旅行記



2017/10 谷川岳馬蹄形縦走

谷川岳馬蹄形縦走とは、
天神平〜谷川岳〜茂倉岳〜清水峠〜朝日岳〜白毛門〜土合に至る、
逆U字型の縦走路である。
標高2000m以下の山々を縦走するルートであるが、
豪雪の上越国境のため、最初と最後以外は全て森林限界以上であり、
大変眺めが良いルートで、笹原・岩場・高層湿原など、
谷川岳の魅力が凝縮されている名ルートとなっている。

残雪があると非常に危険で、避難小屋が雪で埋もれ使用不能のため、
雪が溶ける7月以降から10月一杯くらいまでが無雪期であるが、
標高が低いうえに森林限界以上のため夏は暑く不向きで、
実質的には10月のみがシーズンという期間限定ルートだ。

ヤマレコでは日帰りの記録のほうが多いが、
コースタイム(CT)は15〜17時間、累積標高差は2700mもあるため、
日帰りは僕の体力では不可能である。
そこで避難小屋泊で1泊で計画したものだ。

今回は1日目の登りにロープウェイを利用したが、
ヤマレコの日帰り記録ではロープウェイを利用しなくても、
所用9〜10時間くらいの記録が多い。
今回は山頂での休憩を省くなどかなり急いで所要12時間だったが、
普通に歩けばもうちょっと時間が掛かるだろう。
荷物はモンベル#3+テントなどを含め、約13kgに軽量化した。


1日目



上牧駅からは谷川岳を見ることができる。
水上駅からはバスで谷川岳ロープウェイへ。


ロープウェイで天神平まで登る。
ロープウェイは大混雑で乗車まで15分待ち。
馬蹄形縦走は正式には、天神平起終点だ。
西黒尾根を使ってしまうと逆U字形が閉じてO字型になってしまい、
馬蹄形とは言えないからだそうだ。
天神平からスタート。


1時間も歩くと森林限界に飛び出す。
紅葉のピークシーズンということもあり、人が多い。


肩の小屋。



トマの耳。



三角点の基部標識。



こちらがオキの耳、山頂だ。



大混雑。



谷川岳主脈の山々がかっこいい。
谷川岳主脈縦走も今シーズンにやってみたい。


これから向かう茂倉岳が見える。



パノラマ。



では、茂倉岳方面へ。



一ノ倉岳。



一ノ倉岳の三角点は登山道から外れた笹薮の中にある。



一面の笹原。
これから進む稜線が確認できる。


茂倉岳。
本行程の最高地点だ。


谷川岳を振り返る。



あとは北方向に進路をとる。



武能岳。



幻想的な光景。
標高1700mとは思えない。
アルプスの2700mと言われてもおかしくないほど。


平坦だし、荷物も軽いしで足取りが軽い。



蓬ヒュッテ。
蓬色が剥がれていたが、塗りなおされて茶色になった。
蓬ヒュッテにはテント場があり、10張程度可能だ。500円。
なお、正式なテント場ではない(ビバーグということになっている)ため、
テント場代ではなく、トイレ代500円という建前になっているという噂。
ヒュッテはリニューアルに伴い素泊まり5000円などになったが、
馬蹄形縦走路の中間地点にあり、貴重な補給ポイントだ。
ペットボトル500ml400円などで調達可能。


清水峠が見えてきた。



これが避難小屋。
JR東日本所有の小屋で、無料開放されている。ありがたい。
JR東日本所有のためか、なぜか内部に枕木などが置いてある。
左の三角形の建物はJR東日本の送電線監視小屋だ。


小屋裏にはテント適地もあるようだ。
石はほとんどないためペグ持参のこと。


内部は外観とは裏腹にだいぶ年季が入っているが、
泊まれるだけでありがたい。
もちろん、入れないことも想定してテントも持参しているが、
今日は寝台の上段(170cm×55cm)があいていたので使う。
なお、このような寝台になっているため、
混雑時は詰めようとしても詰めにくい。
このため混雑に伴うトラブルが絶えない。絶対にテント持参のこと。
なお、長さ方向が短く、身長170cm以上の人は寝にくいと思われる。
結局小屋は10人宿泊、テントは7張10人といったところ。


水場は土合方面へ5分下った場所にある沢水。
ここで4L補給する。
夕飯はレトルトの防災食品。
このあとはやることがないため19時半就寝。
小屋内部は換気が悪く、温度は高いため、モンベル#3で余裕だった。
むしろ寝に入るときには寝袋の上にそのまま寝た。
夜は少しにわか雨があったようだが、小屋の中なら関係ない。


2日目



朝4時になると他のパーティが出発準備を行いだし、
さわさわしてくるため起きる。
谷川岳が朝陽に照らされて赤くなっている。


そろそろ日の出だ。
準備をして5時40分出発。


朝日岳直下の湿原。なかなか幻想的だ。



かっこいい。完全にアルプスの森林限界の様相。



木道があり尾瀬がそのまま森林限界以上になった感じだ。



朝日岳頂上。



三角点。



はるか遠くに富士山が見える。



平坦な山頂で湿原になっている。幻想的だ。



では、白毛門へ下っていく。



途中にある笠ヶ岳避難小屋。
中では4人くらいは快適に滞在できそうであるが、水場はない。
なおこういう金属製の小屋は室内が暖まると結露し滴り落ちるため、
シュラフカバーなどが必須である。


笠ヶ岳。
向こうには谷川岳の絶壁が見える。


朝日岳を振り返る。



白毛門頂上。



土合に向かって下る。
600m/時のペースで快調に下る。


土合橋バス停に到着。下界は暑い。
バスで水上駅へ。


JR線で高崎方面へ戻る。
軽量化のため電車内の暇つぶし道具を持ってきていないから、
ひたすら寝て時間をつぶす。

東京から近く、1泊2日で森林限界以上の縦走が楽しめる。
景色にも感動でき、なかなかよく運動できた。
機会があればまた馬蹄形や主脈縦走にチャレンジしてみたいところだ。
主脈縦走は馬蹄形よりは少しコースタイムが短いが、
コース中に水場がなく避難小屋の容量も小さいなど、難易度は高い。

1日目 0920→1600(所要6:40 CT8:00)
2日目 0540→1055(所要5:15 CT6:50)
2日計 所要11:55 CT14:50


以上、無事に帰還、総費用11k。