旅行記
2019/09 五竜岳
五竜岳は、長野県・北アルプスにある2,814mの山である。
これで五竜岳は2回目だ。
五竜岳・白馬岳・唐松岳は、ロープウェイがあるので時間短縮が可能で、
特に、五竜岳と唐松岳は、公共交通機関利用の朝発1泊2日で行ける。
北アルプスの100名山では、立山と五竜岳のみが、
公共交通機関利用・朝発・1泊2日・テント泊で行ける山だ。
五竜岳へは、五竜岳への白馬五竜スキー場から遠見尾根が最も近いが、
単純往復だと行程が長く、展望も悪いので飽きることから、
八方尾根スキー場から八方尾根、唐松岳を経由すると、
展望もよく、コースタイムも大きく変わらないので面白い。
この周回コースの場合、どちらから上がるかだが、
八方尾根から上がるほうが、標高が高いので歩くのぼりが短くて済むこと、
天候や体力の都合により、唐松岳頂上山荘宿泊で途中リタイヤ可能なので、
こちらのほうが良さそうだ。
コースタイムは以下のとおり。(唐松ピストン含まず、バス停〜ゴンドラ含む、山地図2009)
・遠見尾根UP→遠見尾根DW 11h55min
・八方尾根UP→遠見尾根DW 12h15min
・遠見尾根UP→八方尾根DW 13h10min
いずれにしてもテント泊装備をもって2日間で12時間くらいの行程になり、
特に初日の時間が厳しく、荷物が軽い夏季でないとつらく、春秋は難しいだろう。
山小屋はあるが土日は非常に混雑する。
テント場は、五竜岳山荘で公称30張りだが今回は70張りくらいはあった。
先に幕営してから受付する方式なので、受付で断られることはなそうだが、
物理的に張るスペースがないということは当然ある。
コミュ力が高い人なら、テントの間を少し移動して開けてもらう方法もある。
もう上部では紅葉が始まっている。いざ、秋の北アルプスへ。
1日目
高崎からいつもの始発新幹線「はくたか」で長野へ。
長野からは白馬行き特急バスに乗る。
満員ですぐに2台目が配備されたのでそちらに乗る。
八方バスターミナル。
ここに降りてくるならバス待ちも楽だな。
バスターミナルからはCT10分(実際には15分程度)で八方尾根スキー場のゴンドラへ。
標高差は20mほどなのでほぼフラットであまり気にならないが暑い。
荷物が15kg以上だと追加料金を取られる。
今回は13.8kg(うち飲料2.4kg)と軽量化した。
ゴンドラに乗って上部へ。
リフト最上部の1,830mまで一気に来れる。
ではスタート。
途中の八方池まではトレッキングコースだ。
見晴らしがいい。
八方池。ここは2,080m。
午後になってくると下る人が多くなってきた。
ここから上の登山道では狭い部分もありすれ違いに時間がかかる。
扇雪渓も9月ともなるとだいぶ小さくなっている。
丸山ケルン。
まだまだ登る。
八方尾根は9割は森林限界以上なので見晴らしがいい。
やっとこさ唐松岳頂上山荘へ。
唐松岳。
唐松岳頂上山荘(2,620m)で少し休憩。
14時なので五竜岳を目指すが、
コースタイム通りなら五竜山荘到着は16時30分となって、農鳥岳なら怒られるはず。
唐松岳のテント場も小屋から遠いがサイト間が離れているので静かに過ごせそうだ。
牛首の鎖場は要注意。
進む。
やっと五竜山荘(2,480m)に到着。16時になってしまった。
もうテント場はいっぱいなので小屋裏のヘリパッドに幕営するよう指示を受ける。
しかし、この場合、日の出と同時に荷揚げヘリが来る予定だそうで、5時に完全撤収せよとのこと。
こういうときは1人用小型テントが狭い隙間にも張れて便利。
今回搬入食糧。
焼きそばはソース無しで食べるほか、
湯切り水を飲むことでエネルギーと水分を回収する、
