旅行記
2010/07 富士山
登山経験無しの友人が、ぜひ富士山に登りたいということで、行ってきた。
僕が富士山に登る場合は、日帰りで高速登山・高速下山なので、
02時 5合目出発
05時 8合目で御来光
06時 吉田口頂上
08時 剣ヶ峰
09時 吉田口頂上
11時 5合目に到着
みたいなスケジュールになるが、通常のコースタイムを考えると
登り6時間下り3時間は要するだろうということで、
山小屋に宿泊せざるを得ない。
しかし山小屋に宿泊すると一般的なスケジュールにバッティングするので、
特に土日の場合は大混雑&大渋滞することとなる。
友人は社会人をやってるので(大変だな)、土日に行かざるを得ない。
脚力さえあれば、混雑を避けるようなスケジュールで楽勝で登れるのだが、
普通のスケジュールで普通の人が登ると、
大混雑&大渋滞となり、ただでさえ大変なのにさらに大変である。
想定されるスケジュールは以下のとおり。
13時 5合目出発
16時 7合目到着
21時 7合目出発
05時 頂上到着・御来光
07時 剣ヶ峰
09時 頂上から下山開始
12時 5合目へ到着
信じがたいことだが、土曜の夜は翌朝のご来光を頂上で見ようと、
いっせいに山小屋から人が出てくるために大渋滞となる。
7合目からだと、21時に出発しないと間に合わないのである。
要するに徹夜登山と殆ど変わらないわけだ。
しかし、渋滞を避ける方法も実は存在する。
下山道を逆走するのである。
下山道は「下山専用道」ではなく、明確に登るのが禁止ではない。
ではなぜ下山道を登る奴がいないかというと、
砂利道でかなり登りにくく「1歩進んで半歩戻る」状態になりやすい。
なので普通は下山道を登るやつなんか居ないのである。
しかし脚力にさえ自信があれば、渋滞にハマるよりも高速だ。
というわけで事情を知っているツアーであれば、
渋滞時には下山道を逆走する場合もあるようだ。
というわけで、想定スケジュールはこうなる。
13時 5合目出発
16時 7合目到着
23時 7合目出発
05時 頂上到着・御来光
07時 剣ヶ峰
09時 頂上から下山開始
12時 5合目へ到着
それでもほとんど徹夜になるが、23時出発であれば、
2時間程度の睡眠時間は確保できることとなる。
本当はトレランすれば5合目で充分寝てから余裕で往復できるのだが・・・。
僕が朝方スタートして6時に頂上に到着できるように登っていると、
8〜9合目あたりで路肩でヘバっている観光客の人を大量に見る。
「なんでこんなにヘバってるんだ根性ねーな」とか思ってたが、
これは実は徹夜で登っているからなんだな。
さすがに徹夜で登るのは、脚力うんぬんは関係なく、
単に「徹夜に強いかどうか」だけが問題。
僕なんか寝ないとすぐに体調悪くなるので、
徹夜で登ったら間違いなくダウンである。根性もないし。
でも、徹夜して登っているのに、
(徹夜したことでヘバって)朝出発した人に追い付かれるのであれば、
わざわざ徹夜した意味がないような気もするが・・・。

超混雑の5合目

説明を受けてスタート。
さすがにガイド氏はプロであるため、かなり経験豊富な感じ。

大渋滞の登山道。
標高2740mの山小屋に到着するまでに、
通常2時間のところを3時間を要して到着する。(僕なら1時間10分)
はっきりいってかなり疲れる。
こんなんじゃ初日から脱落する人が居るのもわかるな。

