旅行記
2010/11 入間基地 航空祭
入間基地では、毎年11月3日(祝)に航空祭が行われる。
東京に近く、電車でもアクセスしやすいということから、
かなりの動員数となり、今年は28万人参加と、日本最大の航空祭である。
航空祭の時間は、9時〜15時ということになっているが、実際には開門が8時半。
それくらいには行ってないと9時25分からの飛行展示には間に合わない。
行くのはもちろん、遠方なら電車・地元民なら自転車がオススメだ。
既に池袋からの西武鉄道線も大混雑である。
この日は臨時列車・臨時特急も運転され、特急の臨時停車も行われる。
なにげにヲタ比率が多くて困る。
超混雑の稲荷山公園駅。
ここから基地に直で入場できるために非常に利用客が多い。
あまりに混雑したためにホームから落っこちた人もいたらしい。
で、入間基地だ。
大混雑。
史上最大のコンサートだったグレイのが20万人のもの。
1999年7月31日に幕張メッセで実施されたが、そのとき会場が700m×264mだそうだ。
大規模なコンサートは騒音の苦情が来ることも多いが、
ここは飛行場なので戦闘機並の音を出さない限りOK。
また警備の点でも自衛隊の基地なので安心。
(グレイのコンサートでは警備に1.1万人が動員された)
ということは大規模なコンサートの会場として飛行場は最適では?
地上展示の航空機。
まだ空いているのでなんとか撮影できるが、
これがすぐに大混雑になって撮影できなくなってしまうため、
最初に撮影をしておくのがコツである。
でも逆光なんだよな。
機内展示のF-15。
機内展示の航空機。
C-1輸送機、CH-47輸送ヘリ、T-4練習機、F-15戦闘機の4機が展示されている。
特に輸送機とヘリは内部にも入れるので面白い。
CH-47輸送ヘリの内部。
民間機と雰囲気がまったく違って面白い。
操縦席。
当然ツインエンジンなので、エンジンの回転計など計器類は2セットある。
超過禁止速度は172KIASと結構速い。
速度計拡大
飛行展示を行うU-125。
エンジンがかなり静かなのが印象的。
その後は600km/h(320KIAS、Mach0.48)での高速低空飛行を披露。
まだまだ現役のYS-11。
飛行展示を行うT-4。
推力は小さいので音量はB737などよりも小さい感じ。
800km/h(430KIAS、Mach0.65)での高速低空飛行を披露して迫力満点。
なお、(民間旅客機のなかで)高速で評判とのB747-400では、最高速度370KIAS。
高空ではMach0.89まで出せるといっても、空気が濃い低空では680km/hまでだ。
その点430KIASまで出せるのはさすがといったところ。
編隊飛行を行うC-1。
このあと輸送機らしくない高機動を見せてなかなか面白かった。
軽々と垂直バンクターンで旋回したり、200km/hの低速飛行デモを行った。
(よく見るとフラップを降ろしているのがわかる)
これだけデカイ飛行機が低速で飛んでいるのも結構きもい。
垂直バンクターンは旅客機やセスナ172でもできるけどな。
着陸してくる。
こっちは機内展示のほう。
早速並んでみる。
C-1輸送機の内部。
コックピットはこんな感じ。
速度計拡大。
107KIASのところにマーカーがあり、これが失速速度か?
