旅行記



2017/03 谷川岳

谷川岳は群馬県と新潟県の上越国境にある1977mの山である。

冬季においては、西高東低冬型気圧配置時には全く晴れず、
西から低気圧が接近してくる前に高気圧により、半日〜1日晴れる。

この時期の谷川岳は9割が天神尾根からのルートだが、
西黒尾根を通る上級者もいる。
BCでは、天神尾根から登り西黒沢に滑降する人が多いが、
マチガ沢などに突っ込んでいく勇者もいる。
僕はもちろん一番安全で簡便な天神尾根往復だ。
もっとも人が多くても油断は厳禁、
今年の冬は既に1名行方不明になっている。

今の時期は積雪4mほどになり、
豪雪の上越国境だけあって、同標高の北アルプスよりも多い。
森林限界が1500m程度と低く、北アの+1000mくらいの景観が得られる。
頂上1900mなら、北アの2900mだと言われてもおかしくない景色だ。
それでいて、公共交通機関で簡単にアクセス可能、
高崎から2時間で天神平まで行くことができ、まさに「近くてよい山」だ。

今回も高気圧が通過する予報であるが、
高気圧の前面になるときにはごく弱い冬型によりガスに包まれ、
高気圧の後面になるときには高い雲が増えていく。
今回はドンピシャで高気圧が通過し、中心が過ぎたすぐあとのため、
やや高い雲が多そうだがよい天気が期待できそう。
そんなわけで谷川岳に向かったものである。

なお、今回で40回目の谷川岳だ。



朝、自宅からも谷川岳が見え、今日はいい天気になりそう。
写真は上牧駅。
谷川岳がばっちり見える。→写真は拡大したもの。

水上駅前には雪は少ない。
気象庁のアメダスみなかみでは、積雪100cm近くになっているが、
アメダスはもっと奥にあるからである。
で、水上駅の時点で大混雑。
満員のバス(上毛高原駅始発)が来て乗れない、となったが、
すぐに増便のバスが来て乗ることができた。
混雑時は、電車を降りたら一目散にバス乗り場に行く必要がある。


天神平は今朝の時点で−4℃、積雪420cmとのこと。
今日は史上最高の混雑で、ロープウェイのチケットを買うのに32分待ち。
(0844〜0916まで並ぶ)

そしてロープウェイに乗る。
登山者は160人以上通過しているようだ。
ちなみにモンベルクラブ会員ならロープウェイ往復が100円引き。
モンベルクラブ年会費は1500円なので、
年15回以上の利用すればそれだけで元が取れる。
僕もモンベルクラブ会員である。
ミドルレンジ以上の谷川岳ユーザーにはおすすめ。


天神平。
ゲレンデスキーヤーより、BCや登山者のほうが多いのでは?
数少ない好天の際に集結してくるので、こういったときは人が多いが、
天気が悪いときは無人である。


ではスタート。



天神峠まで出る。



谷川岳が見える。



風もなく快適。
先のほうには、雪洞泊したパーティが複数いた。
雪洞泊も大変楽しそうだが、
ソロの場合には、雪洞築造工事に多大な労力が必要なため、
普通にテント泊がよさそうだ。


そろそろ熊穴沢避難小屋。



熊穴沢避難小屋。
完全に埋没しているが玄関まで掘り出されていて利用可能。
緊急時には重宝しそうだ。
前回よりもやや雪が減っている。


行列になっている。
人が多い。
トレースを外すと腰まで埋まるため、みんな一列で登っていく。
こうなると遅い人を先頭に行列になるが、
「お前ら邪魔だ!どけ!どけ!」と先行者を煽るオヤジが居たので、
その後ろをくっついていくとスムーズに登ることができる。


天狗の留まり場は登山者の溜り場に。
天狗の留まり場〜天神ザンゲ岩間には、3mはある深いクラックがある。
落ちたらたたでは済まないが、降雪後は隠れて見えない。
この区間はトレースを外れずに歩いたほうがいい。
このほか、肩の小屋〜トマ間、トマ〜オキ間にもクラックがある。
これらのクラックは毎年同じ位置(区間)に生じるので、
覚えておけば回避可能だ。


肩の小屋。
内部で飯を食べたり、防寒着を着たりと体勢を整える。
冬季用の入り口が開いていて、風除室に雪が吹き込んでいる。
閉めようにも凍り付いていてしまらない。
次回利用の際には要注意だな。


トマの耳。
小屋がかっこいい。


トマ〜オキ間も行列になっている。



頂上。
完全装備。


おやつを食べる。
右はおみやげで貰ったフランドールの高級チョコ(\100/個)。
なお、東方とはまったく関係ない。
左は水上駅前の商店で買った冷凍どら焼き(ほどよく解凍され美味い)。
買った際、商店のばあちゃんに「今週も来たのね」的な反応をされる。


三角点がないので標識タッチ。



続々と登ってくるな。
写真には写ってないが、小学3年の子供が登っていた。
ピッケルも持っていたが、自力で滑落停止するのは厳しく、
親とコンテニュアスビレイするのが良さそうだ。
天神尾根往復なら僕ぐらいのピッケルさばきでも何とかなり(多分)、
むしろ慣れてる人ならダブルストックで登って来るから大丈夫だ。


富士山が見える。
写真のコントラスト強調部分に見えている。


雪庇が成長している。
上州側のマチガ沢に落ちないように注意。


クラストして硬くなっていると越後側へも落っこちそう、要注意。



そこから更に先の「奥の院」へ。
斜度があり要注意。
オキから5分ほどだが、5分でも今の時期は空身で行ってはいけない。
ザックは生命維持装置である。空身では1晩ももたない。


マチガ沢にラウンチしていくボーダーが。恐ろしい。
なお、10日前までに登山届が必要。
参考 参考
天候が読めないため、毎日だしておくという方法もあるとか・・・。


再びトマの耳へ。
では帰りも肩の小屋で体勢を整えて下山にかかる。


天神峠まで戻ってきた。
谷川岳がかっこいい。


天神平スキー場に戻ってきた。



ロープウェイ駅から土合までは徒歩15分(CT15分=山屋基準)。



土合駅からは電車に乗り、上り方面、自宅へ。

今日は天気がよかったので山れこにも沢山記録がアップされるだろう。

(天神平〜肩の小屋間)
登り 0946→1122
下り 1350→1435

3月の谷川岳に登頂できて大満足。
以上、無事に帰還。総費用 9k。