旅行記



2011/05 尾瀬


珍しくGWが休みだったこともあり出かけようかと思ったが、
飛行機は全般的に高いので、閑散とした山に行くことにした。
この時期の尾瀬は、まだまだ雪山であり、観光客は居ない。
また雪が多いこともあり普段は歩けない、
尾瀬沼や尾瀬ヶ原を自在に歩くことができ、大変面白いらしい。

今回は山でグダグダ過ごすということで3泊4日で計画したが、
こうなると宿代も高いのでテントにした。
テントなら個室で快適、昼間からグダグダできるので、
こういうのんびり山行には最適というわけだ。

尾瀬は僕の好きな山域の1つで、
富士山・八ヶ岳に次いで行っている回数が多い。
これまで行ったのは以下のとおり。

1回目:尾瀬ヶ原から尾瀬沼へ縦走(日帰り)
2回目:温泉小屋に1泊(1泊)
3回目:至仏山登山(日帰り)
4回目:燧ケ岳登山で敗退(前夜泊日帰り)
5回目:尾瀬ヶ原散策(テント1泊)



1日目:搬入日   見晴らしキャンプ場まで物資を搬入
2日目:アタック日 燧ケ岳を往復
3日目:移動日   尾瀬沼へキャンプを移動する
4日目:撤収日   撤収し帰宅する

1日目:曇りのち雨(山の上では雪だったようだ)
2日目:曇り時々晴れ
3日目:快晴
4日目:快晴

1日目:10:00鳩待峠⇒11:00山ノ鼻⇒14:00見晴
2日目:7:00見晴⇒10:00燧ケ岳⇒13:00見晴
3日目:7:00見晴⇒9:00沼尻⇒10:00尾瀬沼⇒12:00沼山峠⇒13:00尾瀬沼
4日目:8:30尾瀬沼⇒9:30三平峠⇒11:00大清水



1日目



鳩待峠まで行くが、何で行っても高いのが難点。
バスで行くと沼田駅から往復でバス代が6,000円と、東京大阪間並みに高い。
自家用車で行くと駐車場代が2,500円/日と高いが、
複数人で行けば割り勘にあるので、
自家用車乗り合わせで行くのが一番よさそう。
なお、バスカードが販売されており、
3000円で4350円分使用可能なので、是非利用したい。





今回はテント泊ということと、
完全自立で山行が可能かどうかを検証するため、
水を6L積載(うち野菜ジュース1L・コーヒー1L)していった。
通常、尾瀬であれば季節に関係なく水が豊富なので水は必要ない。
おかげで総重量は27kgに達し、
メスナーの70Lザックには入りきらず、+20Lのサブザックも使用した。
体重の半分以上の積載量は極めて重く、普通に歩くだけでも大変だ。




山ノ鼻。
至仏山登山のベースキャンプとなっている。
ここにも山小屋があり、商用電力が曳かれているため快適。




尾瀬ヶ原はただの雪原になっておりどこでも歩ける。




しかし、視界がなく、降雪があるときはマジで迷いそうだ。




ときおり、下が川になっており踏み抜くと大変なことに。
通常であればかなり薄くなってヤバイのが判るため大丈夫。
しかし、先行者のスキーヤーが踏み抜いて沼に転落して大変だったようだ。
しかも沼の中でスキー板が外れてほんとに泥沼状態。




みんなで氷の厚い場所を歩く。











見晴らしに到着。
ここにベースキャンプを構築し、2泊する予定だ。




ここは6軒の小屋と1つのキャンプ場が集まり、
日本で最も山小屋の数が多い場所で、シーズンには人口1000人となる。
ここまで山奥にこんな街が形成されているのは例がなく、
要は、徒歩でしか来れない「雲上の街」というわけだ。
(雲の上ほどは高くないけど)








見晴らしのキャンプ場。



燧小屋では風呂にも入れる。500円。
山で風呂に入れるのは非常に贅沢で、
風呂さえあれば何週間でも滞在できる気がする。
風呂は一般家庭のものを2周り大きくした程度で、
混雑時には芋洗い状態になると思われるが、
小屋が食事時に入浴したために貸切。




モンベル#0で快適にぬくぬく。

なお、小屋で毛布も借りることができる。200円。
雪上キャンプでは地面からの冷えが非常に厳しいので、
毛布を床に敷いて寝れば快適に寝ることができる。
最初からこの毛布をアテにすれば寝袋を1段薄いものにできるはずだが、
それはちょっと危険なような気もする。


2日目


翌朝、燧ケ岳を向かってスタート。








途中、分岐がわからず、尾瀬沼方面へ向かってしまうが、
途中で間違いに気付き、GPS誘導で突っ切って登山道へ復帰する。
先行のパーティはこれで1時間ロスしたようだ。



