旅行記



2019/05 尾瀬(燧ケ岳・至仏山・平ヶ岳)

5月連休なので山開きした尾瀬である。
今回は6泊8日で尾瀬の山に登る作戦だ。

1日目 鳩待峠→山ノ鼻
2日目 山ノ鼻→至仏山→山ノ鼻
3日目 山ノ鼻→鳩待峠→至仏山→鳩待峠
     ここで悪天候のためいったん自宅に退避
4日目 鳩待峠→山ノ鼻→見晴
5日目 見晴→燧ケ岳→見晴
6日目 見晴→山ノ鼻→平ヶ岳→山ノ鼻
7日目 山ノ鼻→至仏山→山ノ鼻
8日目 山ノ鼻→鳩待峠


6日目には平ヶ岳にアタックすることにしたものだ。
平ヶ岳は、群馬県・新潟県の県境(上越国境)にある、2,141mの山である。
100名山選定。
無雪期に登山道をコースタイム13時間日帰りするのが一般的だが、
GWシーズンには、尾瀬から上越国境を通って、平ヶ岳に行くことができる。
この場合、尾瀬の鳩待峠から1泊2日か2泊3日で十分行ける。
鳩待峠から往復で、CT15〜17時間(推定)、距離30kmだ。
この距離に加え、完全バリエーションルートのため、
道迷い、スノーブリッジの崩落、クマとの遭遇など、難易度が非常に高い。
それでも、積雪期の上越国境の雄大な景色に心打たれ、通うベテランも多いとか。
平ヶ岳へは、下記のタイムで歩いたが、トレースが使えたのでかなり条件は良かった。
普通はこれの1.5〜2倍は見込んでおいたほうがよい。
 山ノ鼻 0740
 JP 1050
 平ヶ岳 1245着 1255発
 JP 1420
 山ノ鼻 1620
というわけで極めて好条件なら、山ノ鼻から8時間40分できたので、
山ノ鼻から日帰りというのも面白そうだ。
日帰り軽量装備なら12時間見込んでおけば何とかなるだろう。
例えば、4時出発〜16時帰着というのが考えられる。


なお、アイゼンは至仏山の下りに使用した程度で、ほかは使わず。
実際には6本で十分だが、さすがに本当に軽アイゼンを持っていくわけにもいかず、
正規アイゼン+ピッケルの装備だ。


尾瀬はこれで24回目(67日目)である。


1日目

例年、70Lザック+25Lザックで搬入していたが、
今年からは90Lザックを導入したので、90Lに全部まとめて入るようになった。便利。
それでもアタック用に別途25Lザック+10L超軽量サブザックを持参している。


沼田からバスで戸倉へ。戸倉からバスに乗り鳩待峠へ。
鳩待峠は閑散としている。


飯を補給。



では、準備をして出発。
完全に雪山だな。
鳩待峠〜山ノ鼻間はトラバースが多く、意外と危険なため、アイゼン装着が望ましい。


山ノ鼻へ。



吹雪いているので早めにテントを建てる。



今回搬入食料。



尾瀬なので水は豊富、風呂にも入れる。大変ありがたい。
3日くらいになると風呂に入らないとつらい。
ただし、石鹸シャンプーは使えないので、汗を流す程度だ。
エコキュートで湯沸かししているので、あまり連続で使いまくると湯切れする可能性がある。


暗くなってきた。
山ノ鼻テント場は、風呂もあり超快適なのだが、
携帯の電波がないのが難点だった。
しかし、2018年から、「OZE Green WiFi」が利用可能で、
接続すればスマホからインターネットが可能。大変便利。


2日目



モンベル0#(-7度まで)+メスナー(15℃まで)+ホッカイロでぬくぬく熟睡。
気温はマイナス5℃くらいだが楽勝だな。


すっかり明るくなった。
テント場内の炊事所には、卵の殻・小エビ・刻みネギ・小麦粉などが散乱していて酷い。
どうみてもお好み焼き宴会の残骸である。


尾瀬ヶ原に散策。



では、至仏山を目指す。
今日は至仏山に往復だ。


階段は登らず、右の沢沿いへ。
3合目付近で森林限界、見晴らしがいい。
帰りはシリセードに絶好の斜面だ。


途中、7〜9合目付近は夏道が出ている。
ここはアイゼンを外して通過する必要がある。


8合目付近には、テラスとベンチがあり、休憩に最適。
ビバークするやつもいるとかなんとか。


頂上。



今日はすごい人出だ。



パノラマ



相変わらず三角点。



県警ヘリが出動。
シリセードに失敗して足を骨折したらしい。
シリセードに失敗して大破したという話は結構聞くので要注意。
特にアイゼンをひっかけて足を骨折というのがよくある。
意外と上級者向けである。


