旅行記



2017/12 谷川岳(茂倉岳)

谷川岳は群馬県と新潟県の上越国境にある1977mの山である。

12月になり冬型の出現率が高くなってきて、
谷川岳はほとんど晴れない。
西から接近する低気圧の影響で、西高東低の気圧配置が崩れ、
天候が悪化する前に半日〜1日ほど、
西高東低の冬型気圧配置が崩れ、脊梁山脈の天候が回復する。

今回は西から来る低気圧の動きが遅いため、
天候が回復するのが2日くらいありそうな雰囲気だ。
普段は半日〜1日の晴れ間を狙い、
スピーディに頂上を往復しているのだが、
今回は頂上に宿泊し、1泊2日で楽しむことにしたものである。

しかし、頂上に宿泊するのは、下記の理由によりリスクが高い。
(1)谷川岳はひとたび荒れれば猛烈な暴風雪により行動できない。
(2)一晩で1m雪が積もることもあり、
   強力な登山隊以外ラッセル不可能か、100m進むのに2時間掛かる。
(3)冬型気圧配置は厳冬期は10日間続き、それまで上記の状況が続く。
というわけで、確実に晴れるという確信がなければ、
頂上に泊まるのは危険である。
そこでGPV天気予報で何度も確認し、晴れを確信したうえで宿泊した。

頂上に泊まると、今の時期には行くことができない、
茂倉岳などにも足を伸ばすことが可能になる。
そこで早速行ってみたものである。
茂倉岳は、ヤマレコでは去年冬は、
11月18日〜3月6日まで、茂倉岳を通過する記録がまったくない。
冬は誰も入っていないのだ。

登山者800人以上がこれまで死んでいる谷川岳、
油断と慢心は厳禁だ。

装備としては、
天神尾根往復オンリーならば、ストック+軽アイゼンでも何とか可能だが、
急傾斜が多く、正規アイゼンが歩きやすいだろう。
実際、9割が正規アイゼンである。
茂倉岳は、ピッケル+アイゼン+ヘルメット等の完全装備が必要だ。

なお、今回で48回目の谷川岳だ。


1日目



午前中はガスの予報なので、ゆっくり目で出発する。
普段より30分遅く出発し、35分遅く到着する予定。
高崎駅から上越線電車に乗り、水上駅へ向かう。
上牧駅からは谷川岳が見えるはずだが雲の中。
事前に着雪状況や天候の確認ができて大変便利。
これから高気圧の中心が本州付近に来るとガスは取れる。
水上駅からはバスでロープウェイへ。


ロープウェイ駅では、クリスマスソングが流れていて完全に冬の雰囲気。
積雪は例年より少なく、スキー場がまだOPENできていない。


ロープウェイに乗り天神平へ。



天神平から谷川岳を見る。
ではスタート。早速歩き始める。


基本的には夏道だ。
トラバースが多く、落ちないように要注意。
熊穴沢避難小屋はまだ建物が出ている。


頂上はガスの中。



ガスに突入してしまうので天狗の留まり場で時間調整をする。



富士山が見える。



肩の小屋。
内部で飯を食べたり、防寒着を着たりと体勢を整える。
壁沿いでは落雪に注意。


肩の小屋がかっこいい。



オキの耳へ。
山頂標識。


パノラマ2800PIX。



ガスが掛かっていて幻想的。



奥の院。
奥の院まで往復してくる。往復10分ほど。
奥の院から先、一ノ倉岳方面は1人分のトレースあり。
越後側に落ちないように注意。


上州側は激しく雪庇。
内部が空洞になっている可能性もあり踏み抜くと落ちる。


戻る。



頂上標識で撮ってもらう。



馬蹄形の山々が見える。
行けるのは早くても来年5月下旬以降だな。


肩の小屋に入る。
今日の宿泊者は計5人だ。
肩の小屋は、食事スペースと寝床が分かれていてなかなか快適。
ただし、快適なのは5人くらいまでで、
10人くらいになると食事スペースに寝ることになり大変だろう。
これだけ快適な小屋に夏は2000円で泊まれる。冬は無料。
備品は何もない。寝具マット等は全て持参だ。