だんだん見晴らしがよくなる。



頂上だ。




尾瀬沼ビジターセンターが見える。



尾瀬の2大スターである尾瀬ヶ原と尾瀬沼を一望。
尾瀬沼は、ちょうど県境ラインに沿うように
沼上にトレースがあるのが確認できる。




実は燧ケ岳は去年5月にアタックしているが、
三角点があるところまではいけたのだが、
最高地点直下の雪壁で敗退し、頂上は踏めていなかった。








尾瀬ヶ原は、よく見ると河川沿いにある林(拠水林)で分割されている。
河川が激しく蛇行するのにあわせて拠水林も蛇行しており面白い。
いまの時期なら、どこでも歩けるので、
禁断の3県境(新潟福島群馬)も踏めるかな。





頂上で飯を食べて、再び下ることにする。




戻ってきた。





山小屋にはスノーモービルも並ぶ。
実はこの時期であればモービルでもアクセスが可能で、
最終車道の富士見平から1時間で来ることができる。
この時期を過ぎると徒歩オンリーになるので、
ヘリ輸送が必要な重い物資(燃料とか)は
今の時期に集中的にモービルで搬入するのが良さそう。
ヘリだと1トンあたり100万円するが、
モービルでソリを牽引すれば1トンあたり1万円くらいで済みそうだ。
これは木道の補修などにも言える。
いまのうちに木道をバリバリ搬入しておくべし。








ときおり上空を航空機が通過するが、
直上を通過するのは自衛隊のターボプロップ機のみ。
どうもここは自衛隊の訓練空域になっているようで、
そこを活用して輸送機も飛んでいるのか。




日が暮れる。


3日目



翌日。
今日は尾瀬沼まで移動するだけで特にやることがない。
テントを撤収して尾瀬沼へ。




尾瀬沼は全面的に雪原だ。
これなら車輪をソリに換装した飛行機で離着陸できそう。
延長1km以上の滑走距離が確保でき、かなり大型の機体でもいけそう。
C-130輸送機などもソリversionがあり、南極での物資輸送に活躍している。
とはいえ、スノーモービルで輸送し放題なので、
あまり航空機に頼る必要はなかったりする。



やや薄くなっている部分もあり注意。
特に接地圧(体重/靴のサイズ^2)が高い人は要注意だ。




尾瀬沼キャンプ場へ。
ここも2軒の山小屋・1件のビジターセンター・1件のキャンプ場、
また他に環境省などの建物が点在し、街を形成している。
ただし人口としてはそれほど多くない。
ここは商用電源が曳かれており、環境はかなり良い。
ここは住所としては福島県だが、
電力が群馬県側から引かれており東京電力所管の50Hzのものだ。
ただし発電機などもあり計画停電してもほとんど影響なさそうだ。



燧ケ岳が綺麗。
20倍の望遠鏡で覗くと頂上に居る人まではっきりと確認できる。










水芭蕉の芽が。



尾瀬沼ヒュッテでテント泊を申し込む。



たいへん綺麗だ。
こんな綺麗な場所を無人で独占できなんて大変贅沢だ。




尾瀬沼ヒュッテで風呂に入る。
同じく食事時に行ったため貸切。
なお尾瀬では石鹸シャンプーは使用できないが、十分である。




デジカメ写真の母艦用にノートPCも持参。
無線LANは掴まなかった。


寒いので湯たんぽを作成する。
2Lのペットボトルごと湯煎で暖める方法で、快適に寝ることができた。
湯たんぽは馬鹿にならない熱エネルギーを持っている。
寝袋内30℃に対し70℃のお湯の場合、所持するエネルギーは
40(Δ℃)×2000(g)×4.2(J/g/Δ℃)=336kJ
8時間を均等にすると、12Wの発熱量になり、何気にホッカイロ数枚分。
ただし、336kJのエネルギーは液体燃料10g程度分に相当する。


4日目




翌朝は4時くらいに目が覚めるので早朝の湿原を散歩する。








幻想的な雰囲気をひとりじめ。







溶けた尾瀬沼に映る燧ケ岳。
大変美しい。












さて大清水へ下ることにする。



大清水へ降りてくる。


大清水のあたりにも小規模な湿原があり、
ここは標高が低いために既に水芭蕉などが咲いている。
ちなみにこの湿原の木道は幅員1mのバリアフリー対応だ。




あとはバスで戻るのみ。





その後は無事に帰還。







費用
交通費   8k
宿泊費   5k
食費    5k
減価償却 10k
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計    28k



参考
航空機から撮影した、尾瀬沼・尾瀬ヶ原