旅行記
2022/01 武尊山
武尊山は群馬県にある2,158mの山である。100名山選定。
夏はアクセスは不便で、公共交通機関では日帰り不可だが、
川場スキー場が営業中は、ゲレンデトップ(1,860m)からのアクセスが可能で、
夏と比べて大幅に所要時間が短縮される。
1,860mから歩き始められるというのは、
谷川岳なら天神ザンゲ岩(1,830m)より上ということになるのですごい。
山と高原地図ではコースタイム不明だが、
おそらく登り1:55、下り1:30の計3:25くらいだろう。
川場スキー場は公共交通機関で行くことができないため、
どのようにアクセスするかが問題になる。
第1案は、
沼田駅から無料送迎バスが出ているのでこれに乗るのがベストだが、
土日は基本的に満席になるので、天気を見て直前に決行する山行では使えない。
第2案としては、
「道の駅田園プラザ」〜川場スキー場間にも無料送迎バスがあるので、
これを利用することとし、「道の駅田園プラザ」までどうアクセスするかを考える。
沼田駅から川場循環バスがあるが、行きは使える時間ではないので、
沼田駅から「道の駅田園プラザ」までタクシーを使うと4,700円程度だ。
帰りは川場循環バスがあるので650円で済む。
この場合、スキー場到着は8時半くらい、値段は第1案からは+5,350円だ。
第3案としては、
沼田駅(7時15分)から片品方面のバスに乗り、中道バス停で降りる(7時35分)。
ここから徒歩3km、50分で「道の駅田園プラザ」まで行ける。ここで35分待てばOK。
帰りは川場循環バスがあるので歩かなくてよい。
沼田駅に7時15分に到着できない場合には、次のバスでもいいが、
田園プラザまで30分程度で歩く必要がある。積雪があると30分では厳しい。
この場合、スキー場到着は9時半くらい、値段は第1案からは+1,250円だ。
第4案としては、
自宅からすべて自家用車で行ってしまうパターンで、所要2時間以下で最速だが、
この案の中で最も値段が高い(車両運行費30円/km+高速代14円/km)うえに、
雪の山道を走行するなどリスクが非常に高い。
国家資格を持っている人以外には不可能だし、そうだとしてもオススメできない。
このため自家用車アクセスプランは最も例外的かつ限定的な選択肢になる。
今の医療逼迫のご時勢で慣れていない人が車を運転するのはリスクが高く、
具体的には事故ったときに適切に救急医療を受けられるかがやや不安だ。
このためプロの運転で行くのが比較的安全だろう。
第5案としては、
スキーバスツアーなどに参加するパターンだが、
都区内出発のプランがほとんどであるので、東京まで出る手戻りが大きすぎ、
第2案よりも高くなるうえに時間も最もかかる。
高崎出発のツアーが稀に設定されているので、事前に分かっていればいいが、
天気を見て直前に決行する山行では難しい。
有利な点としては、リフト1日券が自動付属するので、
板を持っていけば下山後に好きなだけスキーを楽しめることが挙げられる。
なお、高崎出発のバスツアーは、土日の関越道の渋滞を回避できるメリットもあり、
都内の人が使うと時間節約効果が大きいので意外と便利だと思う。
第6案としては、
沼田駅からレンタカーだが、沼田駅のレンタカーは8時営業開始と許容範囲だが、
第2案よりも値段が高くなる(第1案+7,000円程度)うえに、到着時間は遅くなる。
第4案と似たような危険があるのもよろしくない。
第7案としては、
水上〜沼田間で前泊する方法がある。
この場合には沼田駅から田園プラザへのバスに乗車可能で、
第1案から+1,300円+前泊費だが、
田園プラザ8時にバスに乗れるので、スキー場到着8時半と最速となる。
沼田には宿泊施設が少ないのが難点だが、
第2案でタクシーで4,700円かかるなら前泊してしまえというわけ。
今回は第3案で行くことにした。
帰りは第1案の送迎バスに空席出て乗ることができた。
前日夕方に聞いたときには満席とのことだったが、キャンセルが出たようだ。
今日は高気圧に覆われて絶好の好天予報であり、好天予報が1日しかないため、
日帰りで行ける武尊山にしたものだ。
2日連続で晴れれば谷川岳が楽しそうだが、日帰りなら武尊山がお手軽だ。
このため山は日帰りとし、2日目は草津温泉に行ったものだ。
これで武尊山は13回目だ。
1日目
沼田駅までJR上越線。
渋川駅付近の利根川橋梁からは武尊山がよく見える。
沼田駅からも谷川岳がよく見える。
次に6分の乗継ぎ時間で、尾瀬戸倉方面の関越交通バスに乗る(0715)。
ここで約20分乗って中道バス停で降りる(実測0743)。
ここから徒歩3.1kmで「道の駅田園プラザ」まで行く。所要34分(0817)。
田園プラザまでの道路には積雪があり、自動車に注意。
気温は-10℃程度と運動するには快適な温度だ。ただし指は超冷たい。
意外とすぐに到着した印象だ。
徒歩34分が追加されても、武尊山のCTが短いので谷川岳よりも行程は短い。
