旅行記



2021/11 谷川岳(熊穴沢避難小屋泊)

谷川岳は群馬県と新潟県の上越国境にある1,977mの山である。
冬になっていい感じに雪が降るようになってきた。
そこで谷川岳である。

まだ谷川岳の積雪は、ロープウェイ駅で75cmとまだまだ。
100cmくらいまでなら途中の熊穴沢避難小屋が利用可能で、
貴重な中継ポイント・避難ポイントになるので、谷川岳にチャレンジできる。
積雪量の判断については、2019年11月からサービス開始になった、
気象庁の「現在の雪」が便利。
これまでの傾向では、
ロープウェイの報告よりやや少なめになる(5kmメッシュのためだろう)が、
多い少ないの参考にはなる。
山行での参考にしたい。

装備はワカンが必須だ。

なお、今回で91回目の谷川岳だ。



1日目




朝発で急ぐため、新幹線を利用。
2021年3月ダイヤ改正で大宮以南で1分短縮した関係で出発時間が1分繰り上がっている。
始発ではなく、始発から2番目の乗継である。


上信国境の山々が見える。



上毛高原駅からバス。
始発ではないため空いでいる。


天神平では-2℃。



ロープウェイに乗り天神平へ。
天神平から歩き始める。
荷物は17kgと、積雪期のテント泊装備としては軽い。
厳冬期はこれに、ワカン、スノースコップ等が追加され、+2kgだ。
このためロープウェイも手荷物料金が必要になる。往復520円。


例年、積雪100くらいまでは、夏道上を通るのが普通だ。(今日は75cm)



雪が深い。
途中、熊穴沢の頭付近で、トレースがなくなる。
あと熊穴沢避難小屋までは無雪期なら15分ほどだが、しょうがないのでひたすらラッセルする。
深いラッセルのときは、空身でラッセルし、ある程度進んだらザックを取りに戻る必要があり、
なかなか時間がかかる。
しかもトラバースで勾配が急なため、結構危ない。この積雪量で落ちたら登山道まで戻れない。


ほかの登山者が多く撤退する中、僕を含めて残る2名でラッセルだ。



14時近くに熊穴沢避難小屋に到着。
最初のパーティが天神平を出発してから5時間半が経過している。
熊穴沢避難小屋は利用可能。扉も問題ない。
まだ床面と積雪面が同じくらいである。
積雪100cmくらいまでは利用可能。200cmでも掘削を頑張ればなんとかなるかも。


今回搬入食糧。
2日分である。
水は雪から水を作っているので飲料水を大量に持ってくる必要は少ない。
ガスは250gを持参し、150g程度を使用。
あまり節約せずに使っていたためで、節約すれば半分くらいで済むだろう。
小屋の暖房にもなるほか、衣類の乾燥にも使えるが、燃えないように要注意。


すっかり暗くなった。
モバイルバッテリーに3WのLEDライトを接続して明るく、
ヘッドランプを室内でつける必要がなく便利。
天井のフックに雨具をつるして乾燥させる。


小屋には僕だけ。
半径3kmに人間は僕だけ、まさにぽつんと一軒家だ。
ソロ小屋泊は山ならなぜか怖くない。
しかし、夜中に変態級の登山者(夜間走行のトレイルランナーなど)が来る場合もあり、
突然に人がこないかどうかは結構どきどきする。


夕日が沈むと下界の夜景が輝きだす。樹林帯の小屋だが、樹間からいい感じに見える。

では、寝る。
19時就寝。


2日目

6時起床。
モンベル0#(-6℃まで)+メスナー寝袋(15℃まで)+ホッカイロ6枚+ダウン上下でぬくぬく熟睡。
スマホ温度が2℃だったので、小屋内は0℃くらいだろう。


明るくなってきた。



空の変化が美しい。
しかし、雪は深く、とても1人でラッセルは無理。
このため、ロープウェイ組がここまで来たら、天神平に引き返そう。


9時半すぎにロープウェイ始発組が来た。
かなりの人数になり、これなら頂上まで行けそうな気がしてきた。そこで頂上を目指す。


多人数で交代しながらラッセルすると速い速い。
20人くらいが連なっている。


登る。



上部になってくると雪が風で飛んで締まっている。



まだ雪が柔らかく、ストックで特に問題ない。



登る。



肩の小屋。
熊穴沢避難小屋からは約1時間50分。ラッセルが速い。12時10分。


気温はマイナス7℃ほど。



肩の小屋は利用可能。去年と少しレイアウトが異なる。実効床面積が増えている。



肩ノ小屋がかっこいい。天空の別荘だ。(今回は泊まれなかったが)



トマの耳。



オキ方面にはトレースはない。



尾瀬方面。



東京方面。



人が来たので写真を撮ってもらう。
(軍手は作業用であり、通常はグローブを使用している)


オキの耳までは引き続きラッセルになる。かなりずぼるので大変。



道を切り開く。



山頂。



山頂標識。



トマが見える。



越後側に落ちないように注意。



五竜岳と剱岳が見える。
北アルプスもよく晴れている。


新潟方面。



では、下山にかかろう。



下山は快速だ。
しかし、雪の下に岩や木の根が隠れていて、足首をひねらないように注意。
また、雪が踏み固められていて滑りやすいので、アイゼンが必要だ。
避難小屋で宿泊荷物を回収して下山する。


まもなく天神平。



天神平に戻ってきた。
ロープウェイで降りる。
まだ田尻沢コースは営業していない。


頂上がよく見える、人も確認できる。



積雪は70cmに減った。



水上駅から在来線で帰る(新幹線と大して時間が変わらないため)。
水上駅前には雪がまだ残っているが、沼田駅では無かった。


水上駅〜上牧駅間では、正面に谷川岳が見えるポイントがある。かっこいい。


以上、無事に帰還。総費用 14k。