旅行記



2009/11 熊野大社




紀伊半島には、熊野那智大社・熊野速玉大社・熊野本宮大社の3社が存在する。
今回はほぼ日帰りでこの3社を巡ってきた。






紀伊半島の先端なので距離の割りに行くのは結構大変である。
一番楽チンで時間が有効に使えそうなのは、
大宮から出ている高速バス。安いし一晩寝れば到着する。値段約10k。
鉄道は名古屋経由でかなり時間が掛るのが難点。
航空機は、南紀白浜空港があるが、便数が少ない上に高いのが難。
関空よりも(飛行経路上は)羽田から近いのだから、
関空便よりも安くしてほしいところである。

というわけで、行きは関空まで飛行機で、帰りは鉄道を使うこととした。






行きは羽田⇒関西国際空港まで飛行機で。
関空は大阪というよりも和歌山国際空港といった感じだが、
今回は和歌山方面に南下する予定なのでむしろ助かる。
始発の飛行機だと6時20分とかでまだ日の出前なのであえて2番目の便を選択。






ロビーで待つ間に望遠撮影を試みる。
630mm相当(実際には300mmくらい)の望遠はなかなか面白い。
飛行機撮りでは「400mmで標準レンズ」だとか。






早速離陸すると澄んだ空気のもとに景色が広がる。





富士山はだいぶ雪が増えてきた。
もうエキスパート以外は登頂は不可能であろう。
とはいえ、単に白くなっているだけだと積雪はよくわからない。
50cmという報告もあり意外と少ないなぁと言う印象。
積雪が10cmだろうが10mだろうが上空から見れば白いのは一緒なのである。






上空から見た畑薙第一ダム。とおおおおおおいなぁ。






ルートとしては羽田を離陸後、
横須賀上空から和歌山市上空まで一気に直線で飛び(RNAV広域航法なのか?)、
その後関空にアプローチというルートであった。
高速を誇る航空機であるが、
西に向かって飛ぶときは偏西風に逆らうことになり、
短距離では高度が低いこともあって最高速度は600kmh程度にとどまる。
おまけに上記のような多少迂回をするようなルートなので
実飛行時間でも1時間である。
ちなみに伊丹⇒羽田で最速記録は30分だとか。
混雑している今ではもう更新されることはないであろう記録だ。






関空からは鉄道で串本駅まで移動。
ちょうど日根野停車のスーパーくろしおがあるので乗る。






振り子式車両だが設計が古く(自然振り子式)、
遠心力の増減に対してバンクの制御が遅れて、
船に乗っているような重力変化が起こるため、
乗り心地の悪さには定評があり、一部では「ゲロしお」と呼ばれているとか。
とはいえ、僕は乗り物酔いとは無縁である。






串本からはまずは樫野崎へ。
レンタカーはトヨタ・ラクティス。
車中泊なので宿代は節約できる。
ノーマルの安い車両+1000円でラクティスにできた。
こちらはラゲッジが広く、寝袋を使って横になって寝ることができる。
つまり、移動可能な快適な宿となるわけだ。
レンタカー屋で毛布の貸出しとかやったら、
車中泊のために一回り大きい車を借りてくれるようになってくれるかも?






次は本州最南端の潮岬に移動。
植生が亜熱帯っぽいのが印象的だった。






本州最南端





沖合いにはかなり多くの船が航行中。
串本VORがあるせいで上空も航空機が頻繁に通過する、
隠れた日本の街道である。
陸上の交通機関にはまったく関係ないのであるが。






熊野那智大社
観光地は人が多くて困る。
紅葉はちょうど終わりになり、今が人が少ないシーズン。
また年末年始になれば大勢の観光客が訪れる。






ワイド写真であるが、3枚くらいのワイド写真を作るとワイドというか
単なる広角写真に近い構図になる。
理論上は、縦構図のものを合成して3:2比率になるようにすると20mm相当の超広角となる。




HDR撮影で動体消去フラグONにしてもまだいろいろ残る。






まさに熊野古道っぽい石畳道。






こういう登山道だと楽そうと思いきや、
実は堅いため下りで膝に悪く、雨だと滑りやすく、
雪だとアイゼンが食い込みにくいうえに滑るの3重苦。
わらじ履きの修険者ならともかく、
現代の登山装備だとむしろありがた迷惑かもしれないな。






那智の大滝へ





那智の大滝。
だいぶ暗くなってきて手持ち撮影では苦しくなってきた。
しかしこれだけ落差があると落下中に空中で水が拡散してしまって、
滝の前後でだいぶ流量が違いそう。
ちなみに落差は130mだとか。






熊野速玉大社。
夜だと暗くて雰囲気が良い上に無人である。
昼間だと混雑するんだろうなぁ。
暗いせいで新しいデジカメはピントが合ってないボケボケ写真が何枚かあった。
マニュアルフォーカスで無限遠にあわせておけばいいのに気づいたのは帰宅後。

ダイナミックレンジ±2EV(16倍)






無人

ダイナミックレンジ±2EV(16倍)




無人





MFで試してみると無限遠にすればちゃんとピントが合うのが分かった。
ちなみに5mくらいの距離にしても、無限遠で余裕で合う。
というのもコンデジで28mm相当F2の条件であれば、
APS-CのデジイチでF20くらいの超深い被写界深度なのである。
とりあえず5mにあわせておけば2m〜無限まで全てジャスピンである。






