唐揚げ丼ご飯超大盛り。
写真には写っていないが、ご飯3杯あり、1,400円である。


夕方になると日陰になるので涼しくなってくる。



テントを設営。コロナ対策で値段は2,000円にアップ。
上高地→涸沢では、4時間45分と、コースタイム6:10より若干短縮した。
荷物が11kgと軽いと、やはり速い。
警察詰め所前や、ヒュッテのデッキなど、
東方面が見通せる場所ではギリギリ電波が入るようだ。
どうも常念岳を超えてきた電波を拾っているっぽい。
しかし今日は電波が通じない。天気が悪いからだろう。
一瞬だけLINEのテキストメッセージが送れたが、30分粘ってもダメだった。
では、暗くなってきたので寝る。19時就寝。


2日目

6時起床。

モンベル#3(6℃まで)マット2枚でぬくぬく。
南岳小屋気象データ(標高2,970m)では、8.8℃だったため、
涸沢では14℃くらいだろう。
このくらいの温度だと、寝るときには寝袋のジッパーを閉めずに寝てちょうどいい。
朝は寝袋を閉めてちょうどいいくらいになる。


テントが多い。



よく晴れている。



荷物を整理し、マット1枚内蔵・マット1枚外付けである。40Lで夏山テント泊3泊が可能。



準備して山頂に向かおう。
ヒュッテでヘルメットをレンタルする。1000円。重量を考えるとレンタルが効率がいい。
心配なら消毒すれば良さそうだ。では、行こう。


ザイテン取りつきまでは地震が起こると非常に危険かも。
このあたりは落石に注意だな。大規模に崩落があればひとたまりもない。
落石の流れを見極め、左右に回避することができるかもしれないが、
通常なら砂煙が上がるため、これに巻き込まれると視界を失い、回避もできなくなる。
ここからザイテンにとりつく。


穂高岳山荘についた。
穂高岳山荘への水供給施設が見える。水は命。
涸沢岳の雪渓の下を流れる僅かな雪解け水を90トン貯留しているとか。
ということは、雪が消える8月以降は結構大変なはず。8月中旬くらまでは採水可能という。
90トンあれば10月後半の雪が降るまで何とかなるか。
このため、稜線上の小屋としては、比較的水が豊富である。これはありがたい。


小屋で補給する。



ご飯400円で、概ね朝5時から19時までやっている。



登ろう。



小屋からひと登りすれば、あとは概ね安全。



頂上に着いた。
前穂方面。


上高地。
上高地バスターミナルが見える。拡大すると人もわかるのですごい。


ジャンダルム。



笠ヶ岳。



槍。



ザイテン。
涸沢が見える。


記念撮影だな。



東邦航空のヘリがフライバイ。荷揚げ前の偵察だろう。



山頂で3時間以上過ごした。いい感じに高所順応。
戻ろう。帰りも慎重に。


設営。



ご飯400円を2杯食べて補給する。
ご飯は以前は200円だった記憶があるが400円になっていた。
ペットボトルの水(500ml)は以前は300円だった記憶があるが400円になっていた。


超絶壁のテント場、寝相が悪かったら落っこちそう。
しかし、それよりも落石が心配だ。
例年だと、テント場がいっぱいになるとテント泊を断れるため、
奥穂山頂等でビバークになってしまったという話も聞く(奥穂山頂は5張程度)。
今年から67張の限定となり、場所も指定なので、早めに到着する必要がある。
コロナ対策で張数制限+値段も2,000円にアップしている。
張り切れなかったら、適当に設営すれば、受付はしてもらえる。
15時くらいはまだ余裕があり、16時くらいにほぼ一杯になった。


絶壁。



電波が通じる。
小屋ではおおむね問題なく電波が通じる。
高速通信はできないが、LINEのテキストやりとりくらいなら問題なし。
テント場のヘリポート上が、特に電波がいい。


記念撮影だな。夕方は長袖1枚では寒い。



満場になった。



オコジョがうろうろしている。食料を屋外に置いておかないように。

暗くなってきた。
寝よう。
もう19時には寝静まっているテントが多い。朝は2時くらいから動き出す人が出てくる。
おそらく西穂方面へだろう。


3日目


5時起床。
モンベル#3(6℃まで)+マット2枚+ホッカイロ2枚でやや寒いかちょうどいいくらい。
南岳小屋気象データ(標高2,970m)では、最低気温8.8℃だった。
こちらは標高2.980mのため、ほぼ同じである。


