旅行記



2019/02 谷川岳(肩ノ小屋)

谷川岳は群馬県と新潟県の上越国境にある1,977mの山である。

2月も後半ともなると、冬も折り返しで、冬型が長続きしなくなり、
3〜4日を1サイクルとして、高気圧、低気圧、冬型のサイクルが繰り返される。
前日は、日本列島に等圧線が3本かかる程度の、やや弱い冬型が残るが、
登れないほど悪い天候にはならないだろう。
というわけで、1泊2日で谷川岳に行ってきたものだ。

食料は3日分持参して肩ノ小屋に宿泊だ。
ここに泊まったら暴風雪+豪雪で脱出不能になるリスクもある。危険すぎる。
そんなわけで、宿泊者は僕1人だけ。そりゃそうだ。
さらに、もし宿泊中に風邪・インフルなどを発症した場合も困るので、
ロキソニン・カロナールなどの解熱鎮痛薬も持参するのが無難だ。

今季から、セミワンタッチアイゼン対応の冬靴を導入。
厳冬期の谷川岳など高難易度・低温の雪山で使うことになろう。
自宅からロープウェイ駅まではスニーカーを履いていき、
ロープウェイ駅のコインロッカー(100円)に入れた。
下界では冬靴は非常に歩きにくいうえ、ソールの消耗も無視できない。
距離200km歩けばほぼ寿命だとすれば、1kmあたり250円にもなる。
これで累計9日使用。

登山者800人以上がこれまで死んでいる谷川岳、
油断と慢心は厳禁だ。
先日、天神尾根付近で雪崩がおき、登山者1名が巻き込まれ死亡したそうだ。
雪崩は確率の大小あれど、尾根筋で起こってもおかしくない。極めて危険だ。
ご冥福をお祈り申し上げます。
また、近隣山域の武尊山でも、視界不良が原因か、行方不明者が出ている。


なお、今回で66回目の谷川岳だ。


1日目



朝発で急ぐため、高崎から新幹線で上毛高原駅へ。
+1,000円で約30分多く寝ることが可能。
今日は天気がよくないので普段より1時間半遅い到着になる予定。
榛名山や浅間山が見える。


上毛高原駅付近。そこから西は雪雲が。



上毛高原駅からはバスでロープウェイへ。
だそうだ。


ロープウェイに乗り天神平へ。
冬型気圧配置なので暴風雪。
ではスタート。早速歩き始める。
登山者は僕より前に15名ほど。連休だと結構人が多くて心強い。


いったん天神峠に上がる。



トレースははっきりある。
トラバースが多く、雪が硬いため、落ちないように要注意。


熊穴沢避難小屋は埋没。



扉が雪に押し込まれて開かない。
完全に除雪すれば何とかなりそうで、先週は開いていた。


天狗の留場あたりからはガスになる。



ややホワイトアウト状態だが、前々回よりはだいぶマシだ。
視程も20mはあり、誘導旗が何とか見える。
写真は一瞬だけ晴れたときを撮影したもの。かすかに先行者が見える。

     前々回 前回 今回
予測風速 16m/s 15m/s 17m/s
最小視程 5m   20m  20m
誘導旗  なし  あり  あり
先行者  なし  あり  あり
トレース なし  あり  あり



で、何とか肩ノ小屋に逃げ込む。
コースタイム2時間15分のところ、2時間40分を要する。
結局ワカンはつかわず。熊穴沢避難小屋より上は雪が締まっている。

さて、天神ザンゲ岩(標高1,830m)あたりで、
同じく肩ノ小屋宿泊と思われる登山者(男性、単独)を追い抜いたのだが、
いつまで待っても来ない。
肩ノ小屋は1,910mなので標高差は80m、無雪期ならば15分ほどだ。
沼田山岳会の誘導旗は、天神ザンゲ岩から少し上(1,870m付近)まではあるが、
標高1,870m〜肩ノ小屋手前の区間にはない。
距離にしてわずか100mほどだが、暴風雪・視界無しでは、経験者でないと突破できない。
このため、あとわずかだが撤退して引き返したものと推測。


