旅行記
2011/06 新千歳
福島第一原発事故の影響により、原発から半径30kmが飛行禁止になっている。
しかし、6月からはこれが半径20kmに緩和された。
そこで航空各社の対応もされているようで、
実際、先週に新幹線に乗ったときには郡山のあたりで飛行する飛行機を目撃した。
JALやANAはほぼ通常ルートに戻ったとの話である。
しかしSKYMARKは更にルートを変更したとの噂だったため、
また別のところを飛べるために、どんなところを飛ぶのか調査してきた。
始発列車で羽田空港まで行く。
羽田空港からはSKYMARKで飛ぶ。
羽田のターミナルは節電のせいでちょっと暗い。
離陸するとすぐに雲に突入し、その後は雲の上に出る。
しかし、高層にも雲があり、青空というわけではない。
巡航高度が何故か7200mと低いのも原因だ。
中禅寺湖のすぐ近くを飛ぶ。
どうも新潟空港へ向かっているようだ。
これは成田→日光→新潟→ウラジオストック→シベリアを通る、
欧州方面の長距離国際線のルートでもある。
このルートにはまた乗ってみたいと思っていたのだが、
欧州行き国際線もおいそれと乗るわけにもいかないので困っていたのだが、
まさかこんな形で飛ぶことができるとは。
尾瀬の近くを通過。
只見湖だ。
奥只見ダム。
田子倉ダム。
CO2も(放射能も)出さないクリーンエネルギーの筆頭である。
火力発電を駆逐するくらいがんばってほしいな。
そして新潟。
新潟空港の直上をパス。
佐渡島。
ここからは洋上に出てしまい面白くない。
秋田のあたりで再び上陸し、北海道札幌方面へ。
八郎潟。
自治体すべてが100%埋立地で、浦安市以上である。
3.11のときは大丈夫だったのかな。
北海道新幹線が絶賛工事中なのがよくわかる。
しかし凄い盛土&切土である。
これでも盛土+切土の合計がゼロになるように綿密に計算されているはず。
北海道新幹線の工事がすごい。
津軽海峡を横断し北海道へ。
苫小牧で北海道へ上陸する。
ここから先は電子機器使用禁止。
新千歳空港に到着。
最近できた国際線ターミナル。
欧州の小さな空港みたいな雰囲気で、なかなかかっこいいデザイン。
ラーメンを食べたあとは、展望デッキでぐだぐだする。
展望デッキはなかなか爽快だが、終日逆光気味なのが難点。
展望デッキではやはり432mm望遠レンズが大活躍だ。
これだけ明るいと絞っても1/1000s程度は出るためブレる心配もなく安心。
今日だけはSYKMARKが普通運賃10,000円均一キャンペーン中なので、
やはりどの便も満席と思ったら、ある程度空席があるものもある。
まあ、普通運賃なのでとりあえず予約してキャンセル、という人も多そう。
僕も天気が悪かったならそうする予定だった。
帰りもスカイマークで。
青森湾。
北海道新幹線をフライパス。
新青森駅と青森車両基地。
下側へは函館方面へと本線が分岐していくのがわかる。
帰りは巡航高度が12000mと非常に高い。
やはり秋田方面へ迂回する。
大館能代空港。
秋田。
途中でANAの航空機とすれ違う。相対速度Mach1.6の一瞬の出来事だ。
どんどん南下する。
新潟の直上をとび、ここから茨城方面へ。
猪苗代湖。
利根川を横断。このあたりで高度1500mくらいか、もうちょっとあるか。
韓国軍がアシアナ航空に小銃を射撃してしまう事件があったが、
あれも高度1500mを飛行中であった。
この高度では小銃は有効射程外となり、まず当たらないが、
仮に当たっても弾丸にエネルギーは残っておらず大ダメージにはならなさそう。
自衛隊が他国の航空会社に同じことをやったら首相が辞任するレベルだな。
あとは普段の羽田空港到着ルートに入り、着陸。
東京へ寄ってから帰る。
このN700も最初はいまいちに思えたが見慣れるとかっこいいな。
技術的必要性に裏打ちされたデザインは基本はかっこいいのである。
GPSによる解析
行きと帰りの巡航高度の差が明らかである。
巡航高度が高い分、それに応じて速度も高くなっている。
青森のあたりで巡航高度で飛行中に謎の減速をしているが、何だったんだろう。
前を飛行する機に追い付いた可能性もあるが、
足が遅いB737で追い付くというのもあまり考えにくい。
高度を下げ始めるのは苫小牧に近いづいてからで、
なかなか燃費の良さそうな飛行方法である。
まあ燃費云々言うなら、新潟まで大幅に迂回してるのを何とかしたほうがいいが…。
巡航高度に達するのは、青森まで飛んでやっと12,000mまであがっている。
高度を下げるタイミングがかなり早く、新潟県に入ったあたりで高度を下げ始める。
これだけ早いと低空を飛ぶ時間が長く燃費が悪そう。
できれば那須上空くらいまでは巡航高度で引っ張りたいところだが、
羽田空港進入の関係からこれはできないであろうな。
結果として、札幌東京間を飛んでいるのに、巡航高度での飛行はわずか300km程度。
東京神戸だとしたら、巡航高度に達する前に降下開始になってしまう。
なお高度11km以上においても、上昇率は1,200ft/minと結構よい。
ヘリの海面近くの高度における上昇率と同じくらい出ている。
高度と速度をぞれぞれプロットした。
速度がMach制限(M0.79)を超えているが、これは追い風に乗っただけであろう。
逆に失速速度に近い領域までは減速していないことがわかる。
しかし、高度12000mでは、45度バンクまでのバフェットマージンをとった状態では
ほとんど速度に余裕がなく、760〜820km/hの狭い領域でしか飛行できない。
高空では加速も減速もできないということになる。
一方、低空では速度には余裕があるので、
高速で飛んでいることもあればかなり遅いこともある。
飛行ルート
赤が行き、青が帰り。
細い線はそれぞれ通常時の推定ルート。
空港周辺の飛行ルートは推定。
やはり原発80km圏(ピンク色の丸)を迂回していることがわかる。
白地図は(C)Craftmap
東京札幌バトル
今回の例だと、完成した北海道新幹線と比較するとこんな感じになる。
飛行機 新幹線
東京駅 0600 0600
羽田 0700 ↓
離陸 0800 ↓
仙台 0830 0720
函館 0920 0920
着陸 0950 ↓
千歳駅 1020 ↓
札幌駅 1105 1000
というわけでやはり前後のアクセスが痛いため、
新幹線で4時間程度であれば新幹線のほうが速いであろう。
しかし、青森や函館と違い、飛行機の便数が圧倒的に多い。
現状では毎時3本はあり、これでは新幹線よりも多い。
新幹線も最速達タイプは毎時1本となるだろうし、
(東京博多の「のぞみ」も毎時1本である)
飛行機の便数が半減しても、飛行機のほうが多い可能性もある。