暁の地平線。



朝飯を食べる。ご飯2杯分の超大盛で800円。



連泊なので、テントをいったん畳んでおき(ヘリが来るとテントが飛ばされるため)、
穂高岳頂上を目指す。
ポケットの必要物資を入れて向かう。
サブザックは軽量化のため置いてきた。これで120g軽くなった。


今日もいい天気である。



かっこいい。



頂上に着いた。



立山・剱岳方面。



富士山。



ジャンダルム。背景は高山市街だろうか。かっこいい。



ガスってきたので山荘に戻る。
下りは渋滞。


設営。



山荘は今日も大混雑。
テント場は今日は15時くらいに一杯になった。
昨日よりやや人数が多いか。
3連休だと2日目となるため、やはり2日目のほうが混雑するか。


また補給である。
暗くなってきたので寝よう。
19時半就寝。


4日目

5時起床。
モンベル#3(6℃まで)+マット2枚+ホッカイロ4枚でやや寒いかちょうどいいくらい。
南岳小屋気象データ(標高2,970m)では、最低気温9.4℃だった。


朝焼け。
隣のテントは既に撤収済みで速い。
こういういい場所は早く到着する必要があり、静かでマナーがいい。おすすめ。


暁の地平線。



日が上がるとすっかり普通に。
奥穂高岳へ。
ポケットの必要物資を入れて向かう。


奥穂高岳。今回の山行で3回目だ。



タッチ。



祠がすごい。



まだ日が傾いているのでかっこいい。



ザイテンが良く見える。



1.5時間ほど居たので、穂高岳山荘に戻ろう。



今日は明日以降に天気が崩れる予報のため、人が少ない。



記念撮影。長袖1枚でやや暑いか。



帰りは、40Lザックに、マット1枚内蔵+1枚外付けまで荷物が減った。
おそらく8.8kgくらい。これなら非常に軽い。冬山の小屋泊より軽いかも。
盛夏なら40Lで3000mテント泊2〜3泊が可能。
では、下山しよう。


ザイテングラートを降りる。ヘルメット装着率は9割ほど。
ザイテンは滑落に注意。
ハイマツがあり一見大丈夫そうに見えるが、実は崖なので、落ちると死亡。
このため、崖際を歩かないようにする必要がある。厳重に注意。
ザイテン経由のルートは、このザイテンと穂高岳山荘直上だけ気を付ければOKなので、
奥穂高岳に登りたいなら最も安全なルートだ。


要注意。



涸沢まで降りてきた。



テントも少ない。台風が接近している。明日は雨の予報だ。
ヒュッテでヘルメットの返却。


下ろう。



横尾まで降りてきた。ここまでくればほぼ下界。救急車も来れる(2時間以上かかるが)。



横尾では野菜ジュースが補給できる。
野菜が不足するのため、ありがたい。
徳沢では、毎度、卵かけごはんを食べる。
が、ご飯だけ売り切れ。残念。
チャーハン・カレーライスが売っているので、ご飯はあるのでは?という気もする。
戦略的な理由があるのかもしれない。


上高地まで戻ってきた。暑い。
水は、穂高岳山荘500ml・400円+涸沢500ml・400円+横尾500ml300円+明神500ml300円の計2L。
穂高岳山荘からは5時間ちょっとで戻ってこれる。今回は5時間ジャストだ。
新島々方面へのバスはネットで予約制なので、横尾で予約しておけば待たずに乗れる。
沢渡方面は列が河童橋手前まで伸びていた。
その前日は河童橋を越えたようだ。


上高地食堂(バスターミナル隣接)では、ご飯大盛り300円がある。ありがたい。
すぐ出てくるので、待ち時間が短いときでもOK。


レストランからは奥穂高岳が見える。5時間前にはあそこに居たのだ。



新島々経由で戻る。上高地から長野直行バスが満員だった。



松本駅でそばを補給する。



長野で新幹線に乗る。
1825の「はくたか」に乗る。自由席・指定席ともに満員。
篠ノ井〜五里ヶ峰トンネルでは、いつも謎の210km/h制限。なんだろう。
長野からは新幹線に乗れば一気に高崎だ。ノンストップの「はくたか」なら僅か40分。
新幹線は速くて快適、ただし高いのが難点。

以上、無事に帰還、総費用42k。