旅行記



2010/09 木曽駒ヶ岳

木曾駒ヶ岳は、中央アルプスの最高峰の2,956mの山である。
通年運行のロープウェイにより2,612mまでアクセスできるため、
非常に登山は容易である。
そのため、テント泊には適するだろうということで、1泊2日の幕営で行くこととした。

テント場までは、ロープウェイ駅からコースタイムで1時間25分のため、
かなりのボッカが可能である。
テントは冬季用+3人用のかなり巨大なもの、
寝袋もマイナス16℃対応のかなり暖かいものを用意した。
友人もテントを持参するので1人1テント、一国一城の主状態である。
もし物資が限られるなら、2人で2人用テントを使うなどの対応になる。
こうすればボッカ量は半分程度になるが、1時間25分なら頑張る価値はある。
そのため、食料・燃料・調理器具も持参。
水は小屋から得られることがわかっていたため、飲料用の最低限の量(1L)とした。
しかしこれでも推定15kgに達し、非常に巨大&重い。
日本のあらゆるところに家を輸送できる装備が詰まっているわけで、
そりゃ重いのも当然であるが・・・。

ザック70Lにほぼ満載(おそらく65L程度を占有)のため、
これにアイゼン+ピッケル+防寒着を追加するのはかなり厳しそう。
ということは冬のテント泊はどうすりゃいいんだ。
仮に冬季に宝剣岳直下に幕営するとしたら、
ホテル千畳敷から2回に分けて荷揚げするか。
外付けで20L程度のサブザックをくっつけるのは不可能ではない。




珍しく朝発のため、始発電車で長野を目指す。
長野からは松本周りで塩尻・岡谷と乗り換えて駒ヶ根駅へ向かう。




長野からはワイドビューしなので塩尻まで。



塩尻。

ダイナミックレンジ±2EV(16倍)



乗り換えて駒ヶ根まで到着。



駒ヶ根駅からはバスで。



駒ヶ根駅からはバスでロープウェイの麓駅となるしらび平(標高1660m)を目指すが、
バスも大混雑で、さらにロープウェイは1時間半待ちという有様。
9月でこれだから、紅葉のシーズン(10月前半)はどんなことになるのか。
どうやらネットの報告だと3〜4時間待ちもあるようだ。
なんという地獄絵図。
冬の場合、60分ヘッドに大幅減便される(夏は9分ヘッドの運転)が、
待ち時間はなしで乗ることができ、61人乗りゴンドラに数人という状態。
人の数が冬とは2桁は違うのでびっくりである。
待ちにおいて唯一の救いは、標高1660mあり下界よりはやや涼しいこと。
しかしそれでも日差しの下で待つのは辛いので日陰でぐったり。



長野県警のヘリが哨戒飛行を行っていた。
もし緊急事態になったときは、県内全域に対して30分以内に駆けつけることができ、
常時飛行しているということであれば、
戦闘機のスクランブル体制(発進まで5分を要する)よりも強固である。



とにかく1時間半待って千畳敷へ上がる。
あまりに荷物がでかいため、荷物料金200円を取られる。
一応10kg以上なら必要なので、さすがに文句は言えないレベル。



さすがに上は涼しいなぁ、といいたいところであるが、これでも暑い。




冬の千畳敷も美しいが、夏の千畳敷もカラフルで綺麗である。
宝剣岳は冬のほうが神々しさがあって良いような気もするが。




綺麗だ。



浄土乗越まで上がると頂上台地に出て、あとは基本的には平坦だ。
これだけ広い平坦な場所は、
この高さでだとこの木曽駒ヶ岳(2900m)や、御嶽山(2900m)くらいにしかない。
避暑には最適な日本最高所の高原というわけだ。



宝剣山荘ヘリポート。



さっそくテント場に到着。
ロープウェイ駅から1時間だ。
行程だけならば、ちょっと山奥にあるキャンプ場みたいなもんだ。
だからファミリーキャンパーも多いし、
ベースキャンプで使うような巨大テントが設営されてたりする。
あの巨大テント、4kgくらいあってボッカは大変だろうなあ。
でも4kgで4人用テント(1kg/人)なら、
1人1テント(1.7kg/人)の我々のほうがボッカは頑張っている計算になる。



受付を済ませ、幕営する。
標高2,850mの別荘だ。


テント料金は600円。素泊まり5,500円だからかなり安い。
ロープウェイの荷物料金(往復400円)を考慮しても、4,500円安くなっているわけで、
とりあえず4,500円は、テントの減価償却費に計上することとした。
実はこのテントは、山で使ったのは初めてである。
登山口での幕営なら、5,000円のオートキャンプ用テントでも十分なので、
高価な山岳用テント代は実は全然償却できてなかったりする。




たまにはノートPCも山頂に持っていかないとな。
Bモバイルは山頂でもFOMAさえ繋がれば使用可能。
山頂からネットができるのはマジですごい。



さてテントへ戻る。
マイナス16℃対応の寝袋はふかふか超あったかい。
あまりにふかふかのため、温度に余裕があるときにはマットが不要だ。
おかげでマットの重さ(400g)を差し引けば実質1.7kgの寝袋だ。
まあそれでも重いけどな。
テント内は200cm×150cmの広さなので散らかし放題。
3人用を1人で使うのはかなり贅沢である。(重いけど)