外気温はマイナス9℃。
暴風雪の中ではマジで鼻がもげる恐れがあり、凍傷に厳重注意。


今回搬入食糧。3日分。
燃料も250gも搬入してふんだんに使える(暖房としてもOK)。
気温計はないが、スマホの温度が1時間で0℃になったので、
マイナス2〜3℃くらいだろう。
室内の水はことどとく凍ってしまうので要注意。
このため暖房として燃焼しまくり、燃料は200gを消費したが、それでも寒い。


小屋内に入ってしまえば暴風雪はなんのその。非常に快適。
モバイルバッテリー(36Wh)に2WのLEDライトを接続して明かりにする。
実効値でも15時間以上使用できるはず。
湯たんぽ作成のため、ひたすら雪を集め、溶かし、沸騰させ、プラティパスに入れる。


今日は僕1人の宿泊だ。
こんな猛吹雪の中、ここまでくる奴なんぞいないし、
おまけにここに泊まったら暴風雪+豪雪で脱出不能になるリスクもある。危険すぎる。
なお、携帯の電波も入る。
冬山では、モバイルバッテリーを接続し、
充電率は常に80%以上をキープしておきたい。

20時就寝。


2日目

6時起床。10時間睡眠。
モンベル0#(-6℃まで)+ホッカイロ4枚でぬくぬく熟睡。
最初は更にホームセンター寝袋(15℃まで)を追加していたのだが、暑くて外した。


気温はマイナス11℃。



暁の地平線。
下界の夜景が美しい。


で、朝飯を食べて撤収している間にすっかり日が高くなり普段の様子に。



主脈もかっこいい。
今日は4人ほど主脈方面に向かっていた。
ずれもスキーヤーと思われる。


まずトマの耳まで。



で、谷川岳頂上。
傾いているので荷物を越後側に転がり落さないように注意。
バケツを掘ってから置くこと。


山頂標識。



遠くには、剱岳2,999m(左)と五竜岳2,814(中央)が見える。
五竜岳直下には、五竜菱も見えることがわかる。
剱は距離120kmと結構な距離だ。
剱のほうが遠いので標高は高いのに低く見える。


大展望。登ってきたので写真をお願いする。



大展望。
360度パノラマ、横3600PIX。


マチガ沢に滑走(滑空)していくスキーヤーが。すごすぎる。



天神平方面を見る。人が列になって登ってくる。



奥の院。
斜度がきつく、越後側に落っこちそうなので要注意。


かっこいい。



茂倉岳方面はトレースなし。
このあと、4人ほど、スキーヤーが目指していった。茂倉沢を滑走するのだろう。


ドローンが離陸。
プロの有名人で、この人が飛ばすドローンを見たのは今年2回目だ。

今日だけでドローンを3機みた。
同時に飛ばす場合、空中衝突すると大変なことになるので、
離陸前にそれぞれどっちの空域に飛ばすかを調整していた。
人から30m以内の飛行になるので、国交省の許可を得て飛行している。


かっこいい。
しかし、操縦者の横で見物していると、着陸のため帰還するときには、
必然的に自分に向かって飛行し、かつ高度を下げてくるので、
なかなかの威圧感がある。
これはもう、対空戦闘用意、という感じだ。
自衛隊の哨戒機も相手に向かう方向には飛ばないらしいので納得。


さて、だいぶ楽しんだので、そろそろ下山しよう。



13時過ぎだがまだまだ登ってくる。



爽快。



冬の谷川岳は登山口から9割以上が森林限界なので、眺めを楽しめる。
暴風雪だと地獄だが。


天神平に戻ってきた。



今回は天神平のレストランで昼飯を食べる。
+200円でライスを注文してさらに大盛りにした。


昼食後には、ロープウェイで降りる。



昨日の降雪は10cmだったか。



バスで土合駅まで、そこからは電車に乗り、高崎へ。



上牧駅からは谷川岳が見える。かっこいい。

今回は谷川岳常連の人にまた会ったのと、
頂上付近では有名ヤマレコユーザーに会った。
厳冬期谷川岳は登れる日が限られ、みんなそこを狙うので、
知っている人に会う確率が高い。


登り:1105→1345(肩の小屋)
下り:(肩の小屋)1310→1405

以上、無事に帰還。総費用 14k。