道の駅田園プラザでは40分ほど時間があるので持参の朝食を食べるなどして時間をつぶす。
送迎バスは、満車になると順次発車するため、早めに行って待っているのが良さそうだ。
今回も0855に出発した。
0900(実際には0855発車)の送迎バスに乗り、川場スキー場へ。
スキー場ではインフォメーションで登山届を提出するとともに、リフト券を買う。
以前は1,800円だったが、消費税アップ等の影響で2,000円になっていた。
ちなみにここは若い人が多いので、50歳以上でシニアの扱いである。微妙な心境だ。
先に登山者用カウンターで登山届を記入してから、チケットの列に並ぶこと。
リフトを2本乗り継ぎゲレンデトップを目指す。
左のリフトに乗り、次も左のリフトに乗ればよい。
剣が峰〜沖武尊〜中ノ岳が見える。
では、ゲレンデトップから早速歩き始める。
車で来てここにスノボ板をデポしておけば、下りリフト代の1,000円が浮くが、
荷物を背負って登山靴で滑れるかはやや疑問が残る。
トレースはある。
これだけあればワカンなどは不要だ。正規アイゼンは必要だ。
前日までの降雪はそれほどでもなく、結構早い時間に頂上に先頭チームが到達していた。
いい感じに晴れている。
南関東方面はやや高い雲が多いか。
浅間山〜谷川岳。
谷川岳。
剣が峰。
頂上よりも見晴らしはいいかも。
下を覗くと深い川場谷。
剣が峰。
ナイフリッジになっていてなかなか危険。
正規アイゼン+ピッケルが妥当だが、
慣れていれば正規アイゼン+ダブルストックでもOKかも。軽アイゼンは明らかにNG。
下りは慎重に。
下りがなかなか怖い。踏み外すと遥か下まで落っこちそう。
山頂が正面に見える。
このルートはほぼ100%森林限界以上なので眺めがいい。
焼肉弁当の焼肉だけ食べるような感じだ。
しかし、広いので、ガス時での道迷いには要注意。
2019年3月には道迷い遭難事故も発生している(この件では無事発見)。
数日前の2021年12月にも6人が救助されているようだ。
川場スキー場の雪上車は50,000円/hとのこと。
頂上。
赤城山と東京方面。
浅間山。
四阿山と草津白根山。実は奥穂高岳と槍ヶ岳も見えているはずだが、判読できず。
草津温泉の市街地と、草津温泉スキー場が見える。
1等三角点。
三角点は正確に東西南北を示している。
「1等三角点」と書いてある面が南を向いている。
近隣の一等三角点は、巻機山や赤城山地蔵岳なので、
これらと併せて一等三角網を形成している。
雪山だと常にレインフェア上下を着ているためどんどんへたる。
とはいえ防水性・透湿性に優れた山ウェアだと高い。
山頂標識。
多言語対応表記になっている。
谷川岳。奥には火打山か。
写真には入ってないが、剱岳・立山も見えるんだとか。
上越国境。
尾瀬方面。燧ケ岳の隣には、磐梯山や安達太良山も見えている。
日光白根山。
中ノ岳方面はトレースなし。しかし、3人PTが上がってきた。すごい。
13時くらいになると人が少なくなったきた。
最後尾にならないよう、最後尾PTが登ってきたので下山を開始する。
日が傾いてきた。
剣が峰は慎重に。
足を滑らせて左右に落ちないよう。雪が腐って滑りやすい。
剣が峰手前の樹林帯も勾配が急なため、落ちないように要注意。
シリセードで一気に降りてしまう方法もあるが、大破に注意。
ゲレンデトップに戻ってきた。
リフトの下りに乗って下山。
相変わらず、すれ違うスキーヤーの視線が痛い。
恥ずかしがり屋の人はサングラスが必要だな。
その後はインフォメーションセンターで下山報告をする。
インフォメーションで確認すると16時の沼田行きバスに空席ができたようなので乗る。
時間があるので飯を食べる。
今日の天気。朝は-16℃だとか。
沼田駅からはJR上越線に乗り、渋川へ。すっかり暗くなってしまった。
渋川からは長野原草津口駅へ、そこからバスで草津温泉へ。
草津温泉は、前日に予約したものだ。
朝食付きで6,200円。
もちろん泉質は最高。
毎秒538L以上の湧出量は日本一だな。
温度差を80℃とすれば18万kWの熱出力になる。
大型原子炉だと300万kWくらいの熱出力なので、その6%くらいという、膨大なエネルギーが出ている。
では寝る。
2日目
だんだん明るくなってきた。
草津温泉周辺では、14階建てくらいまでの建物が多い。
消防法と建築基準法の規制が関係しているようだ。
朝食。
その後は再び温泉に入る。
ホテルから10時発で高崎行きの無料送迎バスが出ているので乗る。
3人しか乗っておらず、これでは赤字かなという雰囲気。ありがたい。
オール一般道だが、路線バスと普通電車乗り継ぎよりもやや遅いくらいの所要時間。
草津温泉→高崎は、1,876円するのでオトクだ。
ホテル0952発→(途中15分休憩)→高崎1210着。
10:10 ゲレンデトップから出発
12:05 武尊山頂上
13:00 武尊山頂上から下山開始
14:10 ゲレンデトップに到着
以上、無事に帰還。総費用19k。