旅行記
2010/06 秋田・岩手
ここのところ関東は天気がぐつつき気味だったので・・・
という流れだと北海道になるもんだと思ったが、
もう5・6月で羽田北海道便に6回も乗っているということもあり、
今回は北東北に行ってみることにした。
北東北にも登り甲斐のある山がいくつもあるので、これらに行ってみたい。
1日目

大宮駅からスタート。
はやての切符を前日にちゃんと「得だ値」で買って少し安くなった。
前日までに買わなきゃいかんのは多少面倒だが、
飛行機の「特割1」みたいなもんと考えれば、悪くないか。
(でもクレジットカードの情報を登録するのはちょっと抵抗がある)
「得だ値」だと10〜30%引きになるので、大宮盛岡で最も安いと1万円くらいになる。
高速バスが8000円なのでかなり良い感じ。

夕暮れの中を疾走する。
防音壁に自車の車内照明が妖しく映る。

盛岡へ到着。
大宮から約2時間。さすがに速すぎわろた。
さて、ここからはレンタカーで鳥海山へ移動である。
距離は200km。所要時間4時間の予定。
登山口で車中泊とする。
車はワゴンR。フルフラットになり車中泊には快適。
もうこの時期では、6℃対応の寝袋でちょうど良いくらいなので、
荷物も多少減っていい感じである。
2日目

6時20分出発だ。
コースタイムは7時間程度なので、早出をするまでもないと思うが、
早めの出発が安全上好ましい。

頂上には傘雲が掛かっており、強風が予想されるため、
半袖1枚ではなく防寒着を1枚追加して持っていく。

いきなり雪渓の登りとなる。
登山道は結局8割くらいは雪渓上で、これでは完全に雪山登山だ。
ピッケルが必要という情報もあったので持ってきたが、
さすがに雪渓は緩んでおり不要だった。

風が弱まったのか、頂上の傘雲が取れた。
よし今のうちに行こう。
ずっと雪渓登りなのでルートがわかりにくい。
目印の竹竿は融雪で全て倒れている。
ガスっているとGPS支援なしではかなり厳しいのでは。
晴れてるならひたすら正面の七高山を目指し登るのみである。

三角点がある七高山。2229m。
最高峰はとなりにある新山2236m。

大物忌神社。
まだ営業開始前なので閑散としている。
夏は宿泊も可能なようで、結構面白そう。
山頂直下とはいえ一応水場もあるようだ。
まぁ8月くらいまでは雪があるからなんとかなりそうな気も。

神社と山小屋が一体化している。

最高地点の新山へは、結構な岩登りとなる。
ネットで有名な、10mくらいの岩の隙間を攀じ登る場所もある。
でも特に危険な箇所はないだろう。

で、山頂だ。
日本海・山形県・秋田県を一望だ。
こういうのは地図の上にいる独特の気分になるな。

なかなか眺めが良い。
心配していた風はほとんどない。
日本海の眺めが美しい。

しばらくまったりとしていると、海上自衛隊のSH-60Jが飛来してきた。
1800馬力×2のハイパワーだけあって、3km離れてもローター音が聞こえてくる。

地元の高校の学校登山があるらしく600人が登ってくるとのこと。
3km離れた御浜小屋を撮影すると、小屋の前にジャージ姿の数十人を確認できる。
SH-60Jは何かを捜索しているというわけでもなく、ぐるぐるとひたすら飛んでいる。
おそらく高校生の様子でも見に来たのだろうか。
まぁ1時間出動しても150万円くらいだろうから、600人であれば1人2500円だしな。
でもそれなら大物忌神社のヘリポートに着陸してしまえば、
その間は毎時150万円が掛からないので良いと思うのだが。
上昇限度20,000ft近い性能があるSH-60Jなら、標高2000mでの離陸も余裕であろう。
海上自衛隊が高所山岳での操縦訓練をしているかどうかは怪しい所だが。

吹浦の街が見える。

登山口が見える。


しばらく待っていると新山のほうに高校生が上がってきた。
おいおい、ピッケル必要なんて話もあったけど、
ジャージに運動靴の高校生でも上がってこれるんだから余裕じゃないか。
完全にピッケルは記念撮影用になってしまった。
(しかも記念撮影にも使ってない)

新山からの下りは、雪渓をスタンディンググリセードで直滑降する。
これだと岩場を通らなくていいので非常に楽チン。
そのまま七高山に登るルートの直下に出ることができる。
朝に登山口を同時に出発した人が上がってきた。
どうも間違えルートに突入したりでここまで4時間掛かったようだ。
(僕はGPSの支援により2時間ちょっとであった)
たしかに道は大変分かりにくい。
前日が雨だったのでトレースは全て消えていたし。

