旅行記



2017/03 四阿山

四阿山(あずまやさん)は、
群馬県/長野県境にある2,354mの山である。100名山選定。
これで6回目である。

四阿山は公共交通機関でも行ける。
北陸新幹線上田駅からバスで登山口近くまで行けるが、
登山口の標高1590mに対し、バス停は1330mと低いため、
コースタイムで往復1時間40分の所要時間が余計に掛かる。
以前はもう少し奥の標高1400m地点までバスが入っていたのだが。

とはいえ、積雪期は、9割くらいが最短コースの、
四阿高原ホテルからのピストンで登られている。
そのため、菅平高原バス停〜菅平牧場からのルートはトレースはない。
ただ、3月になってくると雪もしまってくるため、
何とかなるだろうということで行ってみたものだ。

谷川岳と迷ったのであるが、今月谷川岳は3回目になってしまうし、
3月の四阿山は行ったことがなかったので四阿山にしたものだ。

下山は、菅平高原スキー場(奥ダボスエリア)を経由することにした。
同スキー場から根子岳山頂直下2170mまでは、
コースが整備されて圧雪され、雪上車で送迎をしている(\3,300)。
この雪上車は9時〜15時の1時間ヘッドで発車しているため、
根子岳頂上は15時過ぎに空身のゲレンデスキーヤーが居るという、
結構すごい状況になっている。
このため、菅平ダボスバス停から四阿山〜根子岳と周回すれば、
15時までに根子岳に到着できれば何とかなる。
バス利用のため遅い時間スタートになるが、
遅くても何とかなる安心プランである。

なお、山と高原地図2015までは四阿山の記述がいい加減なため、
2016年版以降あるいは1/25,000地形図を持参のこと。



高崎から北陸新幹線「はくたか」金沢行きに乗る。
新幹線は速くて快適、金はたっぷり掛かるが。
軽井沢駅はホームドアの工事中、
完成すれば「かがやき」は現状70kmhでの通過が、110kmhで通過可能になる。
軽井沢駅では昨日の降雪が残っていた。
まだまだ「軽井沢プリンスホテルスキー場」は営業中だ。
佐久平付近からは「佐久スキーガーデン」も見える。
ほとんど人工雪みたいなもんだが、アクセスの良さで人を集めている。
しかし、佐久平の街ごと引っ越してきた感はいつ見てもすごいな。


上田駅の直前では、根子岳と四阿山が見える。
一番白いのが根子岳、その右の一番高いのが四阿山だ。
登る前に見ると気合が入り、下山後に見るとかっこいい。


上田駅に30分ほどで到着。
ノートPCなどの道中の暇つぶし用品をコインロッカーに入れる。
JRのコインロッカーは消費税率アップ等により、
300円だったものが400円になってしまったが、
上田電鉄のところにあるコインロッカーは300円である。


上田駅で20分ほど待ち、菅平高原行きのバスに乗り、
「菅平高原ダボス」バス停で降りる。
バス停には公衆トイレや避難小屋もあり、
暴風雪でも快適にバス待ちが出来そう。
前夜のバスで到着し、朝まで待つのも面白そうだが、
避難小屋が24時間開放なのかは不明。
所要50分掛かるが、運賃は500円と格安。
しかもスキーシーズンは大幅に増便され、おおむね毎時1本弱ある。
これはなかなか便利。


コースタイム1時間で登山口。
標高差260mを勾配12%のアスファルト道路を歩いていく。
勾配12%あればスキーで十分滑走できるほか、
シリセード用ソリでも何とか滑れそう。


中四阿経由のルートで登っていく。
トレースは4人分がある。
登山口の駐車場は10台くらい車が停まっていたが、
ほとんどは根子岳の往復のようだ。


小四阿。
三角点があるはずだが発見できず。


どんどん登るが、雪の抵抗が大きく、
コースタイムよりやや速い程度で進行。


雪が深い。



しばらく登ると、四阿高原ホテルからのルートに合流しラッセルが解消される。
今の時期は、四阿高原ホテルからのルートが一般的だ。






頂上。


お土産を食べる。
左は京都のもの、右は埼玉県川越だ。


完全装備。



頂上は狭いリッジになっている。



東、三角点方面へはトレースなし。
雪庇になっていて歩行不能。


360度の展望だ。



頂上には信州側の祠と、上州側の祠がある。
ほんとの頂上にあるのは上州側の祠だ。


次は根子岳へ。



さきほどの四阿山が見える。



根子岳の手前には落っこちたら危なそうな稜線がある。
慎重に通過。
雪庇がランダムに左右に張り出していてなかなか危険。
大きな岩は北側に巻いて通過するが、
なぜか南側にトレースついていて危ない。
ピッケル・アイゼンがないと通過できないため要注意。
僕は北側を巻いて通過した。
四阿→根子なら問題ないが、逆コースだと通過は大変だ。


根子岳からは四阿山が見える。
頂上は広くなっていて360度の展望。
空身のゲレンデスキーヤーの子供が居てすごい。
ここは2200mの冬山なのにな。
もっとも、雪上車の山頂駅からは徒歩10分でここまで来れる。


雪上車の山頂駅。2170m。
山頂に空身で向かうスキーヤーの板がデポされている。
以前はヘリスキーをやっていてここまで連れてきてくれた。
ただ、ヘリは晴天でも風が強いと運休になるなど天気に弱く、
多少の吹雪ならものともしない雪上車になってだいぶ便利に。
しかも、ヘリは当時\8,000だった(現在換算だと\10,000位か)が、
雪上車は\3,300と安くなったためか、だいぶ利用者が多いようだ。


そこからはバックカントリー用に整備されたスキーコースだ。
滑走跡はとんでもないところに行っている可能性もあり、
圧雪されたスキーコースを忠実に歩いて下る。
圧雪されているため、ソリでも十分にすべる。
斜度は上部で20%、下部で15%ほどで、
一般的なスキー場の初級者コース程度。
(栂池高原の下部なら12〜15%程度)
このため、初級者でも十分にバックカントリースキーを楽しめる。
(滑走技術は初級者でもOKだが、登山技術は必要)


雪上車とすれ違う。
スノーキャットという名前がつけられているため、
ネットでは猫バスと呼ばれている。
意外に速く、ゲレンデトップ〜山頂で20分程度か。
なかなか無限軌道の車両に乗れないため、無限軌道マニアにもおすすめ。
陸上自衛隊から払い下げられた78式雪上車だ。


ゲレンデトップ。
ここからはリフトの直下を歩いて下る。延長900mのため10分程度。
高速道路の路肩並みに危険なため要注意。


ゲレンデベース。
ここからは1.5kmほど歩けばバス停だ。


バス停まで戻ってきた。
バスの20分くらい前に到着したため、
避難小屋で装備解除などを行い時間をつぶす。


バスに乗り、上田駅へ。
新幹線に乗れば僅か30分ちょいで高崎だ。

登り 0905→1225 3h20m(CT4h10m)
下り 1330→1615 2h45m(CT4h40m?)

以上、無事に帰還。総費用 11k。