今回搬入食料。
うなぎパイは浜松みやげ。白い恋人は函館みやげ。
今回は行程が短いため、色々持ってきた。
レトルト鯖味噌煮とレトルトハンバーグ、ごはん520gを夕飯にする。
水は2Lを持参して、かつ雪で調理用水を作っているため、
水の量は余裕だな。


夕飯を食べ終わるともう夕日の時間になってしまった。



かっこいい。



パノラマ2800PIX。夕日VER。



日が沈んだ。
しかし、まだ残照で明るい。


反対側からは満月が昇ってくる。
満月の明かりがあれば、
雪の照り返しがあるためヘッドライト無しでも歩ける。


日が沈むと今度は市街地の夜景が輝き始めた。
関越道を通る車もはっきり確認できる。
赤城山の右に大きな市街地があるのは、前橋・高崎だ。


暗くなってきたので小屋に戻る。
小屋入口からトイレまではソーラーLEDライトが誘導灯になっている。


かっこいい。



肩ノ小屋では携帯電話の電波も入る。
明日の天気予報を確認すると、谷川岳は晴れ・-7℃だそうだ。
これなら明日もばっちりいい天気になりそうだ。
暴風雪で10日間も幽閉されるのは困る。
(念のため食料はかなり多く持ってきたが)


夜中に起きるとガスが掛かっていた。
市街地は変わらず明るく輝き続けている。

19時30分就寝、6時20分起床。10時間睡眠。
小屋の中は暖かく、モンベル#0(マイナス7℃まで)で余裕だった。


2日目

起きたら準備をしてトマの耳を目指す。



暁の地平線。



暁の地平線。
眺めを楽しんだら小屋に戻り、朝食にする。


朝食後は、小屋に寝袋・マット・テント等をデポし、茂倉岳を目指す。



山頂を通過。
写真の奥右に見えるのが茂倉岳。写真中央奥が一ノ倉岳。


誰もいないのでばっちりパノラマも撮れる。横2800PIX。



上州側は激しく雪庇。非常に危険。



一ノ倉岳への登りは、危険箇所が複数ある。
上州側の絶壁ギリギリを通るポイントがあり、
潅木帯にルートが取れるので迂回したほうがよさそうだ。
一ノ倉岳直下は、潅木もなくなる斜面になるが、
朝のためまだ雪が硬く、こちらも危険(写真)なため、
勾配のゆるい尾根上を通ったほうがよさそうだ。
ただし尾根上は雪庇にも注意。


一ノ倉岳頂上は、
山頂標識、三角点、避難小屋、道標など全て埋没している。


さらに進む。
茂倉岳への登りから、一ノ倉岳を振り返る。


茂倉岳頂上。
先行者がいる。ラッセルに感謝。上級者とお見受けした。
最後尾にならないよう、先行者が引き返す前に僕も引き返す。


引き返す。
上州側(写真左側)は雪庇だし雪崩れそう、
越後側(写真右側)は雪が硬くて落っこちそう。
斜度はどちらも80%程度。
慎重に通過する。
茂倉沢を滑走するBCボーダーはここをスノーシューで通過しているのが凄い。
ただ、1月〜2月ごろはだいぶ雪が深く、滑落の危険性は低くなりそうだ。


一ノ倉岳からの下りは、上州側の絶壁ギリギリを通るポイントがあり、
潅木帯にルートが取れるので迂回する。
ちょうど危険ポイントをキックステップで慎重に降りている人が見える。
写真右下に向かって絶壁になっている。


谷川岳頂上まで戻ってきた。一安心。
山頂ジャンプ写真はSNS映えするらしい。
また写真から頭が見切れてしまった。
これでも広角26mm相当。


肩の小屋に寄り、デポ品を回収し、下山に掛かる。



天神平に戻ってきた。
ロープウェイで降りる。


帰りの上牧駅からも谷川岳が見える。
また、沼田駅発車直後にも谷川岳が見えるポイントがある。



登り:1005→1345
下り:1340→1430

12月の谷川岳に登頂できて大満足。
1泊2日で大満喫できた。

以上、無事に帰還。総費用 11k。