1等三角点「鳥海山」
最高地点の新山には設置できないためか、
地面が安定しているこちらに設置されているのか。
1等 鳥海山
N 39_05_58.2571
E140_03_04.5993
H2229.20

七高山で再び休憩。

秋田県の最高峰は秋田駒ケ岳だが、
秋田県の最高点は鳥海山の山腹にある1775m地点である。
たぶんこのへん。

帰りは雪渓をガンガン下って一気に下山。速い速い。
あんまり激しく着地すると雪渓を割りそうで嫌だ。
その雪渓を過ぎると雪解け水で登山道が川のごとく。

祓川ヒュッテ。
管理協力費1300円の避難小屋である。
避難小屋扱いなのでかなり安いが、
中身はちゃんとした素泊まり専用山小屋といった感じ。

小屋の前には湿原が広がり、かなり良い雰囲気だ。
登山口にあるので、前泊するにはかなりお勧めである。
今回は登山口に深夜1時についたのでさすがに車中泊となったが、
日没くらいまでに到着できるならこういう所で泊まりたい。

鏡のような水面がきれい。

中身はなかなか生活感があって快適そう。

というわけで12時半に戻る。
ここからは高速道路で岩手・秋田県境の八幡平まで移動する。

東北道から岩手山が見える。

岩手山がかなり良く見える。
これは標高差があって登るのが大変そうだ。

松尾鉱山。
高度経済成長期に栄えた鉱山町であるが、いまでは無人のゴーストタウン。
なお一応私有地なので立入禁止である。
廃墟が並ぶのはかなり気味が悪い。

八幡平への直近となる見返峠。
ここからは八幡平頂上まで30分。
ちなみに駐車場は17:00を過ぎると無料になるんだとか。

下から一気に1200mも登ってくる道路のため、
非力な車ではオーバーヒートに要注意か。
同様に下りはブレーキのフェードに要注意である。
(途中で何回か撮影休憩をしたので問題なかったが)
というか頂上って「The Top of 〜」なのか。
サミットじゃないの?

頂上まではずっと舗装された道である。

八幡沼。
スノーモービル乗り入れ禁止との看板がある。
こういうなだらかな山では、モービルには最適だな。
当然山スキーにも最適。
特に道路が開通する4月〜5月に掛けては、
車を使って登れば、自力でハイクアップせずに、
バックカントリースキーが楽しめるとか(何か反則っぽい)。
もちろん滑走者とは別に車回収で1人必要であるが、
4人で来れば3人滑って1人が車移動すると、4回中3回は滑走が楽しめる。

陵雲荘。
なかなか快適そうな避難小屋である。

頂上。
樹林に覆われており、展望台に上がったとしても展望は得られない。

2等 八幡平
N 39_57_28.1364
E140_51_14.6976
H1613.34

駐車場に戻る。
往復30分の超お手軽な観光だ。
このくらいなら、今日はほぼ満月なので月夜の下でナイトハイクもできそう?

上空を航空機が通過する。
これだけ高高度だと音すらほとんど聞こえない。
(聞こえてもかなり後ろから聞こえる)
432mm相当では機種・会社まで余裕で判別できるのが素晴らしい。
はるか高空を飛ぶ旅客機は、飛行機雲の先の米粒のようであるが、
あれに乗るには1万円あればいいのだから、よい時代だ。

温泉に入っていくことにする。
藤七温泉。
日本秘湯を守る会加盟の一軒宿である。
東北地方最高所(1400m)にある温泉で、八幡平から距離2kmのところにある。
ここに限らず、八幡平の付近には名湯が多い。

内部はこんな感じ。

食事時であったためか貸切である。
なかなか良い湯であった。
ちなみに混浴もあるが、こちらはさすがにカメラを持ち込むのは不可能だよな。
風呂上りには真っ黒になった温泉卵を食べるが、
硫黄の香りがなかなかおいしくて満足であった。
90℃の高温の源泉なので余裕で温泉卵を作ることができる。
実際近くには源泉が蒸気を上げながら自噴していた。

その後は岩手山SAで食事とする。
もちろん岩手山が非常によく見える。
その後岩手山の登山口に移動。
3日目

岩手山は盛岡の守護神とも言うべき山である。
今回は一番メジャーな馬返ルートから登ることにする。
駐車場は600m、頂上までは標高差1440mとなって、ちょうど富士山と同じくらいの条件。
コースタイムは7時間くらいなので、そんなに早出する必要もなさそうなので、
日の出4時から2時間半経過した、6時20分にスタート。

