旅行記



2019/08 木曽駒ケ岳

木曽駒ヶ岳は長野県中央アルプスにある2,956mの山である。
標高2,640m付近までロープウェイが通じているため、
山頂までは往復4時間弱と短い行程で到達することが可能だ。
頂上付近ではテント泊も可能で、ゆるキャンに最適である。

あまりに下界が暑いので、避暑ゆるキャンとして、さっそく行ってみたものだ。
千畳敷駅の最暖月平均気温は8月11.9℃で、ツンドラ気候ではないが、
木曽駒頂上ならギリギリでツンドラ気候になりそう。

今シーズンからは、ロープウェイのシーズン券を導入している。
ロープウェイと路線バスが乗り放題で12,000円と安く、年3往復使用で元が取れる。
さらに、同行者も割引、レストラン10%割引など、特典が多い。
ロープウェイは駒ヶ根から千畳敷までは4,000円以上するが、
標高差1900m以上を稼げるので、むしろコストパフォーマンスは高いほうだ。
木曽駒はロープウェイの混雑が凄いのだが、
宿泊なら、1日目は遅めに登り、2日目は早めに下山することで、混雑を回避可能だ。

ザックは電車・バス移動などが多いので、60Lに収まるよう軽量化した。
寝袋はモンベル#3だ。
残雪はなく、アイゼンは不要だ。
そろそろ雲が高くなり、秋の雰囲気になってきた。宿泊の際には、気温に注意。

なお、本稿も含め、木曽駒はこれまでに18回行っている。
ホテル千畳敷宿泊も含めれば、計38日だ。


0日目



今回は中央道下りが激しい渋滞が予報されているので、
前日のうちに伊那まで行ってしまい、前泊する作戦だ。
これで混雑を回避できる。
バスタ新宿から高速バスに乗る。
定刻ベースでは、1525新宿→1900伊那バスターミナルだ。
新宿では定刻で出発。
+1,000円の「ひとりだけシート」にしたので快適。


ほぼ定刻(10分早着)で伊那バスターミナルに到着。
渋滞に巻き込まれることもなかった。


伊那市駅から徒歩3分のところにあるホテルに泊まる。
3,600円と安い。
設備も値段相応分はあり、十分。次も使いたい。

では夜遅いので寝る。21時半就寝。


1日目


5時半起床。
朝も大浴場に入れるので汗を流してから出発。



伊那市駅から電車に乗り、駒ヶ根へ。
駒ヶ根までは12kmほどだが25分くらいかかる。歴史的経緯もあり、結構遅い。
ちなみにほぼ同じ距離の東海道線横浜〜戸塚間(12.1km)は10分ほど。


駒ヶ根駅からはバスに乗る。
駒ヶ根駅では、ロープウェイ客は僕だけだったが、菅の台の駐車場からは大勢乗ってくる。
菅の台のバス乗車待ちは酷いと2時間以上になるそうなので、
車を駒ヶ根駅付近に停め、そこからバスに乗ればバス待ち無しでロープウェイ駅まで行ける。
ただし、駐車料金が高いのと、バス乗車時間が少し長くなる(往復30分程度)のが難点。
なお、バス運賃分の小銭をおつりなしで持っていることが絶対条件。
(僕はシーズン券があるので見せるだけでOK)


バスでロープウェイのしらび平駅へ。
繁忙期で9分間隔の連続運転だ。待ち時間が30分ほど。
ひたすら行列になっていたが、整理券を発行してほしい。


千畳敷駅では15℃と涼しい。日差しがなければ長袖1枚でOKだ。



で、千畳敷駅(2,640m)から歩き始める。











稜線まで出た。



宝剣山荘(2,860m)。わずか220mの登りでOK。ゆるキャンだな。



ガスっているので宝剣山荘で休憩。
休憩は300円必要(食事を300円以上頼んでもOK)。
ご飯は200円のため休憩権を得られないが、2つ頼む(400円)とOKだ。


