旅行記
2011/02 青森
昨年12月に東北新幹線が開業したので、早速乗ってきました。
当然新幹線で行くか?という話であるが、
いつ撤退するかわからないので飛行機で行くことにする。
JALの便で三沢空港へ。
三沢空港への便はもともと1日4往復あったらしいが、
東北新幹線八戸開業で利用客が半減し、
今では1日3往復で機材も小型化されている(MD90とB737)。
乗客は半数が米軍三沢基地勤務のアメリカ人で、
なんだか国際線乗継の国内線に乗っているような雰囲気。
もうJALじゃなくてノースウェストとかに運行を頼んだら?という感じ。
もはや八戸市民は新幹線利用だし、青森市民は青森空港or新幹線なので、
三沢空港を利用するのはダイレクトに三沢に用事のある米軍関係者のみ、
という状況なんだとか。
MD-90は150人乗りに対し僅か30人ほどを乗せ、羽田空港C滑走路から離陸。
軽いせいもあって1500mほどの離陸滑走で離陸だ。
30人といってもクラスJに人が集まっており普通席はガラガラ。
もう路線としての存続が心配になるレベル。
つーか「隣に人がいるクラスJ」よりも
「3列空席の普通席」のほうが快適な気がするぜ?
離陸すれば関東は冬晴れ。
男体山も綺麗。
那須岳上空。
三沢空港へは東側からアプローチ。
平地でも雪が積もっていることに感動?だ。
三沢基地の様子。
航空機そのものを撮影するのは、ここは米軍基地なので一応禁止だ。
ここは日本の領土ではないのである。
三沢駅から青い森鉄道で八戸駅まで出る。
青い森鉄道もほぼ普通列車のみの運用になってだいぶローカル線な雰囲気。
でも鉄道施設自体はなかなか高規格。130km/h対応だし。
八戸駅。
みたところ、通過本線には安全柵も設置されており、
これならば本線を高速通過できそう。
ぱっと見、駅付近にもカーブはなく、おそらく260km/hでの通過が可能だろう。
駅付近には4000m程度のカーブもあるが、カントは目一杯とってある。
八戸停車列車だとカント超過になる(カーブの内側に傾いてしまう)ので、
このカントの設定は明らかに通過を意識しているはず。
実際、既に臨時のはやてが通過しているようだが、
Youtubeにアップされた動画を見ると250km/h前後で通過している。
(260ではないのは、単に余裕時間があるためと思われる)
八戸駅。
八戸駅。
八戸を発車してしばらくは高架区間となるが、
すぐにトンネルに入り、トンネルを抜けると七戸十和田駅。
駅を発車するとまたトンネルに入り、トンネルを抜けるともう新青森駅だ。
E2系は全体的になかなかよいつくりで快適そう。
まあ僕は座席には座らない派なのであまり関係ないが・・・。
青森が近づくと積雪は多くなる。
260km/hに抑えられているということもあり、
なんだか若干遅い感じもする。
余裕時間も見込んであり、実際の速度は250km/h程度だ。
新青森駅。
新青森駅の南側には三内丸山遺跡があり、これを回避するためにR=3500mの曲線がある。
停車する場合には明らかにカント超過で、
将来的に新青森通過列車を想定しているものと思われる。
新青森駅構内は本線も直線的な線形で、かなり高速で通過できそうな雰囲気。
おそらく3500mならばE5系で300km/hでの通過はギリギリ可能かと思われる。
なお2500mだとN700系が270km/hで、4000mだとE5系が320km/hで通過している。
ただ、JR東とJR北の境界駅になるので運転士の交代などはどうするのかは謎。
北海道方面はすぐ先1kmくらいで行き止まり。
「はやぶさ」により、今年3月からは東京新青森が3時間10分になる。
停車駅は、東京・大宮・仙台・盛岡・新青森だ。
320km/hにスピードアップすると更に5分短縮して3時間5分だとか。
北海道新幹線が延長361kmなので、260km/h走行だとすると、
アベレージ240km/h走行で90分+停車2駅で(5×2=)10分で、
計1時間40分といったところ。