ひたすら樹林帯の登りで我慢である。
いつも汗だくになって大変なので、毎時300mのペースを維持しようと思ったが、
結局あまり抑えることができずに毎時450mだった。

1合目から順番に標識があってペースが分かりやすいが、
長丁場ということもあって「まだあるのか!」という気分にもなる。

7合目まで来れば一気に見晴らしが良くなる。
時々砲撃の音が聞こえてくる。
これは真下に陸上自衛隊の演習場があるため。
噴火警報のためのサイレンが設置されている。
http://www.pref.iwate.jp/~hp0108/bosai_map/bosaimap_s.html
実は噴火すると大災害になるっぽくって、ハザードマップを見ると偉い範囲が塗ってある。
こんな大噴火が実際に起こったら、県庁所在地が他(どこ?)に移動するレベル。
もちろん直上を通過する首都圏⇔北海道の航空路も、
風上側(西側)へ大幅な迂回を余儀なくされ、航空交通への影響も計り知れない。

8合目の避難小屋。

避難小屋とはいえ、夏季は管理人が常駐しており、
管理協力費1700円、毛布3枚まで1000円で、宿泊すると2700円となる。
なので素泊まりの山小屋に近い感覚で利用することも可能。
(値段も素泊まりの山小屋に近い)

小屋に前には豊富な水量の水が引かれており、冷たくて大変おいしい。
飲み水は900mlしか持ってこなかったので、ここで補給する。
(暑いのでめちゃくちゃ消費する)

頂上の一角まで出るとかなり見晴らしが良い。
今は快晴無風だが、風が強いと大変だろうな。

地蔵がたくさん並んでおり、信仰の山の雰囲気。

岩木山を思い出す。

微妙にまだ残雪も残る。

頂上。

遠くには八幡平と松尾鉱山

西側の展望

下には牧場地帯が広がる。

別ルートの8合目にある笠不動避難小屋。

東北道の岩手山SA。

東北道の松尾八幡平IC。
ちなみに盛岡ICから3インター分が見えていることに。

こちらは盛岡方面。

岩手山はただしい円錐形というわけでもなく、西側はこんな山容になる。

三角点だ。
ちょっと虫が多くてしかも写真に写ってしまう。
1等三角点「岩手山」
最高地点にしっかりと設置されている。
1等 岩手山
N 39_51_09.4175
E141_00_03.6158
H2038.20

放射線状に広がる飛行機雲が、
日本屈指の航空路の下だということを示している。
実際に次々に飛行機が通過して大変面白い。

八幡平はたしかに楯状火山なんだな。

登山口に至る直線道路。
一番手前が登山口。

岩手山神社奥宮。
そういえば登山口に岩手山神社があったな。
帰りに寄ってみよう。

こんな感じで火口の中は意外と平坦になっている。

不動平避難小屋。

こちらも宿泊には8合目避難小屋と同じ料金となる。
設備・規模ともに8合目避難小屋には劣る印象。

無事に下山する。

登山口近くにある岩手山神社。

ちょっとさびしい雰囲気。

今日も、東北を代表する秘湯に行く。で、滝ノ上温泉。

温泉宿もどことなく山小屋な雰囲気。
部屋も相部屋だし。
超絶に硫黄なので、数日後まで硫黄の香りが残ることに・・・。

高温の源泉が自噴してくる地熱が豊富な場所である。
どのくらいかというと、地熱発電所があるくらいである。
「温泉で発電」なんてなかなか趣がある発電方法であろう。
(温泉地で地熱発電しようとすると大抵反対運動が起きるが)

途中で田沢湖線の小岩井駅に寄っていく。
標準軌だと線路の幅が広くて違和感があるな。
え?ない?そりゃ普段あなたが京急か京成電鉄を使っているからです。
さて、次は早池峰に移動。
こちらも1917mの北上高地の最高峰である。
マイカー規制があるため、登山口まで行くことはできず、麓の駐車場で車中泊とする。
マイカー規制はしんどいが、その代わり駐車場がない登山口までバスで行けるので、
標高差200mがバスで登れるのでかなり楽になる。
なお、登山口にも避難小屋があるため、ここに泊まれば車中泊せずに済むが、
今日の分については登山口行きのバスが終了しているため、車中泊となった。
久々に平らな床で寝たかったのになぁ。
ちなみにマイカー規制は5:00〜13:00の時間しか実施しない。
ということは、前日夜に規制区域に入り、13時以降に出れば規制には該当しないが、
13時にはとっくに下山することになっているので、バスを使うことにした。
富士山等のマイカー規制では、下山する分には規制対象外なのだが、
ここは下山車両も規制対象であり、車を動かすことはできない。
4日目