とはいえ完全にマット無しというのも辛いため、
普段避難小屋山行で使っている200cm×100cm×1mm厚のマットを使用。
幅100cmもあれば何回寝返り打ってもOK。
よくあるマットは幅50cmくらいで寝返り1発ではみ出してしまい、
大変寝心地が悪いのでこれは助かる。



夕食にする。
これは、フリーズドライでお手軽だが、1食400円もするのが難点。
これじゃサイゼリヤのパスタと値段が変わらん。
まあ山の上でこれを食おうとしたら2倍は掛かるだろうけど。



山小屋は南アルプス標準仕様といった趣。
アクセスが優れることもあり、幕営のほうがよさそうだ。
部屋は8畳程度の個室が主体なので、閑散期に大パーティならば個室対応になりそう。




18時半就寝、5時起床。
途中で1回起きてトイレに行ったが、
暗いなか、たくさんのテントがあると自分のテントがどれかわからなりそう。



翌朝起きると超快晴。




朝飯。



微速度撮影をセット。



下界には雲が張り付いているが、山の上は快晴である。
八ヶ岳と甲斐駒ヶ岳のあいだから日の出が出てくる。



HDRで撮影するとなかなかプロジェクトXのOPみたいな感じ。



風もなく非常に快適。
どうも普段は風が強い場所のようで、たしかに石積みなどがある。
テントそのものは1気圧下で20m/sまで耐えられる設計ではあるが、
快適かどうかはまた別の話なので、風はないにこしたことはない。
しかし20m/sまで耐えられるのはすごい。
オートキャンプ用のテントなんか、5m/sで飛んでいってしまいそうになるのだが。


ダイナミックレンジ±2EV(16倍)




反対側には中央アルプスの影ができる。



朝飯だ。


太陽が上がると早速暑くなってくる。






1等三角点もあり豪華である。
冬に来たときには全て埋没しており何がなんだかな状態だったし。




まぶしい。



なかなか良い眺め。




先週行った御嶽山。とおかったなあ。






だんだんテントが撤収されて少なくなってきた。



頂上直下には頂上木曽小屋がある。
屋根に大きく書いてあるのは、間違える人が多いからだろうな。
ヘリで荷揚げのときにも間違え防止になりそうで良い感じ。
ヘリポート名は「KISOKOMA CHOUJOU」?




頂上木曾小屋までいくと、さらに下にある小屋が見える。



さて今度は宝剣岳へ。




宝剣岳は下から見るとかなり高くとんがっているように見えるが、
頂上台地から見ると高さは相対的には50m程度で、ちょっとした岩場といった感じ。
山と高原地図では点線ルートになっているが、この程度なら全然行けそうだ。

頂上直下には鎖場があり、これだけはちょっと険しい感じだ。
これで鎖無しだったら点線ルートだろうが、この程度であれば実線ルートである、
「剱岳の別山尾根」「槍の穂先」「穂高岳山荘〜奥穂高」「前穂高の吊尾根」
あたりのほうが怖いような気がするが、どうだろう。




頂上にある祠。アイゼンで踏まれた跡がありかなりバチ当たりである。



千畳敷って川が流れてるんだな。
豊富な高山植物といい、まさに雲上の楽園の如し。
(しかし大混雑だけはどうにもならん)



ロープウェイも大混雑。



2軒の山小屋が。



山頂にある最高地点にある岩は、登るのはともかく降りるのは怖い。
「5.10」と書いてるクライミングシューズを履いたおばちゃんが、
危ないからやめとこう、と言ってたくらいだからやめといたほうが無難か。




宝剣岳の山頂はとんがっているだけあって抜群の眺め。
眼下には千畳敷を一望。





さて戻るかね。




青空が綺麗。



上りのロープウェイが到着して続々と観光客が登ってくる。



千畳敷からはさきほどの宝剣岳が守護神のようにそびえる。



ロープウェイで下山するが、
さすがに朝9時では待ち時間なしで乗れた。
しかし片道7分半掛かるのに、9分ヘッドで運行されてるんだから凄い。
こんだけ頑張ってるんであれば多少の待ち時間も待つ気になる。



帰りは駒ヶ根→岡谷→塩尻→松本→長野新幹線と経由して帰還。

ダイナミックレンジ±2EV(16倍)



下界は暑い。

ダイナミックレンジ±2EV(16倍)


夏の空はHDRが似合う。

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次々に乗換があり面倒だが、
乗り換えた先でも次々に爆睡してあっというまに自宅まで帰還。
しかしテントだと巨大装備を電車で運ぶのは気が重い。

ダイナミックレンジ±2EV(16倍)


参考


航空機からの中央アルプス。
1本の稜線が南北に連なるため、下界の眺めは非常によい。


ちなみに冬の千畳敷はこんな感じになる。
いや、これは11月だから晩秋くらいの感じだけどな。



厳冬期は冬型により毎日晴れるが晴天下の猛烈な地吹雪になるようだ。
晴天なのでこんな紺色の空が望めるが、吹雪は大変だ。