夕方になってくると人が少なくなってきた。



人が少ない。



帰りは高速下山。
至仏山は勾配がシリセードに最適なうえ、雪面も綺麗だ。
おかげで大量に落し物が発生している模様(至仏山荘に山積みになっていた)。
途中からは沢に入り込まないようにルートを気をつけて下る。


テントに戻る。



日が傾いてきた。



暗くなってきたので寝る。
宴会がうるさいが、しょうがない。


3日目



モンベル0#(-7度まで)+メスナー(15℃まで)+ホッカイロでぬくぬく熟睡。
気温はマイナス4℃くらいだが楽勝だな。


尾瀬ヶ原を散策。
燧ケ岳まで行こうとするが、頂上に雲がかかっているのでやめる。


至仏山が朝陽に照らされる。



テントを撤収して鳩待峠へ。
そこで90Lのザックを預け、
25Lのサブザックで至仏山をピストンする予定だ。


至仏山へ。



森林限界を超えるとかなり暑い。長そで1枚でも汗だくに。



多くの人が登っている。
GWの至仏山でスキースノボはおしまい、という人が多い。
人によってはそのあとニュージーランドに5月〜10月まで行ってしまう。


頂上。



頂上。



人が多い。



少し天気が下り坂だな。



では下山にかかる。



鳩待峠に戻る。



鳩待峠で補給。



戸倉まで連絡バス、戸倉〜沼田駅までは関越交通バス。
道路に雪はないが、吹雪くことがあるので、その際はスタッドレスタイヤのタクシーのみになる。


沼田駅からはJR線等を乗り継いでいったん帰宅する。


4日目

自宅で悪天候をやり過ごし、補給して、再び、尾瀬へ。



天候が回復したので再び尾瀬へ。



食堂で補給してから登る。ちなみにこれで200円と非常に安い。



鳩待峠からスタート。



山ノ鼻にはテントが設営されているが、今日はスルーして、見晴を目指す。



尾瀬ヶ原へ。



雪が腐っていてあるくのが大変つらい。



木道は1%くらいの区間で出ている。
木道との隙間に落ちないように注意。
また、雪が薄くなっている区間もある。


だんだん近づいてきた。



水芭蕉も咲いている。
このくらいがいいな。シーズン終わりになると大きくなりすぎる。


見晴に到着。テントを設営。



今回搬入食糧。
3日分である。残り2日分は小屋で補給する予定。


燧小屋でテント泊の受付をする。
毛布を1枚200円で借りれるので2枚借りる。
暖かくて非常に寝やすいのでオススメ。


風呂は30分しかない。シャワーは2基、浴槽は3人分なので、5人分だが、
3回転くらいするので15人くらいは入れる。
30分で3回転だと、裸になっている時間は10分と非常に短い。
脱ぎ始めてから完全に着るまでで15分くらいで、これは刑務所の入浴と同じ時間だ。
しかし、山で風呂に入れるだけで非常にありがたい。
これがあるので長期に尾瀬に籠れる。
風呂場は行列になるので開始時間の15分前くらいには行って並んでいるのがよい。


日が傾いてきた。



日が沈む。



暗くなったので寝る。
見晴らしのキャンプ場は広く、宴会の騒音を気にせず寝れた。非常にいい。


5日目

モンベル0#(-7度まで)+メスナー(15℃まで)+ホッカイロでぬくぬく熟睡。


朝からスノーモービル部隊が物資輸送をしている。
見晴〜鳩待峠間で40分〜1時間だとか。ソリで100kgくらいは輸送可能なようだ。
900ccのマシンで速度計は200km/hまで目盛ってあるが最高速度は不明。
ちなみに100km/h以上だと、ベルトが推力になるので、0.5秒以内なら水面も渡れるようだ。
つまり144km/hなら20mまでの水面を渡れるということに。
ただしYOUTUBEでは失敗した動画がたくさん出てくる。


では、燧ケ岳を目指す。



日が昇ると一気に気温が上がる。



見晴からは樹林帯をゆるやかに登っていく。
途中、燧ケ岳方面への分岐は、
上水道施設から登り1分ほどの場所にあり、
「高山植物」と書かれたA3くらいの鉄看板と、
ヒウチと木の幹にスプレーで書かれているのですぐに分かる。
例年だと分岐点に標識はない(雪で埋まっている)から、
うっかりして直進する人多し。