コンバインドサイクル方式で食べなければならない。
今日は重荷で6時間歩いているので、十分なエネルギー摂取が重要だ。
テントが多い。日が傾いてきた。
ゆるキャン△だな。
日が沈む。
小屋はこのとおり。
幕営でも食事を頼めるが、1食3,000円以上するので、食料を忘れたときなど緊急に限る。
幕営料金は消費税アップなどを受けて1,200円にアップ(以前は1,000円)。
では、寝る。19時半就寝。
2日目
朝3時半起床。モンベル#3(3℃まで)でぬくぬく熟睡。
朝はスマホ温度が14℃だったので、外気温は11℃くらいだろう。
小屋では朝6時で13℃だったので、最低気温はやはり11℃くらいだろう。
朝4時になるともう薄明るくなってきている。暁の地平線だ。
五竜岳に登るヘッドランプの列が見える。
日の出。
朝陽に照らされる五竜岳。
小屋側(西側)にも影が見える。
小屋のスタッフが着ているのは有名な「山が好き、酒が好き」Tシャツ。
これを着て宴会で騒いでいるパーティがいたら、確定的にうるさいので、近くに幕営してはならない。
では、日が昇ったので五竜岳へ。
テントはヘリパッドから撤収し、通常のテント場に移設する。
小屋の裏の白岳分岐のあたりにクマを発見。
これで見たのは5回目だ。山行き200日に1回程度の確率である。
登る。岩場もあり要注意。これでは積雪期は無理。
60Lザックで登るが、10Lのサブザックを持ってくればよかった。
山頂。
山頂標識に落雷して標識が爆裂してしまったので、暫定標識が設置されている。
長野県のレンジャーに撮影を依頼する。
三角点の残骸。
山地図2009では2,814.1mの三角点マークが書いてあるが、
最新の地形図では、2,814mの標高点になっている。
鹿島槍方面。
白馬方面。
妙高方面はよくわからない。
雨飾山がどれなのかも不明。
八ヶ岳の奥には富士山が見える。
富士山のマイカー規制は9月10日で終了するので、
来週以降はマイカー派の山屋でにぎわいそうだ。
山頂付近にはオコジョが出没。
尾瀬などで何回か見たことあるが、すばしっこく写真を撮れたのは今回が初めて。
パノラマ。
小屋に戻る。
では、テントを撤収して下ろう。
白岳の標識は、北アルプスの標準仕様。今後この仕様が増えていきそう。
下る。
遠見尾根でも死者が出ているので要注意。
大遠見山。2,106m。三角点がどっかにあるはず。
暑い。
小遠見山。厳冬期でも何とかここまでは来れる。
ゲレンデトップ1,630m。
ここでリフトに乗るとゴンドラまで20mの登り返しがあるので、歩いて下る。
ゴンドラに戻ってきた。1,530m。
白馬五竜スキー場を下る。
こちらは荷物料金が10kg以上で必要となる。
営業時間は1630までだが、事前に最終便に間に合わない旨を連絡すると、
30分2000円(古い資料による)の追加料金で延長運転してくれるとか。良心的だ。
白馬五竜スキー場のレストランで昼食にする。
スキーシーズンは、ラーメン・牛丼などの若者受けするメニューばかりで、
食事制限があると食えるものがなく困ったが、
グリーンシーズンは中高年にも受けるメニューが多い(蕎麦や野菜サラダ等)のでありがたい。
なお一定条件満たすとグラスビールが貰える(右上)。
その後はまだバスに時間があるので、駅舎内の温泉に入る。650円。
白馬五竜スキー場から長野行バス停留所「白馬五竜」までは徒歩20分、標高差80m。
バス停には屋根や壁がありありがたいが、トイレはない。
時期によってはシャトルバスがあるので歩く必要がないが、あまりあてにはならない。
長野からは新幹線「はくたか」に乗り、高崎へ。
新幹線に乗ればもう自宅まで一直線という感じだ。
以上、無事に帰還、総費用25k。