だとすればさっきの200km/hの低速飛行は、本当にギリギリということになるが・・。
最高速度は340KIAS。
B737と同じくらいで、B747よりは遅いということになる。
この速度計はマッハ数も表示できるタイプ。
ただしマッハ数は高度によって変わるので指示目盛りが回転するようになっている。
おそらくこのマッハ数目盛りにも赤いマーカーで上限速度が示してあるはず。
操縦席上部パネル。
こんなん。
うむ。
こっちは陸自のヘリだ。
U-125と一緒に飛ぶと、回転翼機は遅いというイメージもあってなかなか意外な感じ。
荷物の吊り上げデモを行うCH-47。
ふらふら荷物がゆれるのは観客の人気も高かったが、山ヤならおなじみの光景である。
でも、CH-47なら最大で11トンくらいの吊り上げが可能で、
これなら山小屋への荷揚げもかなり便利そうだ・・・と思ったら、
高度3000mでの吊り上げ能力は、中身がカラでも4トン以下になるようで、
やっぱり僅か1.1トンの機体重量で、
高度3000mで1トンの吊り上げ能力があるSA315Bが凄すぎるんだよな。
大混雑で写真を撮るのも一苦労。
F-15
1mくらいの台に乗ると見晴らしがよい。
滑走路もよく見える。
うむ。
F15の操縦席。
これを見る行列は3時間待ちだった。
まあ行列に待機中も上空は開けているので快適に撮影できるのでOK。
計器類。
速度計は135KIASのところに赤印があるが、おそらく失速速度か。
上限は不明だが、目盛りは1000KIASまで(予備の速度計には800KIASまで)あるが・・・。
兵装の状況によって最高速度は異なるが、ネットの話だと750KIASという情報もあって、
たしかに目盛りが800までなのであれば妥当なところである。
750KIASだと海面高度ではMach1.1前後で、低空でも一応音速は超えることができる。
Gメーターは+7G〜-3Gまでの範囲のよう。
こちらも兵装によってかなり異なるらしくアテにならない。
以前に乗ったグライダーでも+6.5G〜-4.0Gだったが、
たぶんフル兵装だとここまでいかないはず。
3時間も並んでるあいだにエプロンはコミケ並みの混雑に。
ブルーインパルス。
これを見るために来る人が多く、エプロンの混雑はMAXになる。
混雑の感じはコミケ1日目といった感じ。
コミケで鍛えられた人なら快適に楽しめると思うが、
親子連れにはちょっと子供がかわいそうなレベルだ。
すばらしいアクロバット飛行の数々。
背面飛行で交差するのはまるで映画トップガンのよう。
432mm相当のレンズだが、こういう動きが速い被写体だとフレーム内に捉えるのが大変だ。
EVFがついてるのでまだマシだが、背面液晶でやってみるとさっぱりダメだった。
F3.3と明るいのでシャッター速度はISO80でも1/1000秒以上出る。
ブレによる失敗写真はほとんどなかった。
その後はハイレートで上昇していく。
引き起こしのときには最大で6Gだとか。
濃い青の秋空に白いスモークが映えるのが美しい。
ストライクウィッチーズのマークかと思った。最初。
最後の〆の演技は「ローリング・コンバット・ピッチ」、略してロリコンだとか。
(公式の解説にもこの略称で載ってるとか)
スモークは完全に中央から出ているわけではなく、少し偏ってるんだな。
スモークは後方乱気流に巻き込まれるため、
自機の位置よりやや下方向に移動しつつ拡散していく。
約30分の演技を終えて帰還する。
ブルーインパルスが解散すると、次々に人が帰る為、出口の混雑が最高になる。
とはいえ、このあとは地上展示してある飛行機が次々に帰投するため、
様々な飛行機の離陸が見れて非常に面白い。
人も少なくなってくるので、むしろこれが一番良いと評する人もいるほど。
とりあえずヘリ部隊が帰っていく。
真後ろから見ると結構排気が黒いのね。
F-2戦闘機も帰っていく。
さすがに7トン以上の大推力エンジンは音が大きく、
今回の中では一番歓声があがったかも。
とはいえ、入間は一応地元との協定で戦闘機の運用はできないことになっているため、
特にサービス飛行をすることなく、騒音軽減のためにA/Bを焚かずに、
離陸後はハイレート気味に速やかに高高度に飛んでいった。
同じ推力でも、民間旅客機の高バイパス比ターボファンと違って流速が高いのでうるさい。
大雑把に言えば、M0.8のB737に対しM2.0のF-2では、2.5倍速の流速があると思われ、
2.5倍速だと(6乗比例の場合)250倍の音量となり、24デシベルもうるさいことになる。
その後はブルーインパルスも帰っていく。
これから仙台の松島基地に帰るので遠くて大変だ。
とはいえ巡航速度で25分といったところだろう。
離陸のあとは一度スモークを焚いてローパスしていくなどサービスもGOOD。
このあとラダーで360度水平ターン。
やっとまともに撮影できる人数になってきたな。
少し暗いのが難点。
だいぶ夕暮れの雰囲気になってきた。
帰りは最寄り駅の稲荷山公園駅が超絶に混雑しているため、
2kmほど離れた狭山市駅まで歩いて行く。
こちらはランウェイエンドを通ったりでそんなに悪くない。
というわけで夕暮れの中を電車で帰る。
(ダイナミックレンジ16倍)
以上、無事に帰還。
参考
航空機から撮影した入間基地(写真左上)。
30nmほど離れた場所から撮影しているために少し画質が悪い。
(C)Microsoft
フライト・シミュレータによる入間基地。
2000mの滑走路は必要にして十分。
すぐ近くには立川飛行場と横田基地が見える。
航空機から撮影した入間・立川・横田。
結構近い距離に3つの飛行場が近接しているのがわかる。