トレースはない。
そこからは旧見晴新道を登っていく。
沢沿いの旧見晴新道のほうが傾斜が緩く、雪も緩んでいて安全だ。
新見晴新道は上部が急勾配で危ない。


登る。
トレースもかなりあり、心強い。


途中、標高2200m付近では、沢の底(写真)から尾根に乗り換える。



尾根に乗り換える地点は2mくらいの雪壁になっていて難しいこともあるが、
今年は難なく通過できた。


滑落に要注意。



燧ケ岳の頂上だ。



頂上。



三角点ピークへは、急勾配になっていて非常に危険。
落ちる方向によっては崖になっているので非常に危険。
滑落した人もいたが、下部はハイマツ帯になっていて大破するほどではなかった。


尾瀬沼がかっこいい。



元号関連の商品がインスタ映えするとのことで、持参してきている人多し。



360度の展望だ。



では、下山にかかる。



先行者が歩いているが、あのあたりは滑落に要注意。非常に危険。



旧見晴新道はトレースができて歩きやすい。
特に危険な個所はない。
新見晴新道よりもおすすめだ。


見晴まで戻ってきた。



広々していて、宿泊環境は山ノ鼻よりよい。
トイレ裏の浄化槽ではコンクリート面が出ているのでここに寝れば水平で快適だが、
見晴休憩所が宴会基地になっていて非常にうるさいため、休憩所に近い場所はNG。
ちなみに見晴休憩所は火気厳禁だが、ひとたび宴会になればそんなことお構いなし。
浄化槽のところにはフキノトウが自生しているので、回収して食べている人もいた。
食料を現地調達すれば荷物を大幅に減らせるが、
国立公園特別保護地区なので大臣の許可が必要になるため、素人には難しいだろう。


小屋も6件のうち3件が営業している。
桧枝岐小屋の食堂は、6時〜19時くらいまで営業していて補給に便利。


桧枝岐小屋で飯にする。
焼肉定食、+100円払ってごはん大盛りにしてもらう。


暗くなってきた。



6日目

モンベル0#(-7度まで)+メスナー(15℃まで)+ホッカイロでぬくぬく熟睡。


朝5時起床で準備する。



日の出前後の1時間程度は、尾瀬に霧がかかる。



気温はマイナス5℃と寒い。



ではスタート。



幻想的。



日が上がると霧は取れる。



山ノ鼻に到着。



至仏山荘で補給していく。



山ノ鼻からは、いよいよ平ヶ岳へのバリエーションルートへ。



猫又川の右岸をひらすらさかのぼっていく。
なぜかピンクテープが増えている。
このあと赤い誘導旗を付けた竹竿も出現。去年はなかった。


微妙なスノーブリッジを渡れば、最短の尾根に取り付ける。
猫又川が標高1440mで左俣と右俣に分かれるが、
この分かれたところで左俣・右俣の中央の尾根に乗ると、
登り返しがなく、ジャンクションピークまで行ける。
しかし危険な感じがしたのでスルーして次を目指す。


そこでそのまま左俣の右岸をさかのぼり、1460mで沢が分岐するところで渡れたので、
そこからすぐ西にある最短の尾根にとりつく。


期待していなかったトレースはわずかにあり。
トレースはあっても正しいか確認が必要だし、あってもなくても同じだ。
雪が腐っていて歩きにくい。スノーシューがあるとよさそうだ。
ワカンではどうだろうか。


途中、50mほど先に熊が出てきたが、熊はびっくりして逃げていった。(写真なし)
熊のほうが索敵能力が高いので、たいてい熊のほうが先に逃げていく。
しかし、熊に会うのは4回目だが、何回会ってもドキドキするな。心臓に悪い。


ジャンクションピークには、テントが設営されている。
ジャンクションピーク設営するのが一般的で、この日は2張りあった。
ここにザックをデポして、日帰り装備で平ヶ岳をピストンする。
25Lザック+10L超軽量サブザックになり、非常に軽い。


日帰り装備になったので足取りが軽い。



見晴らしがいい。



平ヶ岳が近づいてきた。
しかし遠い。
雪庇やグライドクラックがあり要注意。
いつのまにか雪庇の上にトレースがついている。


もう少し。



で、平ヶ岳の頂上。
頂上には、積雪観測機器があるのみで寂しい。
頂上から北東に200m離れた場所には三角点と山頂標識があるが、
確認したところすべて雪で埋まっていて現地には何も見えなかった。


