旅行記
2010/01 伊吹
伊吹山は、滋賀県と岐阜県の境界にある1,377mの山である。
中京圏と関西圏の境界ともなる。
ちょうど日本の脊梁山脈が途切れる部分に位置するため、
日本海側の影響を受け、標高の割に多量の積雪がある。
冬型の気圧配置になり季節風の吹出しが強いときは豪雪となる。
この吹出しが神の伊吹ということで、伊吹山という名前となった。
計画編
伊吹山の最寄り駅は近江長岡駅である。
大垣から20分ほどの距離のため、
大垣行き「ムーンライトながら」の利用が最適かと考えられたが、
これは臨時列車になっていたので使えなかった。残念。
というわけで高速バスの「ドリームなごや」である。
これに乗っていけば近江長岡駅から伊吹山への始発のバスに間に合う。
帰りは大阪まで出て飛行機で帰ろう。

名古屋までは高速バス。
激安の青春ドリーム号もあるが、
快適性を考えると通常のドリーム号がよい。
値段は東京⇒名古屋で6400円。
ちなみに青春ドリーム号で5000円、
ドリーム号のプレミアムシートで7600円。
プレミアムシートは満席だったので通常仕様にした。
ちなみに「ぷらっとこだま」では7900円。
「こだま」は3時間近くを要しなかなか遅いが、
それでも高速バスよりだいぶ速いのでどうだろう。
秋葉のヨドバシで22時まで時間をつぶし、
東京駅の高速バスターミナルは多くの人で賑わっている。
各地へ次々とバスが発っていくのは見ていて面白い。

バスは2階建てのため結構狭いが、寝るだけなので特に問題はない。
東京駅からすぐに首都高に入り、走行が安定すると寝てしまった。
途中で足柄SAで休憩したときに少し目が覚めた。
また少し眠り、外を見ると進行方向左側に眼下に夜景が見えた。
たぶん富士山の南側の裾野を走行中なんだろう。

暫くすると、いつのまにか名古屋についていた。
定刻6時にところを5時40分に、やや早着。

その後は新快速を乗継ぎ近江長岡駅まで。
大垣を過ぎると急に雪が増えてくる。

近江長岡駅。
やや曇ってる。

山はガスっている。(涙)
晴れのち曇り予報だしきっと晴れるだろうと思ったが・・・。

1377mの低山であり、
9合目まで道路が達しているために夏はお手軽観光地になるが、
冬は道路が冬季閉鎖になり、スキー場も営業休止したため、
0合目から登らなければいけない。
標高200mちょっとから、約1100mも登ることになるので結構厳しい。
というわけで、「夏はお手軽観光地、冬は無人」のシリーズの一部である。
上高地だとか、美ヶ原だとか、そのへんと同じ趣旨である。
夏は観光客で賑わう伊吹山が、冬はどうなっているのか見に行きたい。

8時出発。

スキー場を登る。

先行したパーティをガンガン追い抜いて登るとそのうちトレースがなくなる。

休業中のスキー場施設が見える。

東海道新幹線は255kmhとはいえ結構速い。
音もかなり聞こえる。最初は飛行機の音かと思った。
気付くとするすると走っていってしまうのが面白い。
16両編成は長いな。

結構良い眺めである。
0合目から1合目は樹林の中で見通しが利かないが、
1〜5合目はスキー場内、5合目以上は広い斜面なので、完全に視界が開ける。

避難小屋。
新雪表層雪崩で吹っ飛んだと思われる屋根。
一応使用可能だが結構勇気が要りそうである。

もっとも平成18年にできたので綺麗で快適そう。
米原の夜景が綺麗に見えることだろう。

伊吹山の最大の問題は何か?といわれれば、間違いなく雪崩である。
雪崩は30度〜40度の斜面で最も危険であるが、これは斜度57%〜84%となる。
伊吹山は最上部では64%の斜度(地形図からの測定)なので、
最も雪崩が起きやすい条件であり、実際に死者も出ている。
雪崩は晴れて気温が上がったときに起きやすいが、
だからといって晴れ以外の天気では登れないので、ロシアンルーレットな要素はある。
できうる対策としては、できるだけ午前中の早い時間に登るのがよい。
しかし午前中の早い時間は雪が締まっていて滑落の危険がある。

7合目以上はこの急斜面となり、スキー・スノーシューを履いた人は
アイゼン(当然10本以上)とピッケルに切替えていた。
適当に直登するがこれが結構怖い。
斜度は60%ちょいだが、下からみるとまさに壁のように見える。

「ドライブウェイ駐車場へは行けません」という看板が。
夏は間違って下るやつが多いんだろうなぁ。

山頂はホワイトアウト、視界10mである。
トレースはないが、地図と整合して高い場所に向かっていくと山頂があった。

ホワイトアウト

山頂の神社。避難小屋も兼用。

山頂であるが、何も見えない。

ものすごい積雪量である。
三角点を探そうとしたが早々とあきらめた。こんなんでは掘り出せるわけがない。

帰りはソリで一気に滑走する・・・と思ったが、さすがに頂上からの滑走はビビって中止。
8合目までくらいまで降りてくると斜度がやや緩むので、
ここでシリセードで降下するが、
どんどんスピードが出るのでピッケルで制動するがなかなか止まらない。
アイゼンを地面に蹴り込むと速やかに止まるが、
これは予想外に刃が食い込んだときに衝撃で骨折しそうで怖い。
(実際にそういう事例があったそうだ)
ピッケルでブレーキしつつ下るが、結局これで左肩が2日後まで痛むことになった。
ちなみに180度反転してうつ伏せになれば、抵抗が増えて自然に止まるので安全。