しばらく撮影を楽しんでいると閉門となった。

ダイナミックレンジ±2EV(16倍)




でも境内は基本的に24時間開放なので助かる。

ダイナミックレンジ±2EV(16倍)




速玉大社が無人で満足したので、夜の本宮大社にも行ってみる。

ダイナミックレンジ±2EV(16倍)
星が見えるが明るいところもばっちり。CGのような写真に。




あまりに暗いので15秒露光でも真っ暗になる。
4枚撮影してコンポジットして暗部を持ち上げている。
ISO160相当。
なぜか暗い場所だと彩度がかなり低くなる。
人間の目と同じ仕様だが、とはいえデジカメなのでこの仕様は謎。






中を覗いてみるとこんな感じ。





真っ暗





道の駅で車中泊。
寝袋2枚持っていったが結構寒かった。
標高200mしかないのに外気温3℃って今の時期にしては随分寒いぞ。
寝袋2枚は下界の旅行なので問題ないが山だと持って行くのは大変。
よく考える必要がある。

朝は川の上には完全に霧がかかっており幻想的な雰囲気。
まぁこれはせいぜい高度500mくらいまで。
上空から見れば谷底に雲が溜まっているように見えるだろう。

新しいデジカメは、評判どおりダイナミックレンジが広くて
HDR撮影をする機会がかなり減った。
これはダイナミックレンジ16倍(±2EV)で撮影だが
4倍くらいでも十分だった感じ。
ちなみにこのデジカメのダイナミックレンジは
デジイチのフォーサーズ機よりやや劣るレベルだとか。
センサーサイズを考えればかなり優秀と言える。





有名な大鳥居。
朝早いこともあり無人。まわりは普通に田んぼなんだな。






朝7時に参拝する。
こんだけ早朝なら無人で静かな撮影を楽しめると思ったら、
結構人が居てびっくりした。
ちなみに拝殿内は撮影禁止であった。






その後は、熊野速玉大社にもう一度行く。

ダイナミックレンジ±2EV(16倍)





朝日に照らされるのもなかなか良い感じである。

ダイナミックレンジ±2EV(16倍)





人がちょっと居るのが難点だが、真昼間よりはだいぶ少ない。

ダイナミックレンジ±2EV(16倍)













ボケ味は足りない。





なかなかよい感じ。

ダイナミックレンジ±2EV(16倍)





正面

ダイナミックレンジ±2EV(16倍)
普通に撮影すると鳥居の奥の暗い部分が真っ暗になる。


新宮駅。

ダイナミックレンジ±2EV(16倍)
普通に撮影すると外が白飛びする。

名古屋・大阪のいずれからも遠い辺境の地である。
車で行くのも高速が無いので大変。鉄道は遅い。
南紀へリポートがあるので、ヘリシャトルはその気になれば可能そうだ。
大阪の八尾空港まで距離110km。90ノットで40分。
列車だと4時間(距離270km)掛るのでその差は圧倒的。
だがこの時間とはいえ1人4万円(Bell206で乗客4人の場合)は高いな。

800mでもいいので滑走路があれば、
伊豆諸島みたく小型機を飛ばして輸送ができるのにな。
ちなみに調布→伊豆大島で100kmなので、条件的にも似ている。






予定を繰上げ、帰りは新宮駅から名古屋駅経由で戻る。
寝袋2個で40Lのザックがだいぶ膨らんでいて邪魔である。
帰ってから試したが、衣類圧縮袋に入れて目一杯圧縮すると
2/3くらいの体積になることが分かった。
これを活用すればザックの容量をだいぶ節約できそう。
重さは変わらないけどな。

ワイドビュー南紀は、4両編成で自由席が1両という涙目仕様。
とはいえ、指定席は+260円(新幹線乗継で半額)なので指定席でも良いのだが。
名古屋までは230km、3時間半。
やや遅いがディーゼルなのでこんなもん。








N700系はコンセントが使えるので非常に助かる。
ノートPC使い放題。
無線LANも使えるのでモバイラーにはありがたい。
ご自慢の車体傾斜は、
線路の傾きなのか車体による傾きなのかどうなのかよく分からない。

N700系では東京まで350kmを1時間40分。
その速さ、はやてのごとく。




東京まで出たあとは、
友人宅に寄り、鍋・焼肉・すき焼きをしてから無事に帰還。










参考

(C)Mircosoft
フライトシミュレータによる関西国際空港。機体はハリアー。

S/VTOL機でもスポットからの直接の離陸は禁止!!
というか普通だと隣の飛行機が吹っ飛ぶわな。







羽田⇒鹿児島への航空機から見た新宮市。
熊野川が砂州でふさがりそうな感じ。
地元漁協は魚の遡上に影響があるので開削してほしいと言っているが、
国交省は自然現象なので放置する意向とのこと。まぁそうだわな。






熊野速玉大社のあたりを拡大。
オリンパスE420 300mm相当 F5.6 1/1250 ISO200。
空撮だとブレブレである。
手振れ補正ないのもあるが。






上空から見た熊野本宮大社付近。
激しく蛇行する熊野川。