旅行記



2017/10 谷川岳主脈縦走

谷川岳は群馬県と新潟県の上越国境にある1977mの山である。
谷川連峰はそこから国境沿いに東西へ延びており、
東に行くと谷川岳馬蹄形縦走コース(天神平からCT14:50)、
西に行くと谷川岳主脈縦走コース(天神平からCT12:50)となる。
ヤマレコでは8割が日帰りであるが、
その場合はマイカー利用になる。
しかしマイカーの場合、縦走なので車の回収が難しい。
では公共交通機関の場合、早朝スタートができず、1泊2日になるが、
ロングコースのため2日かければだいぶ楽である。
このため、公共交通機関利用の1泊2日で計画したものだ。

谷川岳主脈縦走コースは最初と最後を除けば全て森林限界以上で、
標高1600〜2000m程度の縦走とは思えない景色が広がる。
アルプスの2600〜3000mと遜色ないレベルだ。

このコースは、雪が消える6月〜10月が無雪期だが、
6月〜9月は暑いため、実質10月のみの期間限定ルートだ。
切り立った稜線が多いため少しでも雪がある場合は不可能である。


1日目



高崎から電車で水上へ。
今回のコースは水場が基本的にはないため、水4Lを持参。
このため、ザックの重量は14.7kgと、この時期としては非常に重い。
水上駅からバスに乗りロープウェイ駅へ。
水上駅ではすぐにバス乗り場に移動すること。
臨時バスがすぐに出発する。


ロープウェイでは、乗車券を買うのに25分待ち。
その後、乗車までも15分待ちで待ちぼうけである。
ちなみに木曽駒では、
バスチケット列500m+バス乗車列500m=1kmの新記録?、
待ち時間は5時間だったそうだ。


ロープウェイに乗ると一気に1300m。
涼しいといいたところだが今日は暖気が入っているため暑い。
人が非常に多い。


熊穴沢避難小屋手前からはずっと渋滞である。
こうなると、ランナー風の人が行列を追い抜いていって罵声が飛び交ったり、
すれ違い時に登り優先だぞと怒鳴るオヤジが出たり、
行列になっているのに写真を撮るため立ち止まって後ろから怒号が出たり、
まさに地獄の様相になっていてワロタ。


熊穴沢避難小屋を越えると森林限界となり更に暑くなってくる。
行列は頂上まで続いている。
このため、熊穴沢避難小屋〜トマまでコースタイム1時間30分のところ、
1時間50分を要する。
コースタイムの2倍くらい掛かってもおかしくないかなと思ったが、
意外とそんなんでもない。


頂上に行くとガスが掛かってきた。



谷川岳の頂上。



人が多い。



で、谷川岳の主脈へ。
平標山へは12kmだ。


主脈に入ると一気に人が少なくなる。



笹原の稜線。まるで日本ではないようだ。



山々を越えていく。
途中で大清水トンネルや関越トンネルの直上を通るが、
特に何かそれとわかるようなものはない。


大障子避難小屋についた。先客は3名。
とりあえずザックを置いて水場に下る。
水場までは標高差90m、下り10分、登り15分だ。


水場はたっぷりと沢水が流れている。
大変ありがたい。水は命。ありがたみを実感する。
これをアテにすれば、水4Lも持参する必要はなかったな。


大障子避難小屋を出発して西を目指す。
振り返ると笹原の中に大障子避難小屋が見える。
なかなかいいロケーションだ。
テントも周辺に5張りくらいはいけそう(小屋が満員時に限る)。


どんどん進む。



谷川岳のガスが取れてきた。



万太郎山。



越路(こしじ)避難小屋。
テント・ツェルトは小屋の前に2張りといったところ。
先客は2名。
まだ16:05で、日の入りまで70分あるため、次を目指す。


次の避難小屋までには、
正面のエビス大黒の頭を越えていく必要がある。


やっと本日の宿のエビス避難小屋に到着。
内部はかなり小さく、宿泊定員は2人。しかし頑丈で心強い。
190cm×190cmほどで3人用テントと同じ大きさだな。
テント・ツェルトは小屋の前に2張りといったところ。
なお、満員で小屋に入れない恐れもあるため、
ツェルトやテントが絶対に持参のこと。
僕もテントを持参しているがこのため1.4kg重くなっている。
特に土曜日の夜は混雑してトラブルが絶えないんだとか。
夕方になってくるとガスってきたのでやることもなく、
飯を食べてとっとと寝る。

小屋内は僕1人、小屋前にはテント泊の人が1人の計2名だ。
天気予報では最低気温10℃とのことだったが小屋内は暖かく、
モンベル#3で汗ばむくらいに。とはいえ、朝はちょうどぬくぬく快眠だった。
小屋内には虫(クモやムカデ)がいるため、気になる人は、
小屋内にテントを張ってしまえばいいだろう。


2日目


翌朝。
朝日が昇る。


朝陽に照らされる仙ノ倉山。
準備を整えて出発する。


仙ノ倉山。谷川連峰の最高峰。200名山指定。2,026m。
小屋からはひと登りだ。
本行程の最高地点である。


三角点。



山頂はフラットで広くなっていて360度の展望だ。



では次は平標山を目指す。



このあたりからは階段が多い。
群馬県が設置しているだけあって至仏山のと同じ規格だな。


平標山の直下には緊急幕営用?の木製でフラットなスペースがある。
(写真中央奥)
またそこから左へトラバース道跡が見える。


平標山。



平標山。



三角点。



苗場スキー場が見える。



仙ノ倉山を振り返る。
はやくもガスが上がってきた。


頂上は広くなっている。
幕営した人が1人いた。ここでビバークも面白そうだ(緊急時に限る)。


平標山からは、平標山ノ家に下る。



水場やジュースの販売もありありがたい。
避難小屋が開放されているので休憩可能。
1泊2食付7500円、素泊まり4000円、避難小屋2000円、幕営500円など、
多様なニーズに応えられる、なかなか良い山小屋だ。


平標山ノ家から下ると途中からは林道になる。
バス停まで下山。
バス停名は「平標登山口」だ。


バスで越後湯沢駅へ。600円。
新幹線に乗る。


新幹線で一気に高崎へ。



登山口から1時間20分で高崎まで戻ってきてしまった。
新幹線を活用すると非常に速い。


1日目 0935→1720(所要7:45 CT9:15)
2日目 0645→1100(所要4:15 CT3:35)
2日計 所要12:00 CT12:50

以上、無事に帰還。総費用 k。