そしてテント場に設営。大混雑。



ゆるキャンだな。
ゆるキャンのグッツを持ったファンもテント泊していた。


次は木曽駒ケ岳の山頂を目指す。



正面は頂上木曽小屋。



下には玉の窪山荘が見える。比較的すいていてオススメだとか。



山頂。
文字がかすれて読めなくなっていた山頂標識は、文字が塗りなおされていた。


三角点。



テント場に戻ろう。
今回搬入食糧。
山では野菜確保に苦労する。
野菜ジュースで代用するが、あくまで野菜汁なので野菜そのものではなく、どうかな。


夕飯はソース焼きそば(ソース抜き)。
一気に700kcalを補給可能でお得。


夕方は再び頂上へ。



ガスが取れてきた。



いい感じだな。



山頂の神社。



日が傾いてきた。



雲が多いが一応夕日が拝めそうだ。



日が沈んだ。



すっかり暗くなったがまだ活動している人多し。
右端は満月。


満月に照らされると写真ではかなり明るく写る。
満月は太陽の100万分の1の明るさなので、1000AUくらい離れればこんな感じになるはず。


さてそろそろ20時だし寝ようと思ったら、
付近のテントで焼き肉が派手に焼かれはじめ、中断していた宴会が再開される。
農取小屋なら早く寝ろと言われてかなり怒られるはず。
山は早寝早起き、宴会は他人に迷惑をかけない、この2点が極めて重要だ。

で、しばらくすると静かになったので寝る。
21時就寝。


2日目

4時半起床。7時間半睡眠。
山では9時間は寝たいところだ。

モンベル#3(快適6℃まで)+薄手ダウンジャケット+ホッカイロ3枚で、ぬくぬく熟睡。
スマホ温度は、朝2時〜4時に最低の7℃を記録した(ログ取りアプリを入れている)ので、
このときにテント内で6℃くらい、外気温で5℃くらいだろう。
モンベル#3(快適6℃まで)だと、6℃未満では快眠が難しくなってくるので、対策が必要だ。


暁の地平線。



朝陽に照らされる。



再び山頂へ。



頂上の神社。



穂高、槍、立山、剱が見える。



パノラマ
こう見るとハイマツの範囲は北アなどと比べてかなり狭い。
2018年に見つかった雷鳥1羽はまだ生きているものの、2019年6月に誕生したヒナ5羽は全滅した。
そこで環境省が乗鞍岳から3家族20羽を引っ越しさせる計画だが、
木曽駒頂上付近でもサルを見かけることがあるなど、環境は厳しそうだ。


テントを撤収して戻ろう。



宝剣山荘へ。



まだロープウェイ始発組が来ないので静か。



下る。



ロープウェイの始発で上がってきた人で大混雑。交換待ちで時間がかかる。



千畳敷に戻ってきた。



17℃と昨日より暑い。



8時15分のロープウェイで下る。
1両に10人ほどとまだこの時間では余裕だな。
ロープウェイで降り、路線バスに乗り、駒ヶ根ICへ。
ロープウェイ乗車中に係員に聞いたところ、
ロープウェイに並行する登山道はもちろん、送電線巡視路なども無いようだ。
ではどうやって送電線やロープウェイ鉄塔の巡視をやっているのかというと、
ロープウェイ搬器でロープウェイ鉄塔まで行き、そこから梯子で降下して山の斜面に降り、
そこから送電線鉄塔まで行っているようだ。
このため、登山道のようなものがロープウェイに並行してはない。
(それぞれのロープウェイ鉄塔〜送電線鉄塔間にはある)


駒ヶ根ICからは高速バスで新宿へ。
インターネットで見ると、バスには続行便が出ているのでこちらに予約変更する。
続行便は2日前くらいに急に設定されることがあるので、事前チェックが重要だ。
続行便は空いていたので、横2席を1人で使えた。

定刻ベースでは、駒ヶ根IC 0950→新宿1315。
高速バスは5分遅れで出発し、新宿着は5分早着。
事前の渋滞予報では、お盆のUターンラッシュの余波が残ると踏んで、
中央道小仏は10時〜23時の予報になっていたが、実際には渋滞は13時からだった。
通常の土日と異なり、こういう時期の予報は難しい。
よって次の1050便でもよかったかもしれない。1150便では渋滞にハマっている。

以上、無事に帰還、総費用20k。