旅行記
2015/07 槍ヶ岳
槍ヶ岳は北アルプス、長野・岐阜県境にある3,180mの山である。
北アルプス第2の高峰(第1は奥穂高岳3,190m)で、
日本では第5の高峰である。
今回、久々(2年ぶり)に北アルプスに行ってみることにしたものだ。
奥穂高岳と迷ったのであるが、奥穂はまだピッケル必携のようで、
上級者専用のようだったため、雪が少なくなり、
ピッケルまでは不要となった槍ヶ岳にしたものである。
槍ヶ岳は非常に遠く、アクセスに金が掛かるのが難点である。
山歩き自体はそれほど長距離でもない。アクセスが最難関だ。
それでもこれまで3回行っている。
2009年5月 松本に前泊し1泊2日の行程。槍ヶ岳山荘泊。単独。
GWに初心者が突っ込んでよく死ななかったもんだ。
2011年9月 朝自宅発で1泊2日の行程。
槍ヶ岳山荘テント泊。2人パーティ。
20kg背負って、登りは7時間、下りは4時間の快速。
2013年10月 朝自宅発で2泊3日の行程。3人パーティ。
ババ平テント泊・槍ヶ岳山荘テント泊。
今回も3日間の行程を計画したものだが、
軽量化を図った(15.5kg)ことで、2日間に短縮することが可能となった。
なお、標準コースタイムは、登り10時間50分、下り8時間30分だ。
(計画)
1日目 (自宅→)上高地→横尾→槍沢ロッジ
2日目 槍沢ロッジ→槍ヶ岳山荘→槍ヶ岳→槍ヶ岳山荘
3日目 槍ヶ岳山荘→横尾→上高地(→自宅)
(実施)
1日目 (自宅→)上高地→横尾→槍沢ロッジ→槍ヶ岳山荘
2日目 槍ヶ岳山荘→槍ヶ岳→槍ヶ岳山荘→上高地(→自宅)
3日目 休養日
1日目
高崎から北陸新幹線で長野へ。
長野から上高地直行バスに乗車予定だ。
これが東京から上高地への最速ルートである。
新宿から始発0700「あずさ」で松本経由の場合、上高地到着は12時。
同じく新宿から大宮へ、大宮0642の「かがやき」に乗ると、
長野0815の上高地行きバスに接続して上高地到着は11時だ。
新幹線なので混雑も少なく、速くて快適、正確であるが、
ただし正規料金ベースでも1000円くらい高いのが難点となる。
朝一の「かがやき」が高崎駅を通過していった。
高崎駅北方にあるポイントが160kmh制限のため、
高崎駅通過速度は200kmhと遅い。
毎秒30連写で高速走行する新幹線でも余裕で撮影。
後続の「はくたか」に乗って長野へ。
上述の上高地直行バスへは、この電車でも接続できる。
浅間山が見えていてかっこいい。
7月とあって完全に盛夏の様相。
長野からはバスで上高地へ。
15人くらいしか乗っておらず、2席使用できて非常に快適。
上高地に到着。
11時に到着し、急いで準備を整え、11時15分に歩き始める。
計画では槍沢ロッジまでだが、できれば槍ヶ岳山荘まで行きたい。
槍ヶ岳山荘まではCT10時間20分、定刻なら到着は21時35分だ。
河童橋。
奥穂高岳が見える。
見ると登りたくなるが、現状では技術的に僕には無理だ。
横尾。
11kmの林道歩きがなかなかしんどい。
一の俣。
緑が茂っているがかなり暑い。
槍沢ロッジ。
14時40分であるが、積乱雲などはないため、
このまま槍ヶ岳山荘を目指すことにする。
時間が厳しいようならば殺生ヒュッテで幕営だ。
大曲の手前、標高2050m程度から雪渓がはじまる。
途中、薄くなっているところもあり要注意で、
赤の竹竿を見落とさないように。
日が傾いてくると日陰になり涼しい。
途中いったん夏道に戻るが、
グリーンバンドあたりから再度雪渓へ。
槍ヶ岳山荘が見えてきた。
見えてきてからが遠い。日没との勝負。
視界がないときは勾配のゆるい中岳方面に吸い込まれないように注意。
殺生ヒュッテで小休憩。
テントが10張りほど設置されている。
上は風が強いため、ここも快適でいいかもしれんな。
槍ヶ岳山荘へ。
18時35分、所要7時間20分。日没が18時59分のためギリギリ。
なお、以前は20kg背負って7時間5分だった。
登ってきた槍沢がはるか下まで続いている。
これを登ってきたんだからたいしたもんだ。
日没近くなると山荘宿泊者がみんな出てきて夕日見物に。
とりあえず夕飯にする。
夕日がかっこいい。
テント場はこちら。
30張りと少なく、穂高岳山荘と異なりキャパシティを超えると追い返される。
黒部五郎岳のあたりに日が沈んでいった。
あの向こうは日本海だ。
暗くなってくる。
こちらは小屋内。
すでに19時半のため静まり返っている。
1L200円で雨水を販売している。稜線上では貴重な水だ。
では再度夕食にする。
ご飯、味噌汁、トン汁の具で和食風だ。
暗くなってくると松本の夜景が見えてきた。
かなり夜更かしをして21時半に就寝。
夜は今回から新規導入のモンベル#2(快適2℃)。
これで寝袋は4種類(#0(-6℃)、#2(2℃)、#3(6℃)、メスナー(10℃))だ。
気温は11℃だったため余裕でぬくぬく熟睡。
西風が避けられる岩陰だったため風にゆすられることもない。
2日目
翌朝。4時25分起床。
富士山が雲海の向こうに見えている。
4時35分、日の出。
朝食後、テントを撤収し、明るくなったので槍の穂先にアタックする。
なかなか岩場のため怖いが、落ちる事故はほとんどないそうだ。
ただし落石を起こさないように要注意。
ちょうど穂先の影が映っている。
で、頂上。
三角点。タッチ。
以前は3,179.7mであったようだが、成果不能になり、
1m単位で丸められて3,180mの標高点扱いとなっている。
もちろんこいつも持参。
槍ヶ岳山荘が凄いな。
360度の展望だとこんな感じ。(横1600pix)
上記のものに解説をつけたもの。(横3200pix)
槍ヶ岳の山頂看板は2年前のときよりもだいぶくたびれている。
山荘に戻り昼食に。
気温は17℃と暑い。
なお下界では38℃などのかなりの猛暑日だった模様だ。
では、下り始める。
途中までは雪渓が利用できるため高速だ。
コースタイムの3倍速くらいで降下できる。
しかし、雪渓の末端は薄くなっていてシュルンドやスノーブリッジとなっており、
夏道に戻るタイミングを逸さないように注意だ。
結局アイゼンは持参したものの使用せず。もちろん朝晩は凍結しており必携だ。
上高地に戻ってきた。
横尾にスニーカーをデポすれば、往復22kmの林道歩きが少しは楽か。
下りは10時半スタートで15時到着。所要4時間半だ。
装備の撤収やお土産購入などをして、15時半の長野行き高速バスに乗る。
6人ほどしか乗っておらず空いていて快適だな。
沢渡や松本行きのバスは当然満員だ。
長野からは新幹線「はくたか」で帰る。
(「かがやき」は高崎通過のため)
新幹線は速くて快適、15時半に上高地を出て、かがやきならば19時半に東京だ。
ただし高いのが難点。
新幹線により帰る。
槍ヶ岳に登頂でき大満足、次は北アならば穂高岳だな。
以上、無事に帰還。
総費用22k。