渋滞のなか、小屋に到着。
内部は意外と綺麗。

数少ないパブリックスペースは、食堂となるため夕方以降は使用できなくなる。

夕食。
ちなみにおかわりは不可のため、大食いの人は間違いなく足りない。
というか僕でも足りなかった。
お茶も1杯のみのため、汗かきの人は十分な水の持参が必要。

山小屋は大混雑である。
しかも4時間程度の休憩のために9000円取られるのはちょっと。
とはいえ、山小屋からすれば1人分のスペースを占用するのは同じなので、
やっぱりしょうがないのであるが・・・。
ちなみに21時くらいにはみんな出発してしまい、かなり人が少なくなる。
21時まではうるさくて眠れなかったが、21時以降は寝ることができた。
意外と環境は悪くなく、3人で2畳ほどのスペースだったし、
布団も評判ほど汚れていなかった。
しかし、パブリックスペースがなく、もう本当に休むだけという感じ。
チェックイン後や夕食後にまったりできるスペースは皆無で、とにかく寝るしかない。

夜23時出発。

徹夜登山なので、登頂の可否は
「脚力のあるなし」ではなく「徹夜ができるかどうか」に賭かっている。
もちろん、日常生活を問題なく送れる程度の脚力は必要だが、
60歳以下の人であれば95%は問題ないと思う。
しかし、「徹夜ができる」という人は、年齢が上がるに従ってかなり減ると思う。
20代の僕も徹夜で歩くのは不可能だ。
だから富士山の登頂率は意外と低くて7割なのである。
「富士山程度を3割も登れない人が居るのか、
そんなんじゃ東京の地下鉄を使いこなすのも大変苦労するだろう」、
と思っていたのだが、
そりゃ徹夜なんじゃむしろ7割も登れるのがむしろ凄い。
僕も登れない3割に入っちゃうかもしれない。
だから、一度敗退している人は、わざわざ徹夜なんかしないで、
8合目で日の出となるくらいのスケジュールを組めば、
登山道渋滞にハマって4時間ロスもなくなるし、万全の体調で登ることができる。
バスツアーだとほぼ全てが徹夜のプランになるので、
ツアーは絶対におすすめできないという結論だ。
もちろん頂上でご来光を見たいというのは分かるのだが、
徹夜で登ったとしても渋滞してたり体調によっては、
8〜9合目くらいで御来光になるので、結局は同じことである。
むしろ「頂上へ行くこと」を最優先するのであれば、
上記のように時間差での登山をおすすめしたい。
だから「徹夜ができない人向け」のツアーがあれば良いのだが、どうですかねえ。

標高3200m以上では、かなり出力がダウンして遅くなる。
というか僕も寝不足でかなり調子が悪い。
友人2人のうち、
1人はマラソンが趣味なので脚力は僕よりもずっとあるが
もう1人は慢性的に運動不足だそうでかなり辛そうなかんじ。
ちなみに今年は既に70才男性が死亡している。
夜23時に山小屋を出発して、
徹夜で登山中に深夜2時に8合目で倒れたとのこと。
そりゃ徹夜じゃ辛いわなあ。
死因は心臓死とのことである。
徹夜でフラフラになりながら登るのが富士登山だと思うのは間違っている。
これじゃぁたしかに「富士山に2度登る馬鹿」というのもわかる。
(僕は8回登ってるのでかなり馬鹿ものかも)
本当は日帰りでお手軽にいけるものだと思うのだが。
これじゃ「もう登山は絶対に嫌だ」となってしまう可能性も。
本当は登山はこんな辛いものじゃないはずなんだけど。
山小屋の場所の設定にも問題がある。
「1泊2日の行程で標高差1400m」ということであれば、
かなり余裕を持ったとしても1日目で頂上に行き、
たっぷり寝て2日目の朝に日の出を拝んだ後、余裕を持って下山できるはず。
たとえば白馬岳なんて標高差1700mあるが多くの人がこの行程だ。
しかし、小屋が7〜8合目なので徹夜の登山になってしまうんだな。
だから、できれば頂上の小屋に泊まるのが得策のように思える。
1日で1500mを登りきるのが辛い場合だけ、8合目に宿泊すればよい。

下山道もそれなりに登る人がいるが、
車幅3mのブルドーザが通れるように整備された下山道は幅員も広く、
多少の人ではまったく渋滞しない。
勾配も一定であり階段もなく、ボトルネックになりそうな箇所はなし。
これならかなりの交通容量がありそうな感じ。
というかオフロードバイクや10式戦車なら充分通れると思う。

