旅行記



2018/08 立山・剱岳

立山は、富山県にある3,015mの山である。
これで立山は2回目だ。
剱岳は、富山県にある2,999mの山である。
こちらも2回目だ。

テント泊としたがテントを担ぐ距離が短い下記のプランにした。

1日目:室堂→雷鳥沢キャンプ場→剱沢キャンプ場
2日目:剱沢キャンプ場→剱岳→剱沢キャンプ場→雷鳥沢キャンプ場
3日目:雷鳥沢キャンプ場→室堂→立山(大汝山)→室堂

剱岳はヘルメット必須だが、
剱沢小屋では宿泊者のみにしかレンタルしておらず、
剣山荘では誰でもレンタル可能だが数が少ない。
必ず持参することだ。


もう山は完全に秋。
気温が下がってきたため装備の選定に注意。
まだ寒さに体が慣れていないのでなかなかつらい。
そう、初秋の立山・剱岳へ。


1日目




友人の運転で扇沢へ。
扇沢〜室堂間は往復9,050円となかなかのお値段でつらい。


扇沢からはトロリーバスに乗り、黒部ダムへ。



黒部ダムから20分ほど歩いて黒部湖のケーブルカーに乗る。



ケーブルカーで大観峰まで上がると、次はロープウェイへ。
テンポよく乗り継ぎができ、すいすい進むことができた。


大観峰からはトロリーバスで室堂ターミナル(標高2450m)へ。



室堂ターミナルの情報掲示板。
すでに山は秋。
そんなこと当たり前なのだが、
下界はまだ暑いので勘違いする恐れがあるのも今の時期の要注意点だな。


いよいよ歩き始める。



しばらくはこのような幅2mくらいの遊歩道だ。
これは無限軌道の車で山小屋に物資を搬入するためだ。


みくりが池を通る。
青と緑のコントラストが美しい。


かっこいい。



立山はまだまだ雪が残る。



「雷鳥荘」
ここは火山ガスが流れてくる場所にあり、硫化水素濃度5ppmを超えると通行止めに。
「雷鳥荘」の中は大丈夫なのか心配になる。


雷鳥沢キャンプ場が見えてきた。



雷鳥沢キャンプ場。(2277m)
なかなかいいロケーションだ。山に囲まれて涸沢的な感じ。


そこからは別山乗越まで登る。



別山乗越の剱御前小屋。2750m。



そこからは剱沢キャンプ場まで下る。
標高差は230mほどだ。


剱沢キャンプ場。2520m。



案内情報。
マニアックなルートに行く人向けの情報だがなかなか参考になる。


テント場は正面に剱岳が見える絶好の場所だ。
友人とはぞれぞれ1人1テントの一国一城スタイル。


2日目

19時就寝、4時起床。
最低気温は3℃の予報で、モンベル♯3(快適6℃まで)ではやや寒かった。
周囲にも霜柱ができていたので地表付近は0℃前後だろう。


日が昇ってくる。
急いで準備をして出発。


剱沢小屋〜剣山荘間には、1か所雪渓がある。
朝イチではがちがちに凍っており慎重に通過する。アイゼンはいらない程度だ。


どんどん登っていく。



前剱(2813m)を過ぎると、危険な岩場が連続するので要注意。
僕はヘルメット装備だ。
ヘルメット装備率は9割くらい、残り1割は軽装甲・高回避の戦術だ。


平蔵のコル付近は切れ落ちた岩場をトラバース。
写真では非常に怖そうだが、実際に歩いてみるとそれほどでもない。
落ちなければどうってことはない(ただし落ちれば死ぬ。)。


難なく通過。



慎重に。



平蔵のコルへの下りも慎重に。



平蔵のコル。(2820m)
剱沢の雪渓から分岐して平蔵谷をここまで上がってくることが可能。
山と高原地図にも、点線ルートだが記載がある。



ここが難関のカニのタテバイ。
垂直に近い50mほどの岩場を登る。慎重に行けば思ったよりは怖くない。


タテバイでは約30分ほど渋滞で待機。



で、やっと剱岳(2999m)頂上だ。



こちらは日本一有名な?三角点。



うむ。



写真をとってもらう。
写真も10人以上行列になっていたが、
おばちゃんが「少しだから撮らせて!」と割り込んで撮っていった。すごい。
これにより1分ほどロスしたが、
もしこれに文句をつけると絡まれて1分どころではない多大な時間ロスが予測されるためスルー。


360度パノラマだ。



パノラマ。
どうしても人が写ってしまうのはやむを得ない。


東邦航空のヘリ(EurocopterAS350)がバンクを振って山頂を1週していった。
カメラによる測距では距離170mとギリギリ航空法の規定内(500ft=150m以上)。
パイロットの腕はかなりよさそうだ。


で、帰りも慎重に降りる。
カニのヨコバイではまたも20分待ち。
ヨコバイでは、最初の1歩が怖いとの評判だが、
赤ペンキでどこに足を置くのかがマーキングされ、難易度はかなり下がった。
マーキングどおりに足を置いていけば問題ない。
心配ならスリングとカラビナで超簡易的に確保するのがいいが、時間がかかる。


