旅行記



2020/03 谷川岳(泊)

谷川岳は群馬県と新潟県の上越国境にある1,977mの山である。
今年は厳冬期とはいえ、今年は寒気の入りが弱く、冬型が長続きしない。
3月にもなってくると、冬型は続かず、天気が周期変化するようになる。
そこで1泊で行けるチャンスであったので谷川岳である。

谷川岳の積雪は、ロープウェイ駅で250cmと少ない。
それでも今の時期は、肩の小屋に泊まると、大雪で下山できなくなる恐れがあり、
ワカン・スコップなどのスノー装備が必要だ。
(ただし、下り基調なのでワカンなしでも何とかなるというご意見もある)

なお、今回で75回目の谷川岳だ。


1日目




朝発で急ぐため、高崎から新幹線で上毛高原駅へ。
上越線経由よりも1000円くらい高いが、30分短縮できる(その分家で寝れる)のは大きい。
東京〜新大阪の「のぞみ」で5,810円、515.4km(1,127円/100km)だが、
高崎〜上毛高原では、880円、41.8km(概ね2,100円/100km)なので、
短距離だとやや高いのは致し方ない。
朝早い「たにがわ」は乗車率60%程度と結構乗っている。
関越道下りの渋滞も5時くらいから始まり、同じく上りの渋滞は14時くらいから始まるように、
スキーでは早朝出発し、夕方には帰還するのが基本パターンである。
このため朝イチの新幹線はたくさん乗っていて混んでいる。


よく晴れていていい感じに山々が見える。



上毛高原駅からはバスでロープウェイへ。
朝イチの便なので通路までいっぱいになるほど。新幹線からダッシュして乗るのがいい。
天神平の積雪は250cmと少ない。
そして、もちろん登山届を提出。
冬の谷川岳では事故が多発しているので要注意。去年は2人死亡。
ご冥福をお祈り申し上げます。
冬の入山者数は不明だが、
土日・晴天時でロープウェイからは300人程度だろうと思われるので、
シーズン通し(1月〜3月)では同様に5,000人くらいだろう。
他ルートも合わせて10,000人なら、死亡率は総合的にも0.02%くらいとなる。
水平歩道でも0.2%くらいなので0.02%は冬山としては標準的か。


ロープウェイに乗り天神平へ。
前回は重くてつらかったので軽量化に努め、積雪期のテント泊としては17.5kgと軽く収まった。
天神平から歩き始める。


天神峠手前の広場(1,420m)に出る。
猫耳がばっちり見える。冬は眼も見える。おすすめ展望ポイントだ。


天神尾根へ乗る。



尾根どおしの冬道だが、やや藪っぽい。



熊穴沢避難小屋はこのくらいなら何とか掘り出して利用可能。
しかし、スコップは必ず持参する必要がある。2〜3トンくらい雪かきが必要で大変。


正面はすごい大パーティが続いて登っている様子が見える。
渋滞気味でややペースが遅いが、こちらも荷物17kgで重いので、ちょうどいいくらいだ。


左右に落ちないように要注意。



登る。



天狗の留場付近。







天神ザンゲ岩付近。



登る途中で、みなかみ町の山岳ガイドの某氏に遭遇。
今年の尾瀬は雪が少なくて大変ですねという話をする。
谷川岳では、好天時にみんな登ってくるので、知り合いに遭遇する可能性が高い。


肩の小屋。



気温は−5℃程度と暖かい。
直射日光を受けるとダウン上下着ていればまったく寒くない。


マチガ沢に滑降するシュプールが4本あった。
今の時期は特に自己責任期間だ。なおバレると検挙される模様。


トマの耳。



巨大雪庇ができている。
稜線上は風で雪が飛ばされるので、例年どおりか、やや雪が少ない程度に見える。


頂上では雪庇に注意。
しかし今日は雪庇に乗る人が普段より多い。この理由はあとでわかる。


オキトマ間の登山道は谷川岳のハイライト区間だ。かっこいい。これぞ冬山。
越後側に落ちないよう注意


山頂。
山頂標識にアイゼンの傷がついている。
まだ交換されて1年も経ってないのに傷が増えてきた。木製ではだめかもしれない。


写真を撮ってもらう。軍手は作業用インナー手袋。
当然、グローブを持参している。


今日は山頂の雪庇に乗る人が多いなと思っていたのだが、その理由が判明。
雪庇の先端に雪だるまが置いてある。
何らかの方法(例えばロープで確保するなどして安全な方法で)で雪庇の先端に乗せたか。