ということは東京⇔札幌で4時間45分が現行規格での最速ということになる。
盛岡以北も320km/hにスピードアップすると、
盛岡⇔新青森で5分短縮、北海道新幹線区間で15分短縮で、計4時間25分程度か。
盛岡・新青森を通過すると4時間20分は切ることができるか。
これならば航空機と比べてもやや分が悪い程度で、
もともとの需要が高い区間だから採算的には悪い話ではなさそう。
同じくらいの距離の東京⇔博多と比べても飛行機のぼったくり度が高い路線なので、
なんとかしてほしいものである。
三内丸山遺跡。
縄文時代のロマンがあるにはあるが、
基本的には遺跡なので観光地ではなく過度な期待で来るとガッカリしそう。
それにしてもこんな厳しい環境の地でよく暮らそうと思ったものだ。
どうせなら暖かい西日本とかにすればよかったのにと素人目には思うが、
なんでなんだろう。
有名なアングルから。
青森駅。
やっぱり新幹線だと青森まで楽だなあ。
飛行機も6便あるが、はやては毎時1本あるから、
もうこれは新幹線の勝利であろう。
なので飛行機ももっと安くなればいいんだが、
あまりJALはやる気がなくて、安くして対抗、とかは考えず、
機材小型化→減便→撤退となってしまうんだよなあ。
なぜか海上保安庁の船も。
艦首の20mm機関砲がかっこいい。
この程度と思いきや、
荒れた海を全速航行中に目標に全弾命中できるほどの射撃管制精度なのは、
九州沖の不審船事件でも実証済み。
おまけに公式スペックで30ノット、非公式には35ノットの俊足を誇る。
青森港。
国鉄時代の十和田丸が泊まっている。
内部は500円で見学でき、非常に面白い。おすすめ。
鉄道時計ってかっこいいよねえ。
正確に時を刻むこと自体が鉄道の定時運行を象徴しているようだ。
僕も中学時代に持っていたことがあるが、
いまでは時間を確認するにはもっぱら携帯電話だ。
時間を確認するたびにケータイをパカパカやるのはちょっとかっこ悪いのが難。
懐中時計と違って、NTPで時間を自動あわせなので正確なのは助かるのだが。
八甲田丸の機関室。
青森駅へ。
青森市内中心部にある善知鳥神社。青森県で初詣人数最大だとか。
主なご利益は、海上交通安全、および青森県での生活全般に対する安全。
翌日は再び青森駅から新青森へ。
この区間は特急券なしで特急に乗ることができ、少しおとくな気分になれる。
とはいえ、普通列車のほうが前面展望が得られるので面白い。
JR北海道車両のグリーン車はかなり快適そう。
青森駅〜新青森駅は、単線のためダイヤ上のネックになっている。
今回も、特急日本海が10分遅れで到着し、スーパー白鳥の出発が10分遅れた。
そのため「はやて」の出発も2分遅れてしまった。
もっともこの程度ならば余裕時間で吸収できるレベル。問題ない。
青森駅から津軽線に分岐するところまででも複線にしてくれれば、
だいぶ運用がやりやすくなるように思えるのだが。
構内配線を見直すだけでOKで、用地取得などが必要ないし。
新青森〜青森間を完全に複線にしようとすれば、
用地買収が必要になるがさすがにそこまでは必要はなさそうな雰囲気。
新青森駅から発車して、すぐの高架からは岩木山が見えた。
1年前の10月に登ったことがあるが、いまはさすがに真っ白になっている。
というか岩木山が見えるなんて冬の間は1ヶ月に何日あるんだ。
八戸が近づくと軌道には雪が溜まっている。
七戸十和田駅から南は、太平洋側気候のためあまり積雪量が多くないため、
スプリンクラーによる除雪はせず、軌道の間に雪を貯めるだけの処置のようだ。
さすがに青森に近くなると日本海側になり一気に積雪量が増えるため、
スプリンクラーで温水を撒きまくって除雪するようだ。
望遠レンズでの鉄道写真はかっこいい。
747が上空を通過。かっこいい。
三沢。
また飛行機で戻る。
やはりJALのMD-90だが、今回も搭乗率は半分以下といった感じ。
でもクラスJは満席だった。
でも満席だったらやっぱり普通席のほうが・・・。