360度ひたすら大平原だ。



再び尾瀬に戻る。



ジャンクションピークに戻る。
ここでザックを回収するが、似た景色でザックがどこにあるか少々探す。
もし見つからないと大変なことになるので、GPSでマークしていくのがよさそう。
ここでテント泊の予定だったが、テントが2張りくらいしかなさそうなので、熊が少々心配。
そこでまだ14時台なので、山ノ鼻に下ってしまうことにする。
もし疲れたら途中でどこでもテント泊が可能なので心配はいらない。


途中の尾根は地形が複雑で要注意。
トレースがあらぬ方向に向かっていることもあり、トレースは信用できない。
しかし、ここに来るような人はよくわかっているので、みんな概ね同じ場所を歩いている。
そのほうが安全だ。


もしここで足を怪我したらヤバイ。
なお、携帯の電波は、標高1600m以上ならば通じるところもある。
平ヶ岳頂上やJPでも通じる。


猫又川沿いまで降りてきた。



途中、高巻くところが2個所あり、スリップすると川にドボンのため、
慎重に通過する必要あり。


あとは山ノ鼻に向かって一直線。
なぜかスノーモービルのトラックもある。遭難騒ぎでもあったのだろうか。


山ノ鼻に戻ってきた。これで一安心。
山ノ鼻から平ヶ岳往復で8時間半だったので、
十分にトレースがあるGW後半なら日帰り前提でも行けそうだが、
テント泊装備でも結構怖いのに、
日帰り装備では、絶対に当日中に戻るプレッシャーがあり、かなり心細いだろう。


テントを設営して風呂に入る。
今日は行動時間が長かったうえに、高出力で連続稼働したので非常に疲れた。
連続稼働中はすべて行動食で済ませたが、
ラムネ(ブドウ糖36g)を一気に補給するとなかなかいい感じだ。
水は1.2L持参したがまったく足りなかった。2Lは必要だ。

だいぶ靴の中が濡れてしまったが、
小屋の脱衣所のドライヤーを使った場合、
猛烈なにおいがして非常に迷惑になる可能性があり諦める。
そこで、靴下を寝袋の中に入れて寝ると、朝にはほぼほぼ乾いていた。
テント泊の場合、装備が濡れるとリカバリーが難しい。


7日目

モンベル0#(-7度まで)+メスナー(15℃まで)+ホッカイロでぬくぬく熟睡。



昨日は大変疲れたのでゆっくり起きる。



至仏山荘で補給していく。
これで600kcal,塩分1g。


テントに荷物を残して、日帰り装備で至仏山へ。



標高差800mなので楽勝だな。



快適。
しかし、またこの至仏山で怪我した人がいたようで、ヘリが出動していた。


数日前よりだいぶ雪が減ったな。



山頂。



大賑わい。



大賑わい。



平ヶ岳がかっこいい。
赤は今回歩いた最短尾根ルート。
黄色は去年歩いたススヶ峰経由のルート。
最短尾根は地形が複雑で迷いやすいが、人はこちらのほうが多い。


三角点と平ヶ岳。



三角点。



山頂で3時間満喫したので下る。



テントに戻る。



今日は10張りと少ない。



完全に真っ暗になったので寝る。
今日はなかなか静かだ。


8日目

モンベル0#(-7度まで)+メスナー(15℃まで)+ホッカイロでぬくぬく熟睡。
気温はマイナス1℃程度と暖かかった。



日の出。



今日も晴れてるが、すぐに下り坂の予定。



鳩待峠に戻る。



戸倉まで連絡バス、戸倉〜沼田駅までは関越交通バス。
沼田駅からはJR線等を乗り継いで帰宅する。


費用は下記のとおり。
交通費 4,000x2x2=16,000円
宿泊費 (800+500)x6=7,800円
宿泊費(毛布代) 200x2x2=800円
食糧費 1,000x8=8,000円
小屋食事費 1,000x8=8,000円
飲料費 250x8=2,000円
装備品減価償却(日帰り装備分) 1,000x8=8,000円
装備品減価償却(宿泊装備分) 2,000x6=12,000円
その他減価償却費(車両等) 7,400円
計 70,000円

以上、無事に帰還、総費用70k(うち減価償却費27k)。