ヨコバイを過ぎ、梯子を降りると、公衆便所が現れる。
自然分解式のトイレだ。
剱岳は行程が10時間など長く、特に女性にはつらい。
ここでいったんトイレに行くのがよさそうだ。
なお、個室に扉はない(壊れている)ので、
用を足すときには、同行者に護衛してもらうのがよさそうだ。
西風のときは、投下した液体が飛沫になって吹き上がってきそう。


前剱を過ぎると一安心。
しかし、ここでも転倒事故でヘリが出動した事例が数日後にあったので油断厳禁。


あとは剣山荘に向かって下っていく。



剣山荘。2470m。



飯を食べる。



剱沢キャンプ場まで戻ってきた。
ここでテントを撤収する。


剱岳がよく見える。



テントを撤収し、今日はあとは、雷鳥沢キャンプ場まで行くだけだ。
コースタイムは2時間ちょっと。


剱御前小屋。



あとは下るのみ。



見えてきた。



雷鳥沢キャンプ場に設営したあとは、
入浴が18時半までなので急いでロッジ立山連峰へ。
ロッジ立山連峰までは標高差10m、徒歩10分くらいである。
なお、雷鳥荘は20時まで外来入浴をやっているが、
雷鳥荘まで登っていくのは大変だ(往復1時間10分、標高差100m)。


風呂に入る。
山で風呂に入れるのは大変ありがたい。
風呂に入ったあとは、雷鳥沢ヒュッテに移動し、ラーメンを食べる。


暗くなってきた。



すっかり夜になったので寝る。



3日目

20時就寝、5時起床。
最低気温は7℃の予報だったが、
テントのフライシートが凍っていたので0℃くらいだっただろう。
薄手ダウンジャケットとレインウェアを着たが、モンベル♯3(快適6℃まで)ではやや寒かった。



すぐに日が高くなる。



テントを撤収して室堂ターミナルへ。



みくりが池には立山が写る。
やまみを感じてみんな写真を撮っている。


朝の室堂ターミナルは山屋ばっかりである。



立山そばが営業開始したのでそばを食べて補給してから、
準備をして立山に登ろう。


しばらくは遊歩道を歩いていく。



途中には2個所、雪渓が残る。
これが、今シーズン(2017-18冬シーズン)最後の雪上歩きになるだろう。


一ノ越(2700m)。
ほぼここが中間地点なので休憩。


そして立山頂上の三角点へ。2991m。



ここは雄山(3003m)。
すごい人数だ。


下には御前沢雪渓。日本にある数少ない氷河のうち1つだ。



次は最高峰の大汝山(3015m)へ。



立山最高峰の大汝山。3015m。



記念に写真を撮ってもらう。



ジャンプして撮るとリア充っぽいらしい。
APS-Cデジイチの高速連写で余裕だな。


360度の展望だ。



御前沢雪渓がすごい。



環水平アークが見える。(写真中央の虹色がそれ)
下部ラテラルアークと紛らわしいが、恐らく環水平アークだろう。
なかなか見ることができない美しい現象だ。


気温は14℃と涼しい。



雄山に戻る。
子供が多いが、富山では立山に登って1人前という伝統が昔からあるためだ。
最終人里の立山駅から立山山頂(大汝山)まで、
コースタイムで登り13時間35分、下り10時間20分、標高差は2540mほどになるうえ、
富山市街から立山駅まで35kmほどあるため、これで往復16時間程度、
合計で40時間程度の歩きが必要になる。合計で4泊5日くらいが必要だろう。
山屋でも15〜20kg背負って40時間を4泊5日はなかなか頑張っているほうだ。
よって、交通機関がない当時、立山に登れれば、十分1人前といえる。


立山(雄山)頂上では、山頂に行くのに500円必要で、
受付するとこのように札をくれる。
鈴がついているが、うるさいので不要不急に鳴らさないようにと、
室堂ターミナルに注意書きがある。


さて、下ろう。
下りも大渋滞。ハイキングクラブの団体が先頭を抑えているためだ。
一ノ越〜雄山間は、登り線と下り線に分かれていて、
こんな遅い時間には登ってくる人はいないため、
登り線を逆走すれば追い抜くことも可能だが、
友人が膝痛のためゆっくり下ることにする。


室堂ターミナルに戻ってきた。



帰りもトロリーバスで戻る。



ロープウェイ、ケーブルカーと乗り継ぎ、関電のトロリーバスに乗る。



扇沢までやっとこさ戻ってきた。
車に乗り、一路、自宅へ。


帰りは、扇沢〜信濃大町〜県道55号〜麻績IC〜長野道〜上信越道〜関越道と帰る。
麻績IC付近では珍しい列車と遭遇。
一般道ではあちらのほうが速かったが、高速道路に乗るとこちらが一気に追い抜いた。
途中、横川で休憩し、富岡付近の渋滞に10分ほどハマるが、
おおむね順調に自宅まで戻る。

以上、無事に帰還、総費用30k。
お疲れ様でした&ありがとうございました。一部の写真は友人撮影。