大渋滞の登山道。
登山道渋滞にハマって9合目で日の出となったということだな。
これだと5合目でたっぷり寝て深夜2時スタートとあんまり変わらない。
それじゃぁ何のために辛い思いをして徹夜したのだか・・(涙)

太陽の周りに光芒が出現。

頂上は大混雑

ここはコミケではありません。

テント村が出現している。
富士山の山頂は国立公園内であるため、基本的には幕営禁止だ。
しかし緊急避難における幕営は認められているため、
「山小屋が満室」かつ「偶然、避難用にテントを持っていた」
という条件であれば幕営が可能である。
(通称「闇テン」)
山小屋は土日であれば満室なので、とりあえずテントさえ持っていけばOK。
かなり環境が悪い山小屋に泊まるくらいなら、
たしかにテント持参で幕営したほうがよっぽど快適であろう。
暗黙の了解として、浅間大社奥宮のすぐ東側が幕営指定地となっている。
ここは窪地となっており風が避けられる。
あとは御殿場口頂上付近には岩場があるので、このへんでツェルトを張る人も多い。
徹夜で登山するくらいだったら、ツェルトで寝るほうが余程快適だ。
ツェルトは間違いなく緊急避難と考えられるため、
お咎めを受けることはまずないと思われるし。
なお、山小屋は夕方以降になると、入り口を施錠してしまい、
空室があってもチェックインできないなど、かなりお役所仕事だったりする。
こうなると山頂で本当にビバークするしかなくなる。
山小屋が緊急避難所としての役割をまったく果たしてないので、
個人的には公営で避難小屋が必要であるように思う。

剣が峰も大渋滞。

頂上で飯にする。

頂上の山小屋の物価は、おおむね北アルプスの山小屋よりも少し高い。
北アルプスの山小屋は輸送にヘリを使っており、
通常、東邦航空のSA315Bが輸送に使われるが、
これは標高2000〜3000mでも800kg〜1000kgの荷揚げ能力がある。
ヘリポートからの往復で15分とすれば、
飛行そのものや着陸料などで、1回飛ばすのに50万円という話もある。
だとすれば、1000kgで50万円であれば、500円/kgとなる。
SA315Bが使えない場合、かなり大型のヘリを使うか、回数を多くするしかなく、
更に費用はかさむものと思われる。
荷揚げのブルドーザも1トン〜5トン程度の輸送力があるが、
このブルドーザ輸送1回で100万円掛かるとはとても思えない。
かなり高めに見積もって50万円だったとしても100円/kgとなって、
ペットボトルは300円程度で販売しても赤字にはならないと思う。
実際、ブルドーザで2時間かかる富士山頂よりも、
かなり多くの手間が掛かっているはずの小笠原諸島の物価は、
下界とそうは変わらない。
小笠原諸島は生活必需品は補助金も入っているが、
そうじゃないものについても、そんなにめちゃくちゃ高いわけじゃないし。

陸上自衛隊。

やっと渋滞が解消されてきたようだ。

超混雑の5合目。
混雑とともに行動するスケジュールなので、いつでもどこでも超混雑である。
この後は、中央道の小仏トンネルを先頭とする30km3時間の渋滞があるため、
ツアーバスから離脱し、河口湖駅から「ホリデー快速大宮行き」に乗り、埼玉まで戻る。
以上、無事に帰還。
なんだかんだで文句ばっかり書いたが、
登山経験なしの友人が無事に山頂に到達できたので、総合的には大変満足。
お疲れ様でした。
富士山(トレラン)
というわけでツアーで行ったときには走れず、
体力的には不満足な結果になったので、走ってきました。

