旅行記



2010/07 利尻岳

利尻島については、2008年5月に行ったことがある。
美しい円錐形を以って聳え立つ利尻岳に是非登りたいと思ったのだが、
5月ではバリバリの雪山であり不可能であった。

今回、7月ということで完全に雪はなく、
また当時と比べてそれなりに技術と装備が向上しているため、
登頂は容易であると思われ、行ってみることにした。

要するにリベンジ登山である。


計画編

北海道というわけで極めて値段が高い。
これを安くするには容易ではないが、
いくつかの山を登ってくることで1山あたりのコストが安くなるため、
見かけの旅費は抑えられる。
ということで、利尻岳に登った後は、
前々から行きたいと思っていた(遭難で有名にもなった)、
トムラウシ山に行こうと思ったのだが、
結論から言うとトムラウシは天気が悪くて登れなかった。

天気が悪いのは、梅雨前線上に急遽低気圧が発生したためであったが、
天気が悪化する可能性があるのは出発前から分かっていたので、
本来であれば中止すべきであったのかもしれないな。
どうしても航空券のキャンセル費用(7000円)が惜しくて・・・、
といった感じであったが、無理に行って結局高くつくのであれば、全く意味がない。
飛行機の眺めも悪いし。
というわけで最初から反省しきりの旅行であったが、
それでも利尻岳はなかなかすばらしかった。

トムラウシもリベンジが必要そうな感じであるが、
これから学校が夏休みの時期に突入し、
航空券の値段が跳ね上がるため、今年については北海道は終了である。
(9月以降も結構混むし)
今後は「標高が高い山小屋に宿泊する」というテーマに方針転換する予定。




いつものように蒲田に前泊して、朝一で羽田空港へ。




梅雨前線が近いということで眺めはあんまりよくないな。




空が青いのは良いけどな。



旭川空港に近づくと、正面に大雪山が雲の上に顔を出していた。



地上は夏まっさかりだ。



旭川空港からは車を貸りて、まずは稚内まで移動する。




高速道路が徐々に延びてきており、結構時間短縮される。



途中から見えた利尻島。



その山頂拡大。
後で知ったが、今日の利尻島は霧雨が降っており、
そのため登山を諦めた人も多かったとか。
雨の中を強引に登ったひとは、低い雲海にびっくりしたそうだ。





途中の道路は非常に眺めがよく、まさに北海道という感じである。




立ち並ぶ風車もなかなか良い感じ。
風車の近くに猛禽類の死骸が・・。バードストライクした予感。




「逃げ水」を拡大撮影するとこんな感じ。



これはツーリングには最高だな。



稚内市に入ったが、稚内までは30kmか。



稚内港からは、フェリーで利尻島に移動する。




なかなか快適なフェリーである。




カモメが船を追いかけてくる。



なかなか良い感じ。



上りの船とすれ違う。



利尻島では混雑期では、
「宿の品位が下がる」という結構酷い理由により登山客の宿泊を認めていないため、
最初から利用する気がなかったので、
登山口にあるキャンプ場まで行き幕営することにする。



キャンプ場には20張くらいのテントがあり非常に賑わっている。
やっぱりその噂は本当だったんだな。




登山道はここからスタート。



やることがないのでとっとと寝ることにしてしまうが、
これが災いして夜23時に目が覚めてしまい寝付けない。
夜空を見上げると満点の星空である。
翌日は天気が悪化傾向にあるというので、
「頂上でご来光で見るか!」と考えて、準備し、23時40分出発。




はっきり言って闇夜で無人の登山道を1人で歩くのは非常に怖いが、
利尻島には熊が居ないので安心である。
そのうちペースが上がって「ゼーゼーハーハー状態」になると
怖いとかそういうことを考える余裕はなくなるので安心。
しかも涼しいのでペースを上げても大丈夫。


眼下には鴛泊の夜景と、利尻空港。
利尻空港は計器着陸に対応(ILSはなくLLZのみ)しており、
夜間でも滑走路灯火は点灯しており、大変力強い感じがする。



今日は月はほぼ新月であることから、月明かりは期待できない。
夜景の明りも微々たるものである。
ヘッドランプが電池切れになったらマジで行動不能になるな。
携帯のバックライトを試してみたが、少し光量不足である。
これが満月なら月夜の下(腋の下ではありません)を快適に歩けるのに。



頂上にある利尻岳神社の祠。
航海安全の御利益があるため、スクリューが御供えされている。
(最初はプロペラだと誤解してなんじゃこりゃと思った)

何故か頂上だけガスの中。
さっきは雲なんか掛かってなかったのに。
騙された!!!?







三角点



かなり明るくなってきたため下山する。




暗い中を登ると、行きと帰りで景色が全く違うため、下りも結構楽しめるな。
ナイトハイクもなかなか面白いかもしれん。
夜12時に出発すれば、コースタイム20時間くらいまでなら日帰りできそうだし。
(錆鉄人かよ)




一応避難小屋もある。
内部は多少汚くて宿泊するのは大変そうだったが、
今日は泊まった人が1人いたようだ。




帰りは下っていくと、6時くらいに最初の登山者とすれ違う。
その後は次々にすれ違い、結局100人は登っているように感じた。




利尻空港



無事に戻ってくる。
日が昇ると急激に暑くなってくる。




朝一のフェリーで稚内に戻る。




ここから、トムラウシ山の登山口に移動する予定であったが、
どうも天気が芳しくない。
低気圧は通過してしまうはずだが、
低気圧の通過後は一時的に西高東低の気圧配置となり、激しい西風が流れ込み、
気象庁の数値計算結果を取得してみると風速14m/sとなっている。
これは、去年トムラウシ山で遭難事故が起こったときと、
教科書の如く全く同じパターンである。
実は多少の雨が降ったくらいでは、しんどいが登山が不可能ではない。
が、強風だけはどうにもならないのである。
これまでの敗退要因でも、ほとんどが強風が原因なのだ。

というわけでパス。
最終便のSKYMARKで羽田に戻ることにする。




さすがに今日利尻岳に登って、当日中に東京に戻るなんて、
なかなかできない技であろう。




夕暮れを飛ぶ



エンジンの前の席なので快適。
ターボファンはあんまりいい音がしないのが難。



霞ヶ浦。




来週開業予定の成田スカイアクセス。
帰りのフライトは、それなりに眺めがあって満足であった。

以上、無事に帰還。