朝一のバス(駐車場5:30)でスタート。
日の出が4時ということを鑑みると、朝一の便が登山口に着くのが5:54は少し遅い。
実際朝一の便はバス4台だったっぽいし。
できれば、あと1〜2時間くらい繰り上げてくれると有難いのだけど。
登山口まではかなり狭い道で、離合帯も少なく、これではマイカー規制もやむをえないか。

降水確率10%の予報だが遠方の梅雨前線に刺激されたのか、
山の付近だけ雨がパラついている。
梅雨前線から遠いほど雲が高くなるので、
雲自体はかなり高いから展望には影響がないので助かる。

蛇紋岩質の地形なので、ここにしか咲かない高山植物が多いとか。

尾瀬の至仏山もそうだが、蛇紋岩は雨にぬれるとめちゃくちゃ滑りやすい。
要注意である。

花が非常に多い。

登山口は1250m、最高峰は1917mなので標高差667mである。
反対側にある薬師岳1600mがだいぶ低くなってきった。

こんな岩場になっている。
本当に登れるのかと思ってしまうが、登山道はうまくルート取りされている。
途中にある梯子場もそれなりに高度感があるが、この程度なら特に問題ない。
最初のバスでスタートした組を追い抜くと無人になって、
なかなかペースを維持して登りやすくてよいな。

頂上台地までくると、
今度は打って変わって木道のある湿原地帯になる。

頂上避難小屋。

内部はかなり綺麗だが予定宿泊禁止とのこと。

1等三角点 「早池峯」
山の標高としては隣の岩盤の1917mだが、三角点の標高は1913mあまりとなる。
1等 早池峯
N 39_33_30.0895
E141_29_20.4507
H1913.61

で、最高地点。1917m。
早池峰神社の奥宮か。
随分たくさん人がいるのでびっくりしたが、
彼らは登山口に宿泊して4時スタートだとのこと。

曇り空はHDRで撮影するとダイナミックになるから面白い。

木道がなかなか綺麗。

ダイナミックレンジ±2EV

さて下山することにする。
登りは1時間であったが、下りは慎重に行くことを考えれば、
同じだけの時間を見ておく必要があるだろう。

下りもどんどん人が登ってくる。

8時30分に登山口に戻る。
バスで駐車場に戻るが、乗客は僕1人であった。
さすがに8時半に戻るやつはいないか。

ここからは盛岡に戻り、「はやて」で大宮までいく。
午前中の便なので立ち席が出ない程度には空いていてラッキー。
自席に荷物を置き、デッキで流れる車窓を眺める。
梅雨時で雲が低いので、雲の下を次々にくぐっていくのが面白い。

「岩手山は盛岡発の急行列車からの眺めが素晴らしい」と深田久弥が言っていたが、
東北新幹線は盛岡を出るとすぐにトンネルに入ってしまい、
岩手山を眺めることはできない。
逆に上り列車からは、少しの間見ることができる。

東北地方の穀倉地帯を「はやて」が疾走する。
(縁起が悪い?)

途中で東北道と交差。
速度差はまさに圧倒的!
以降、大宮駅に到着し、その後車で帰還する。
(荷物が多いと車は楽だ。ありがとうございます。)
参考

(C)Microsoft
フライトシミュレータからの鳥海山。
超低空飛行で大推力だとジェットブラストが海水を巻き上げて大迷惑!
このように鳥海山は日本海からそのまま立ち上がるので、
古くは航海の目印にもされたとか。
たしかに納得。
その代わり日本海に面するため、冬季の天候は極めて悪く、
猛烈な降雪量になるため、この標高でも万年雪ができる。

羽田→旭川への航空機から撮影した八幡平。
5月だがまだまだ雪が残る。
あたりは広い高原状の楯状火山であることがわかる。

八幡平中心部の拡大写真。
駐車場・八幡沼などが確認できる。

旭川→羽田への航空機から撮影した岩手山。
残念ながらガスが掛かっている。
5月だがかなり美しく残雪のラインが出ている。
航空路は岩手山のやや東を通るので、西側の席に座る必要があるが、
午後便だと逆光になるので、午前便に乗る必要がある。
北海道からの午前便はなかなか乗る機会がなく、実はこれ1回である。