お盆が近いこともあり、平日とはいえ吉田ルートは大混雑の様子である。
夜22時の時点で、登山道に登山者の明りが連なっているのが確認できた。
これらは、5合目を19時にスタート、あるいは7合目を21時スタートで、
徹夜で山頂を目指す登山者が行列となっていることを示している。
僕には徹夜で歩く体力なんかないので、
8合目くらいで日の出となる時間のスタート(朝3時)を考えたが、
前回富士山行ったときには、御来光行列が8合目まで続いており、
仮に8合目で日の出となるように行くと、
前夜から徹夜で登っている人の渋滞の最後尾に追い付くため、
日の出後は渋滞にくっついていくことになり最悪である。
日の出後は頂上でご来光を見た組が次々に下山してくるため、
下山道を逆走する方法は、日の出前でないとダメである。

というわけで、6合目で日の出となるよう、朝4時20分スタートである。

そろそろ日の出。
たしかに頂上で見る日の出とは異なるが・・・。

6合目なのでかなり下なんだけどな。

日の出だ。
何度見ても美しい。

渋滞解消の中をどんどん登る。

先週泊まった山小屋だ。
ツアーだとここまで3時間以上を要したが、ここまで1時間10分。

太陽が高くなってきた。
このPowershotS90は絞りが6枚羽根なので、6本の光芒が出る。
普通、デジイチのレンズだと奇数枚数が普通なんだよな。
まぁこれはこれでカッコいいので悪くない。

眼下には無限つづら折りの道。
気温が上がってきて暑い。やっぱり高速登山は暗いうちじゃないとだめか。

しかし、7合目〜8合目は少し渋滞している。
登山道が山小屋の前を通る謎な構造になっているのが原因。
夜だと徹夜の登山者が次々に通り、うるさいため、
小屋のあんちゃんが「うるせー!静かにしろ!!」と怒鳴るのもよくある光景であるが、
そもそもこんな構造になっているからである。
小屋の横を登山道がスルーする構造にすれば、
「うるさい」と怒鳴る必要も無く、渋滞も解消されるのだが・・・。

軽快にまだまだ登る。

頂上である。
5合目から頂上までは3時間20分。
標高差ベースでは470m/hである。
(吉田ルートは、5合目からすぐに下りがあるので、登り部分の標高差と時間である)

今年4回目のこの神社。

お鉢を回る。
これも慣れれば1周25分くらいなんだとか。

剣が峰の渋滞もほぼ解消か。

頂上にわずかに残る雪渓の雪解け水が、頂上の山小屋の水になっているようだ。

さて下山開始。

5合目のすぐ手前にある最低地点。
ここからは5合目に向かって登っていくことになる。
ここまでは、標高差1460mを55分で降下したから、毎時1600mの降下率であった。
これは毎秒44cmである。
毎秒44cmを総重量65kgが下ると、280Wの位置エネルギーが解放され続ける。
これを膝で受け止めると間違いなく膝痛になるので、
力を入れて筋肉でエネルギーを吸収するが、今度は内股の筋肉が筋肉痛となった。
ちなみにエスカレータは毎時900mの降下率であるから、
エスカレータの1.8倍速であるので、階段を早足で下るくらいの感じ。
滑りやすい道なので、転倒には注意である。
富士山は下りが鬼門とも言われていて、
膝を痛めたっぽい人がゆっくり下ってたり、道幅一杯にジグザグに下ってたりする。
後ろからこちらが高速接近すると、衝突コースになる場合もあり、
回避義務は速いほうにある(交通の世界の大原則だ)のだが、
こういう滑りやすい道だと急ブレーキ急旋回は大変で、
結局スノボーでターンするときみたくブレーキすると良いことがわかった。

5合目に戻ってくる。
前夜から登っている人が下ってくる時間はまだなので、まだ空いている。
(下りであらかた追い越したのである)
頂上からは1時間5分。
最後の微妙な登りで時間を要し、1時間を切る事はできなかった。
しかし、かなり連続で長時間疾走できたので、なかなか満足。
こういう駆け下る爽快感は、
富士山の吉田ルートみたいな一定勾配の広幅員の道じゃないと味わえない。
以上、無事に帰還。