旅行記



2018/06 谷川岳馬蹄形縦走

谷川岳馬蹄形縦走とは、
天神平〜谷川岳〜茂倉岳〜清水峠〜朝日岳〜白毛門〜土合に至る、
逆U字型の縦走路である。
標高2000m以下の山々を縦走するルートであるが、
豪雪の上越国境のため、最初と最後以外は全て森林限界以上であり、
大変眺めが良いルートで、笹原・岩場・高層湿原など、
谷川岳の魅力が凝縮されている名ルートとなっている。

残雪があると非常に危険で、避難小屋が雪で埋もれ使用不能のため、
雪が溶ける6月以降から10月一杯くらいまでが無雪期であるが、
標高が低いうえに森林限界以上のため夏は暑く不向きで、
実質的には6月と10月のみがシーズンという期間限定ルートだ。

ヤマレコでは日帰りの記録のほうが多いが、
コースタイム(CT)は15〜17時間、累積標高差は2700mもあるため、
日帰りは僕の体力では不可能である。
そこで避難小屋泊で1泊で計画したものだ。

今回は1日目の登りにロープウェイを利用したが、
ヤマレコの日帰り記録ではロープウェイを利用しなくても、
所用9〜10時間くらいの記録が標準的だ。
今回は山頂での休憩を省くなどかなり急いで所要13時間だったが、
普通に歩けばもうちょっと時間が掛かるだろう。
荷物はモンベル#3+テント+水4Lなどを含め、約15.1kgである。
飲料水は4Lでは足りなかった。この時期は5Lくらいほしい。

アイゼンは持参したが使わなかった。
公式(谷川岳登山指導センター)では、
「完全な冬山装備(アイゼンピッケル)が必要」と記載があるが、
マチガ沢でのBCなどバリエーションに行かなければ、
そこまでは必要ないことが多い。
実際、今回は数百人の登山者がいたが、ピッケルを持っていた人は、
山岳ガイドと思しき1人だけであった。
一方、マチガ沢に行くような人は言われなくても持っていくだろう。
このあたりは、公式の情報を最優先にしつつ、
ヤマレコなどの情報も参考にして、自己責任で装備を選定する必要がある。


1日目



水上駅からはバスで谷川岳ロープウェイへ。
朝の時点で10℃と暑い。


ロープウェイで天神平まで登る。



馬蹄形縦走は正式には、天神平起終点だ。
西黒尾根を使ってしまうと逆U字形が閉じてO字型になってしまい、
馬蹄形とは言えないからだそうだ。
天神平からスタート。


暑い。



1時間も歩くと森林限界に飛び出す。
水4Lを持参して重いが、どんどん飲んでどんどん軽くなる。
ロケットが液体燃料ブースターを消費して軽くなり、より加速するようなものだ。


肩の小屋手前には残雪あり。
アイゼンは使わず。下りの人は使っている人が多かった。


肩の小屋。



トマの耳。



こちらがオキの耳、山頂だ。
大混雑。


いい感じだ。



横2800PIXパノラマ



写真だけ撮ってさっさと次へ。
「ヤマノススメ」では谷川岳が聖地である。


一ノ倉岳。



一ノ倉岳の三角点は登山道から外れた笹薮の中にある。
ささやぶが濃そうなので今回はパス。


一面の笹原。
これから進む稜線が確認できる。


谷川岳を振り返る。
一部残雪あり。


茂倉岳。
本行程の最高地点だ。


あとは北方向に進路をとる。



幻想的な光景。
標高1700mとは思えない。
アルプスの2700mと言われてもおかしくないほど。
塩分をとらずに水だけ飲んでいたら腕がしびれてきた。
熱中症の塩分不足のサインだ。


蓬ヒュッテ。
蓬色が剥がれていたが、塗りなおされて茶色になった。
蓬ヒュッテにはテント場があり、10張程度可能だ。500円。
なお、正式なテント場ではない(ビバーグということになっている)ため、
テント場代ではなく、トイレ代500円という建前になっているという噂。


ヒュッテはリニューアルに伴い素泊まり5000円などになったが、
馬蹄形縦走路の中間地点にあり、貴重な補給ポイントだ。
ペットボトル500ml400円などで調達可能。


七つ小屋山を越える。



清水峠が見えてきた。



これが避難小屋。
JR東日本所有の小屋で、無料開放されている。ありがたい。
JR東日本所有のためか、なぜか内部に枕木などが置いてある。


今回搬入食糧。



内部は外観とは裏腹にだいぶ年季が入っているが、
泊まれるだけでありがたい。
もちろん、入れないことも想定してテントも持参している。
寝台になっているため、混雑時は詰めようとしても詰めにくい。
このため混雑に伴うトラブルが絶えない。絶対にテント持参のこと。
なお、長さ方向が短く、身長170cm以上の人は寝にくいと思われる。


小屋裏にはテント適地もあるようだ。
石は十分ある。


電波も通じる。ありがたい。



19時まで小屋には誰もこなかったので、中にテントを張る。
この小屋は内部に虫(クモやムカデなど)が出るので、
テントを張ったほうが安心して寝ることができる。

水場は土合方面へ5分下った場所にある沢水、のはずだが、
急こう配の雪渓があり、たどり着けない。
そこで雪渓の下をわずかに流れる水を1Lほど給水した。

なお、JR小屋の裏手からも、塩ビ管から水が大量に流れていて、
そこで給水している人も多かったが、
塩ビ管の上流側2mの場所には「下水」と書かれたハンドホールが・・・・。
おそらく、どこかから湧水を引っ張っていていて、
水洗トイレに常時水を流すなどしているのだろう。
その排水がここにつながっているわけだ。
まあ、トイレを使った直後でなければ、水に汚物が混ざっているわけではないので、
飲んだとしても健康に致命的な影響はないだろう。
(僕は飲まないが)

このあとはやることがないため20時就寝。
小屋内部は換気が悪く、温度は高いため、モンベル#3で余裕だった。
むしろ寝に入るときには寝袋の上にそのまま寝た。


2日目

20時就寝、5時半起床。


準備をして6時40分出発。



ところどころ崩壊地があるので要注意。



かっこいい。完全にアルプスの森林限界の様相。



木道があり尾瀬がそのまま森林限界以上になった感じだ。



朝日岳頂上。



三角点。



平坦な山頂で湿原になっている。幻想的だ。



パノラマ。



では、白毛門へ下っていく。



笠ヶ岳。
向こうには谷川岳の絶壁が見える。


途中にある笠ヶ岳避難小屋。
中では4人くらいは快適に滞在できそうであるが、水場はない。
なおこういう金属製の小屋は室内が暖まると結露し滴り落ちるため、
シュラフカバーなどが必須である。


白毛門頂上。



土合に向かって下る。
600m/時のペースで快調に下ってきた。白毛門からは2時間だ。
土合橋バス停に到着。下界は暑い。
バスで水上駅へ。


水上駅前の食堂で補給する。(1,250円)
その後はJR線で高崎方面へ戻る。

東京から近く、1泊2日で森林限界以上の縦走が楽しめる。
景色にも感動でき、なかなかよく運動できた。
機会があればまた馬蹄形や主脈縦走にチャレンジしてみたいところだ。

1日目 0910→1625(所要7:15 CT8:00)
2日目 0640→1220(所要5:40 CT6:50)
2日計 所要12:55 CT14:50

以上、無事に帰還、総費用12k。