MD-90はジェットエンジンが最後部についているので、巡航中は極めて静か。
エンジンの隣の席になるのは嫌だが、
それ以外ならばそんなに悪い飛行機じゃなさそうだ。
八戸上空を通過。
実は八戸にもデカイ飛行場がある。
海上自衛隊所有の基地で、滑走路2000mと十分。
これなら三沢空港よりも便利な予感さえする。
羽田へ。
以上、無事に帰還。
直接旅費
交通費 33k
宿泊費 4k
間接旅費
食事代 6k
減価償却 1k
その他
キャンセル料 5k
====================
計 49k
東京青森 航空機VS新幹線
6時に東京駅をスタート、という条件で比較すると以下のとおり。
航空機
東京駅 0619-0625浜松町駅 山手線
浜松町駅0630-0649羽田空港 東京モノレール
羽田空港0720-0845青森空港 JAL
青森空港9000-0935青森駅 空港連絡バス
新幹線
東京駅 0628-1001新青森駅 新幹線はやて
新青森駅1016-1023青森駅 特急スーパー白鳥
航空機は前後のアクセスが痛い。
飛行機が羽田空港を離陸する頃には、既に新幹線は福島まで進んでいる。
とはいえ、離陸してしまえば飛行機は速く、
北上あたりで追い越して、新幹線が盛岡に着く前には青森空港に着陸だ。
そしてバスでとっとと青森駅まで移動すれば、飛行機の勝ちである。
東京青森の勝負の場合、所要時間だけで見ると航空機が有利である。
ただ1日6便だけしかない航空機に対し、コンスタントに毎時1本新幹線があるため、
「駅すぱーと」などで任意の出発時間で検索すると、新幹線のほうが速いケースも多い。
新幹線は新青森駅での乗換ロスが痛い。これだけで22分もロスしている。
東京駅へのアクセス時間は、東京駅起点のシミュレーションなのでゼロになっているが、
実際には例えば23区内のいずれかの駅から、ということになると、
羽田空港へのアクセス時間の増よりも、
東京駅へのアクセス時間の増のほうが大きいため、航空機が有利になる。
ただし、23区でも赤羽や、埼玉県南部になると、大宮駅から新幹線に乗れるし、
羽田空港が遠くなるので新幹線が有利。
湘南新宿ラインが快速運転で大宮を結んでいるのも大きく、
もはや新宿・池袋・渋谷など、山手線の西側区域からのアクセスでは、
東京駅から新幹線に乗る意味はほとんどなく、
湘南新宿ラインで大宮に出て、そこから新幹線に乗るほうが速い。
この意味は大きく、新宿・池袋・渋谷は私鉄のターミナル駅になっているので、
これら私鉄(東急・京王・西武等)の勢力区間は、大宮駅利用ということになる。
参考
航空機から撮影した建設中の新幹線。
航空機から撮影した青森県。
青森湾の形が特徴的なので、
高度10kmくらいでもはっきりと県の形を認識できる。
航空機から撮影した建設中の七戸十和田駅。
ほんとに何もないところに駅を作ったんだな。
まあ車社会ということもあり、
こういうほうが車でのアクセスは楽だったりする。
これは新青森駅にも同じことが言える。
フライト・シミュレータXでの画像(C)Microsoft
米軍三沢基地。
3000mの滑走路だが、両側にそれぞれ300mの過走帯を持っている、
軍用滑走路の標準的な構成である。
戦闘機を運用するにも十分で、実際にF-16が運用されている。
フライト・シミュレータXでの画像(C)Microsoft
海上自衛隊八戸航空基地。
こちらは2000mの滑走路で、民間航空機の運用にはやや不足か。
三沢に非常に近く、戦闘機が着陸したりするとそのたびに地元では問題になる。
フライト・シミュレータXでの画像(C)Microsoft
青森空港。
台地上に空港が立地しているために非常に霧が多く、欠航が多かったが、
CAT3aの運用開始で視程200mまでは離着陸が可能になった。
フライト・シミュレータXでの画像(C)Microsoft
左が視程200m、右が通常の場合である。
左のような状況でも、着陸が可能ということである。これはけっこうすごい。