旅行記
2020/02 両神山
両神山は埼玉県にある1,723mの山である。百名山選定。
今回もメインとなる日向大谷(ひなたおおや)ルートだ。
自宅からも近く、お手軽に行ける山である。
冬型気圧配置時には晴天圏内になり、冬でも積雪が多くない。
しかし、狭い稜線やトラバースが続き、凍結時は危険である。
冬場ならば最初から最後までヘルメット装備が望ましい。
特に日向大谷ルートが最も一般的だが、
遭難事故の半数以上はここで起こっている。
今日は2泊3日の行程でテント泊で行くことにしたものだ。
途中には清滝小屋という快適な県営の小屋がある。
営業休止から10年経っているが、小鹿野町が管理をしていて、
小屋やトイレはもちろん、布団もちゃんと綺麗だし、よく管理されている。
広くて明るいテント場もあり、ゆるキャンに最適な立地だ。
今回は小屋にも宿泊者がいたので厳密にはソロキャンではなかったが、
冬の両神山は人も少なく、静かな宿泊が楽しめる。
これで両神山は22回目だ。
1日目
最近は睡眠負債が溜まっているため、自然体で起きると朝9時。
急いで準備をして両神山を目指す。
小鹿野町の中心市街地付近からは、よく両神山の特徴ある山容が見えた。
登山口までの途中の道路に凍結・積雪はなく、ノーマルタイヤで来ている車もいた。
登山口の駐車場は4つあるが、上から2つ目は2019年台風19号の豪雨で大崩落。
このためバスも乗り入れしていない。
これにより駐車場は混んでいて、上から3番目の駐車場に停める。
上の2つは有料(1日500円)。
このため下の2つが人気がある。ただし標高差80mあり、
登り15分、下り10分の計25分が余計に必要になる。
日向大谷からスタート。
登山口のバス停の大崩落は、崩落が修復されていた。
バスの乗り入れ復活も近そうだ。
いよいよ登山道。
トラバースが多いので要注意。
落ちると大破か死亡するような斜面が多く、気が抜けない。
小屋までには、途中、1か所、ベンチなどがある休憩ポイントがある。
会所から上は、落ちると落ちた先が崖になっているところがあり、
死者が多数出ているポイントがある。要注意。
ヘルメット装着で慎重に。
弘法井戸は水が出ている。しかし、小屋の水場のほうがよさそうだ。
清滝小屋。
水場。
小屋の水源地を探ると、水源地付近では生きていて、ホースから水が出ている。
小屋となりの炊事場で飯にしよう。
食料は一応、予備を含めて4日分を持参。
車の場合、要冷蔵の食品も持ってこれるので便利。電車だと車内が暖かくダメになる。
サラダは大量に持参。約400g。
小屋の中は火気厳禁のため、外の炊事場で調理をする。
小屋泊のエキスパート山女子も同じように外で調理していた。
たまに小屋の中で火気を使っているのを見かける(経験上、ベテランの方の場合が多い)が、
小屋の指示事項を守らないと、今後、使わせてくれなくなるかもしれないので、
こういうことは絶対に守る必要がある。
水がない山小屋で火災は本当に怖い。
今回もテント泊である。
フライシート無しなのは何故かというと軽量化のため。
今の時期は絶対に雨が降らない。
雪は降ることもあるが、奥秩父は冬は晴天圏内のため、めったに降らない。
もし降っても多少なら大丈夫だし、最悪、炊事場には屋根があるのでそこに避難すればよい。
人が多いテン場では、「フライシート忘れたんですか?」と次々に声を掛けられるはず。
とはいえ、今日は雨が多少降っていたので、雨が収まってから設営する。
だんだん日が傾いてきた。
小屋には宿泊者が1人。
他にはソロの男性のテントが1張。つまり、今日の宿泊は僕を含めて3人だ。
日が暮れると下界の夜景が輝きだした。
夜景が3段見えるが、手前が小鹿野町、中段が長瀞・皆野〜秩父盆地、
一番遠くが関東平野である。
こうして東京の夜景を見ていると仙人の気分に。
こちらは電力はほとんどない(持参のモバイルバッテリー36Whとスマホ9Whくらい)。
明かりは持参のLED電球4W(白熱電球40W相当)があるのみだ。
では、テントに戻り、寝よう。
19時半就寝。
2日目
7時起床。11時間睡眠。
朝6時すぎ。だんだん明るくなってくる。
外気温は0℃とこの時期にしてはかなり暖かい。
湿度は36%と雨が降ったのにカラカラに乾燥している。
では、片づけて頂上へ。
明瞭な尾根に乗ると頂上が見える。
この先には凍結路があるので、チェーンスパイクか6本程度のアイゼンが必要。
カリカリに凍結していて、4本では歯が立たない。
チョコは2月14日に会社で同期が絨毯爆撃していたものをありがたく頂いたもの(感謝)。
両神神社。
ここまでくれば、あとは広い尾根沿いだ。
この先には小屋があったらしい(40年前の山と高原地図には記載あり)が、
具体的にどこにあったのかはよくわからない。
山頂。
三角点。
山頂標識。
完全装備で寒くない。
パノラマ。
北に2分の展望ポイント。
こう見ると両神山の雰囲気は、西上州に近い。
この先になぜか人糞があるため踏まないように要注意。
開放的な場所だとついついしたくなるのか。
パノラマ。
こいつも持参。
では、山頂で3時間ほど休憩したので下ろう。
小屋に戻ってきた。
今日は僕のほかにテントはないので、小屋裏のべスポジに移動する。
しかし、小屋裏のテントサイトは、斜面の下にあるので、夜中に落石の音が聞こえ、やや不安。
これは小屋裏の清滝が崖になっているため落石が多いのだろう。
だんだん日が傾いてきた。
日帰りの人で一番遅い人は17時くらいにここを下っていった。
登山口の日向大谷までは2時間かかるので、19時くらいになり真っ暗になるはずだが、
登山道は明瞭だし、エキスパートならさして問題はないだろう。
ただし、農取小屋ならかなり怒られるはず。
小屋の南東側にあるトイレは大破している。数年前の大雪でこうなったようだ。
このあたりも段々畑状にテント場になっている。
日が暮れると下界の夜景が輝きだした。
では、テントに戻り、寝よう。
19時半就寝。
3日目
7時起床。11時間睡眠。
小屋内の温度計で気温は2℃。外気温はマイナスちょっと程度だろう。
朝陽に照らされる。
小屋内で荷物を整理する。
快適な小屋だ。
黒板の内容から、1ヶ月に1回、清掃をしているようだ。
前回にはなかった新しい毛布や銀マットが増えていたり、よく管理されている様子が伺える。
なぜか無洗米・唐辛子・塩が置いてあるが、何に使ったのかは謎。
では、日向大谷に下ろう。
落ちたら大破〜死亡だ。慎重に下る。
日向大谷に戻ってきた。
今日は一番下の駐車場までいっぱいになっていた。
これ以上増えたらどうなるのかは不明。なお路駐は禁止である。
蝋梅が咲いている。
で、80m下の駐車場まで戻り、帰りも慎重に運転して帰る。
行き 0955→1135
帰り 1135→1400
以上、無事に帰還。総費用 13k。