みんな登るのが大変だ。

アイゼン・ピッケルで完全装備である。

7合目から4合目くらいまでは傾斜が緩いので、
今度はソリを取り出して下っていく。
ピッケルを気合を入れて突き刺せば速やかに止まり安全である。
制動時は「SPEED BRAKES!!」(ネトゲのスキルみたいだ)

登っていく人が多い。
なんだかんだで100人は居そうである。

5合目までくると緩やかな斜面。

スキー場を下る。
頂上のホワイトアウトが信じられないくらい晴れている。

1合目まで戻ってきた。雪が腐っており歩きにくい。

というわけで無事に降下して下山。

東海道新幹線はちょうど伊吹山の南を通過するが、
同路線の中ではここだけピンポイントに日本海側気候のため、
冬型が強いときは積雪により東海道新幹線の遅れになる。
バラスト軌道のため降雪があると、車両に雪が付着し、
これが落下すると高速で軌道の砕石を飛ばし、沿線に被害を与えることとなる。
そのため米原〜名古屋間で230km/h〜70km/hの速度制限となり、
15分〜1時間程度の遅れとなってしまう。
「新幹線は雪に弱い」をいうイメージを与えた罪は大きいが、
上越新幹線ではこの苦い経験を生かし完全な対策が採られたため、
1晩で1mの積雪でも視界20mの吹雪の中でも240km/hで定時運転ができる。

よく晴れているな。山頂以外は。

近江長岡駅から米原までは普通列車で、米原から先は新快速で三宮まで移動する。
昼食を買い込み、車内で昼食とする。
草津あたりで眠くなり就寝、気付くと三宮まで2分であった。
新快速は速くて快適である。
表定速度80km/h以上でかなりの快速である。
首都圏の185系の特急(新特急とか踊り子とか)と同じくらい快適・快速であろう。
130km/h運転だと明らかに車窓の流れが速い。
223系の大出力インバータの音もなかなか心地よい。
ネットでの目撃情報によると、2005年以前は140km/hでの走行も報告されているが、
最近は随分おとなしくなったようだ。

三宮からはポートライナー。
快速は30分に1本と少なく、しかも2駅しか通過しない。
東京モノレールの空港快速(英語表示だとHANEDA
EXPRESS!)
みたく多頻度かつ途中停車駅なしだと快適なんだけどな。

東京大阪間で見ると、新幹線がシェア65%と当然トップではあるが、僕は飛行機派。
新幹線が13,000円なので、飛行機のほうが高いといえば高い。
ちなみに高速バスだと5000円くらいで可能であるが、
プレミアムドリーム号だと9000円、更にプレミアムシートだと9900円となる。
(これは本当に飛行機のビジネスクラス並みの座席である)
とはいえ、新幹線こだまを利用する「ぷらっとこだま」でも10,000円なので、
さすがにそれなら新幹線のほうが良いような気がするな。
「こだま」とはいえ所要4時間でバスよりは圧倒的に速いわけだし。
今回もSKYMARKでのフライト。
給油しているところであった。
B737-800で神戸羽田だと燃料10トンもあれば十分に飛べるはず。
だが羽田までの着陸進入で200ktで低速飛行を強いられると
もっと消費量は多くなりそうな予感も。
ちなみのあのタンクローリーで積載20トンといったところ。

いったん飛び立てば夕日が美しい大空の中を一直線。
行きは高速バス+普通列車+新快速で東京〜神戸を所要9時間であったが、
飛行機のフライト時間は55分である。
まさに飛ぶように速い。

京都上空を通過。
碁盤の目状の町並みは上空から見てもよくわかる。
特に京都御所がわかりやすい。

名古屋上空を通過。
名古屋から東京へは、行き6時間半、帰り40分といったところか。
やっぱり飛行機は速い。

JAL機が恐らく高度差1kmくらいでフライパス。
相対速度マック1.6。

高空は太陽が沈んだばかりで明るいが、下界は闇に包まれている。
空が美しい時間帯。

夕日が沈むと、今度は満月があがってきた。

PowershotS90,1/8s,F2,ISO800
千葉の館山の夜景。
夜景の撮影は非常に厳しい。
飛行機内なので三脚は不可、手持ちとなるので1/8sが限度だろう。
なお、デジイチ標準のF3.5のレンズだとISO2500を要する。
明るい短焦点レンズを使って夜景を撮影するという話を聞いたが、
たしかにそれが正解のようだ。
もっと暗くなると更に2段くらいは露光が必要と思われるし。

帰りは久々にリムジンバスで帰還。
電車と比較して値段が2倍するうえ、所要時間も遅いが、乗換が少ないのがメリット。
僕の場合、乗換1回で帰ることができるので大変便利である。
首都高の都心環状線が渋滞していたので、
いったん一般道に下りて再度首都高に乗った。
空港連絡バスは定時性が命。
頻繁に遅れるようなことがあっては信用問題となる。
空港発の便では実害は少ないが、それでもイメージダウン対策として、
徹底的に定時性確保への取り組みがなされているようだ。
以上、無事に帰還。
参考

羽田⇒福岡の航空機から撮影した伊吹山。
関西と中京圏のスキマから日本海の季節風が吹き出してくる、
ということで雪で一面真っ白になっている。
滋賀県最高峰ということで、まわりよりは一段と高い。

同・拡大。
はっきりとスキー場の施設がわかるが、
山頂のものは雪に埋没している。