旅行記
2010/08 谷川岳
谷川岳は、群馬県と新潟県の県境に位置する1,977mの山で、
直下を5本のトンネルが貫いている交通の要衝の山である。
去年の3月に行ったことはあるものの、
このときはバリバリの冬山であり状況がよく分からなかったこと、
頂上には避難小屋があり宿泊に非常に適するということで、
あえて1泊の行程で行ってみた。
ロープウェイ+リフトでかなりズルをする。
まぁ使えるものは使うという方針なのだが、リフト片道400円は結構高い。
ちょっと使おうかどうか迷ったのだが、後述の神社を見たかったのでGO。
ロープウェイ往復2000円は、その標高差を考えれば妥当なところ。
でも乗車待ちに1時間とかは勘弁してほしいところだ。
ちなみにこのときは約15分で乗車できた。
リフトで上がった先にある天神峠には、神社もある。
前回冬に行ったときには、天神平〜天神峠一帯はスキー場になっており、
滑走用具を持ってないと立入できなかったため、
この神社にも行けなかったのである。
このくらいだったら楽勝と思いきや、
自炊用具や水も持っているので背中が重い。
水は足りなくなると大変なので調理用水も含めて2.5Lを持参。
途中にある避難小屋。
収容は10人ほどだが、実際には休憩所として利用されている。
なかなか眺めが良い。
反対側は雲が出まくっている。
「肩の小屋」は正式名「谷川岳肩避難小屋」といい、分類上は避難小屋だ。
しかし、2003年に増築されてからは、
群馬県の山岳警備隊OBの管理人が常駐し、食事の提供まで行っている。
管理協力費2,000円だが、寝具+1,300円、2食付+3,500円である。
寝具と食事をつければ、実際はほとんど営業小屋と同じ感覚で宿泊できる。
避難小屋なので食事の提供は積極的には行っておらず、
3500円と高めの値段が設定されていることからも、自炊推奨なのであろう。
今回は、寝具は持っていくのが大変なため、寝具付きで宿泊とした。
オキの耳。
ガスっているとこちらのほうが高いことに気付かずに下山してしまう人も。
下はとんでもない絶壁である。
谷川岳はこれまで781人以上の死者を出しており、これは日本一である。
(ちなみに2位は御巣鷹山の520人)
とはいえ、夏の一般ルートなら危険はほぼない。
高山植物が咲く。
ってかマクロ撮影ってピントとの戦いなんだな。
拡大すると画面内でのブレがかなり大きいので、かなり明るくないと辛い。
まぁ高山植物を撮影するときはだいだい明るいのでOKなんだがな。
左はトマの耳。
ロープウェイから見て手前(TEMAE)にあるのがトマ(TOMA)の耳、
奥(OKU)にあるのがオキ(OKI)の耳、と覚えるらしい。
このへん一帯は非常に厳しい気候により1500m程度で森林限界となり、
一面の笹原が広がる不思議な光景となる。
避難小屋もたくさんあり、避難小屋マニアにはたまらない山域である。
次は丹後山の丹後山避難小屋に行こうかと計画中。
そこは利根川源流地点の碑があり、
そこから標高で100mも下ると「利根川の最初の一滴」となる、
万年雪である「三角雪渓」が見れるとの噂。
実がこれがわかったのは戦後なんだってさ。
有名なケルン
HDR撮影をすると曇り空は非常にダイナミックになる。
このときは6人の宿泊者だったが、僕以外の全員が食事付きだった。
谷川岳は日帰りで余裕の行程なので、
宿泊する人は少なく、お盆の最盛期でも定員40人に対して6人と、
かなり余裕の構成であった。
それでも紅葉の時期にはそれなりに入れ込むようであるが、
基本的には空いていてかなり快適であるとのこと。
部屋は細かく分かれているので、1部屋貸切状態で非常に快適だった。
3人くらいのパーティで空いてるときなら問題なく貸切になりそう。
食堂。
稜線で風が加速されて低圧部に雲を生じている。
なかなか幻想的な光景。
微速度撮影をするとかなり面白そうな感じ。
僕のカメラでは10枚まで(AEBを設定すると30枚まで)の連写ができるので、
とりあえずやってみたが30枚程度ではなんとも微妙な感じ。
それでもパラパラ漫画みたいに見ると結構面白い。
こちらは手前のトマの耳。
地面に固定されておらず成果不能。
夕食にする。
山頂の小屋なので水は大変貴重である。
ちなみに小屋で提供の食事はちらっと覗いたところハンバーグ定食だった。
避難小屋の食事なのに富士山の山小屋の食事より良いぞ。
17時に就寝、途中何回か起きたものの、翌日7時まで熟睡。
ガスっていて結局日没日の出は見れなかった。
翌朝は視界は良いが、小雨がパラついていた。
とっとと戻ることにする。
水上駅。
ダイナミックレンジ16倍(±2EV)
ちょうど、1日数本しかない水上⇒長岡行きの普通列車があったので、
18キッパー達が忙しそうに乗り換えていった。
僕もむかしよくやったもんである。
ちょうどこの区間だけが本数が少なくて下手すると4時間待ちとかになる。
なのでしょうがなく新幹線を使ったことも。
しかも高崎⇒越後湯沢だと高い運賃料金を取られるので、
上越線の後閑駅から新幹線の上毛高原駅まで歩いていったこともある。
これだと新幹線を使うのは1駅分だけで済むが、3kmは歩くことに。
で、後閑駅からトボトボ歩いているときに、
通学中であろう小学生に「なにこの人!」と言われた記憶が。
そんなに変な格好だったか?(当時中学生だった)
以降、無事に帰還。
この谷川岳肩避難小屋は、避難小屋としては破格に良い環境で、
宿泊費用も営業小屋ほどは掛からず、大変おすすめである。