尾瀬の山々が見える。
あと1.5ヶ月もすれば尾瀬がシーズンインだ。しかし今年は雪が少ないだろう。


主脈方面はトレースがあるようだ。



主脈の山々がかっこいい。北アルプスは視程が悪くて見えない。



山頂から徒歩5分の奥の院を目指すが、雪が硬く、滑落に注意。



奥の院。



日本酒谷川岳が奉納されている。
日本酒の瓶を撮影するときには、映り込みに注意。
SNSで顔ばれした事例があるので、顔を見せてはいけない人は、後ろ向きに撮るのがよい。


茂倉岳が見える。
芝倉沢に滑降するBCヤーが多数入っている。
こちらはマチガ沢と異なり、危険地区ではないので検挙される心配はない。


だんだん太陽が斜めになってきた。



(左)
警察ヘリがフライバイ。
(右)
国際線の飛行機は、公衆衛生上の問題から、だいぶ少なくなった。
写真は大韓航空のB747-8だ。


飯でも食べて時間をつぶす。



だんだん暗くなってくると雲に覆われてきた。
ヤマテンの予報通りだ。


暗くなるとともに雲が厚くなる。肩の小屋がかろうじて雲から出ている。



照明には4WのUSBLEDライトで明るい。40Wの白熱電球相当。
今日の小屋の宿泊は4人。
僕以外の3人のプロパティはというと下記のとおり。
 ・15回/年も谷川岳に来ている人
 ・静岡市の山岳会の重鎮(超エキスパートな登山を60日/年)
 ・南アルプス聖平小屋の管理人
冬の谷川岳に泊まる人は山好きしか来ないので、たいてい山談義で盛り上がる。
僕はほどほどに参加したが、大変貴重な話をお伺いできた。感謝。


気温はマイナス7.5℃とこの時期としては暖かい。
翌日は南風に切り替わるので、気温はむしろ上がる。
なお、ヤマテン予報ではマイナス4℃だったが、雪の冷却効果があるのか、
これよりも下がることが多い。

土間で寝ようとするが、40秒ごと?に「ピッ」っという音が気になる。
ググってみると、どうも火災報知器の電池切れ警告音の可能性がある。

では、寝る。
20時就寝。


2日目

6時起床。10時間睡眠。
モンベル0#(-6℃まで)+ホッカイロ7枚+ダウン上下で、概ねぬくぬく熟睡。
スマホ温度が-1℃だったので、寝袋付近は-3℃くらいだろう。
足にはホッカイロミニを貼るとちょうどいい(標準サイズでは熱すぎる)。


外はガスっているが、風は強くなく、下山には支障ない。
猛烈な暴風雪だと下山できないが、3月では超強い冬型になることも少なくなってきた。
8時くらいに天神尾根に宿泊した登山者や、西黒尾根から来た登山者が上がってきた。
外は雪が硬いので、トイレ等に外出した際、アイゼンをはいてないこともあり、滑落に注意。
トイレに行って滑落して死亡、というのは事例がある。厳重注意。


ガスっていて暇なのでゆっくり朝飯を食べる。
今回搬入食糧。(夕飯を食べた後なので残りが少ない)
2日分である。
水は雪から水を作っているので飲料水を大量に持ってくる必要は少ない。
ガスは250gを持参し、150g程度を使用。
あまり節約せずに使っていたためで、節約すれば半分くらいで済むだろう。
小屋の暖房にもなるほか、衣類の乾燥にも使えるが、燃えないように要注意。



下山にかかろう。
ルートミスしてあらぬ方向に下らないよう、厳重注意。
4人組のパーティはGPS誘導で下っていた。
僕は100回は天神尾根を通っているので道はわかるが、
それが油断につながって迷わないように注意。慢心してはいけない。


天狗付近まで降りるとガスが薄くなってきた。



こんな天気でも結構人が登ってくる。50人はいた。
雪が硬く、滑落に要注意。


スキー場が見えてきた。


天神平に戻ってきた。



気温は2℃、積雪230cm、この時期としては異常に積雪が少ない。
2015-16年シーズンの異常小雪と同じか、それよりも多いくらいだ。
例年だと積雪300〜400cmくらいになる。
この調子だと今年は平ヶ岳は無理かもしれない。
帰りは、ロープウェイ駅からバスに乗り、水上駅で降りる。
荷物が非常に大きく(90Lザック満載)、混雑するバス内での取り扱いは気を使う。
帰りは90Lザック内にマットを収容できたので少しマシになった。
今回は、少し工夫すれば、いつもの60Lザックで済んだかもしれない。

登り:0940→1225(肩の小屋)
下り:(肩の小屋)0915→1015

以上、無事に帰還。総費用 15k。