旅行記



2009/12 千葉


羽田に着陸する飛行機では、千葉の上空を延々と飛行する。
そんな中で、木更津と館山に飛行場が見える。
今回はそれを見に行くことにした。
(ついでに多少の観光も)







JRで木更津駅へ。




で、木更津港の付近にある高い橋から見た木更津飛行場。
陸上自衛隊・海上自衛隊・航空自衛隊が駐留している。
滑走路長は1820m。
東京湾アクアラインで対岸の川崎と結ばれていることから、
羽田空港の発着のうちいくらかをこちらに割当てられれば面白そうである。
ただし、1820mではあまり大きな機体は不可。
例えばB737シリーズであれば可能であろう。
伊豆諸島への離島便は全部こっちに持ってくるとかもできそうだ。
(ついでに新中央航空のものもこっちにしてくれれば尚良し!?)




管制塔



ちょうど陸上自衛隊の輸送ヘリが飛行していた。
テレコンで540mm相当の焦点距離となる。
かなりの望遠だが、画質の低下を考えると実効300mといったところ。




次は海上自衛隊館山航空基地。
まずはJR館山駅まで特急列車で移動。
途中、東京湾が綺麗に見える。
JR内房線は特急が遅くて困ったもんである。
表定速度は70kmhくらい。
東京湾アクアライン経由の高速バスのほうが安くて速いため、
特急が毎時1本のところ、バスは毎時2本出ている。




館山駅からはレンタサイクル。
毎時200円だそうなのでとりあえず2時間借りることにした。
徒歩よりはだいぶ速くて便利である。




2000mm相当の望遠で撮るとこんなん。



館山城跡。
ちょうど丘陵上に建っておりいい感じに市内を一望できる。
航空基地もこんな感じでばっちり撮影できる。
暫く待ったがヘリは来ず。残念。




いい感じに館山湾を見渡せる。



海上自衛隊館山航空基地は、
海上自衛隊のヘリを運用するための基地である。
ヘリのみの基地とはいえ、複数のヘリパッドを備え、
滑走路も300mの長さを誇り、日本最大級のヘリポートである。

地上から行くとこんな感じ。釣り人が多い。




帰りは千葉の観光地のうち1つである鋸山によって行く。




日本寺という寺の境内になっており、さまざまな仏像や史跡が残る。
これだけでも結構おもしろい。




こんなん。



頂上付近はこんな感じの断崖絶壁となっている。
垂直に切れ落ちているのは迫力満点であるが、
手すりがあるし、恐怖感はない。

ちなみに本当の頂上はすぐ近くだが、直通する道がないため行くのは結構めんどい。


見晴らしがよい。



頂上からは金谷港に入稿してくる東京湾フェリーが撮影できた。
港の中で回転して接岸する。
なかなか上手いのがすごい。




館山道



こんな壁に埋め込まれた石碑もある。
バーミヤンの遺跡みたいだ。




さっきの断崖絶壁
とりあえずRAWで撮影して、暗部を持ち上げるだけでだいぶいい感じになる。



結局保谷駅から金谷駅まで全部徒歩で歩くことになってしまった。
線路での距離でも3km以上あるのに、
山まで登ったんだからそりゃ疲れたわけである。

金谷港。
ここから東京湾フェリーに乗り、久里浜港へいく。
所要40分の予定。



所要40分の航路とは思えないほど設備が充実している。



こんな感じで天気がよければ観光クルーズ気分だ。




大混雑の東京湾を横切るので、頻繁に進路を微修正する。
こちらの速度は13kt。
相手は港路上の制限速度12ktが適用されているのでその速度だろう。


緊急時は右側に相手を見る船が回避するのが原則だが、
操船性能が高いほうが回避するルールであり、
実際10万トン級の貨物船に回避してもらうことは難しく、
こちらが回避することとなる。




ジェット戦闘機のような、
ものすごいタービン音が聞こえてなんだと思ったら、
伊豆諸島へ就航している高速船であった。
ジェット旅客機のターボファンエンジンは、大型のファンに接続されている関係で
回転数が低くてあんまりかっこいい音がしないのであるが、
こういうターボシャフトエンジンは回転数が高くてかなり良い音がする。
エンジンは「Allison 501-KF」×2。
パワータービンの回転数13800rpm。


巡航速度45kt。280総トン。全長30m。機関出力3800ps×2。
東京湾フェリーと比べると、1/10以上小さな船なのに機関出力はさらにでかい。
ちなみに軽自動車の半分くらいの重量あたりのパワーがある。



港の中は低速モードであったが、沖合いに出て一気に加速して翼走状態になる。
最高速度45ktはさすがに速く、
浦賀水道内の制限速度12ktで低速航行している大型船舶を気にせずに
ガンガン翼走するのは爽快であろうな。
(※12kt制限は全長50m以上の船舶に適用される)
「デカいやつはノロノロ走ってろなんだぜ!!」という台詞を残して
(残してないが)あっという間に見えなくなる。






なお、船はかなや丸。3580総トン。全長79m。
機関出力2200ps×2。(船舶用ディーゼルエンジン)

同じ東京湾フェリー。



久里浜港へ到着。
なかなか良いクルーズであった。
ここからは京浜急行で品川まで出て、秋葉に行き、
友人と落ち合い、翌日の山行の相談をしてから解散。
以上、無事に帰還。




参考
羽田に着陸する航空機から撮影した館山航空基地。
滑走路とヘリパッドが見える。





羽田に着陸する航空機から撮影した館山市街。





(参考)フライトシミュレータによる館山航空基地(C)Microsoft
これだけ巨大なヘリ基地のため、
ちゃんとフライトシミュレータにも入っているのがすごい。
ヘリ基地でもVTOL機なら(一応)離着陸可能。
でも滑走路が垂直離陸のための高温のジェット噴射に耐えられるのかは不明。
あとは向かい風20ktの条件なら、空荷であればF-14がフルフラップで一応離陸できる。
ま、F-14は艦載機だしな。





図1


大規模なヘリ基地では、短い滑走路が設置されている。
滑走路を有するヘリポートは以下のとおり。
 海上自衛隊大湊航空基地 600m
 米軍キャスナー飛行場  580m
 海上自衛隊舞鶴航空基地 400m
 海上自衛隊館山航空基地 300m
 東京へリポート      90m

舞鶴航空基地は最近滑走路が整備されていて、
このことについて反対意見があって、
その中で「軽飛行機も運用可能でこんなの必要ない」みたいな論調だった。
まぁ400mでは軽飛行機は着陸できない。残念。






図2

で、気温が高い時や重量が重いときには、
空中でホバリングができないこともある。
そのままだと斜めに上昇できないので離陸不可能となる。(図1のA)
ただし、地面効果があるので空中3mくらいまでは上昇できる。
そこで滑走路があると、3mまで浮上して、
そのまま水平に加速する。(図1のB)
30ktくらいになると風を受けて揚力が増えるので
そのまま斜めに上昇する。(図2)
着陸のときはそれと逆の操作を行うことになるが、
燃料を消費したあとなので、
普通に着陸操作を行えば大丈夫な重量まで減っていることが多いはずである。


高度3mを維持して加速するのは、
うまく高度を保たないとスキッドを引っ掛けて前転するか、
あまりに前傾姿勢をとるとメインローターを地面に引っ掛ける。
どっちみに大破コースなので要注意である。
スキッドではなく車輪タイプの大型ヘリならば、
浮上せずに車輪で走りながら加速すれば良いので問題なし。
なので重量が重いとき・高温時に滑走路があるとかなり便利なのである。
通常時でも、燃料消費を抑えて離陸することができる。