旅行記



2009/11 セスナフライト



茨城県南部には、小さな飛行場が3つも存在する。
今回は、これらを利用してみたいということで、セスナ172で飛行した。


阿見飛行場  600m
龍ヶ崎飛行場 800m
大利根飛行場 600m


ちなみにこのほかに、
陸上自衛隊土浦駐屯地に550mの未舗装滑走路が存在する。



阿見飛行場
R/W 600×25m

上空から見れば場所は明らかだが地上から車で行くのは結構しんどい。
今回フライトするセスナ172。







セスナ172スペック
乗員4人
ただし重い人が4人乗ると燃料を満タンまで入れて飛べない。
最大離陸重量1080kg
実用上昇限度3900m(13000ft)
  重い場合や気温が高い場合は、3000mも達せないことも多い。
  (僕の操縦ではMax2400mまでやったことがある。さすがになかなか上昇しなかった。
   当然だが上空が涼しかったのが印象的。)
最高巡航速度125kt
  MAXパワー+海面高度+水平飛行でこの値。
巡航速度90kt
  通常の巡航出力でこの値くらい。
機関出力160PS
  通常の巡航時はほとんど130PSくらいを使うこととなる。
制限荷重-1.7G〜+3.8G
  ただし0G以下になると機関が停止する。
  また、2G以上は危険なので、要するに+0.2G〜2.0Gくらいが実用範囲。
  (でも連続で3G旋回はやったことあるし0G飛行もやったことあるけど)







機長席に機長、副操縦士席にNARU、後席に友人が乗る。
ペイロードは210kgくらいか。

滑走路09を離陸滑走する。250m程度の滑走で離陸。






飛行場を一望。





霞ヶ浦。
さすがに広い。

正面は土浦市街と筑波山。




高度1400ftを維持。
航空法の制限により、物件から1000ft離れる必要があるので、
1400ftはぎりぎりの高度である。
土浦駅がはっきりと見える。






こんな感じ

20度バンクを維持して市街地上空を数回旋回。




スーパーひたちが土浦駅に通過。
なかなか珍しい鉄道写真になった。












霞ヶ浦上空は、下が湖なので多少乱暴なことも可能。
60度のバンクで定常旋回。2Gとなる。
軽く機首上げしたあと110度くらいまでバンクすると、
ほとんど背面飛行に近い感覚になる。
というか垂直バンクターンでも結構頑張るなといったところなのに
110度は恐れ入った。
下から見るとほとんど背面飛行に入ったように見えるだろう。






それと同時にいっきに機首が下がって正面に水面が見え、
見る見る近づいてくる。
高度1400ft(400m)では当然ではある。
ちょうど、この機動はスノーボードで
ハーフパイプをクリアするイメージ。
すぐに速度が上がるのでゆるやかに機首を上げて速度を落とす。
127ktは超えないように注意。

ちなみにそのあとは0.5G程度の機動も行った。
0G付近になるとエンジンが止まるのでほどほどで。






これで70度くらいだな。





阿見飛行場に帰還。滑走路27へ着陸進入。
速度70ktを維持。フラップス30。






進入





というわけで無事に着陸。機長はまた飛び立っていった。





やっぱり300mくらいで離陸する。




大利根飛行場
R/W L=600×20m

モーターグライダー(通称モグラ)が主に利用する飛行場である。





モグラとは、エンジン付グライダーで、
「原動機付自転車」が小型のバイクとして運用されるのと同様、
モグラも軽量の航空機として運用される。
運用コストは1.5万/hくらいで、速度は70ktくらい出るし、
2人乗れるので、たとえば東京から数100km圏内にいくときは、
結構実用的な交通手段となる。
例:東京⇔富山×2人
   新幹線+特急 4.4万円 4時間
   モグラ    6 万円 2時間


トラフィックはかなり多い。
(大半はタッチアンドゴーだ)
10分に1機くらい発着しているような気もする。
ヘタな地方空港よりもよほど発着数は多い。

ちなみに神戸空港は1日30回である。たぶん神戸空港よりも多いだろう。






龍ヶ崎飛行場
R/W L=800×35m




阿見飛行場の近傍に位置する飛行場で、
軽飛行機用としては比較的長い800mの滑走路を有する。
なお、伊豆諸島へ運行している新中央航空のベースとなっている。
19人乗りドルニエ機も整備のために飛来する。
STOL性能に優れるドルニエ機は、800mでも楽勝で離発着する。
ちなみに800mあれば、
大推力にモノを言わせてF-15等の戦闘機はおおむね離陸できる。
ただし着陸はできない。




しばし待機




飛行場内はこんな感じ。





龍ヶ崎飛行場は誘導路が一応ある。
誘導路も滑走路も草ボーボーである。水溜りもあるし。なんとかならんのか。






滑走路26を離陸滑走。同じく250m程度の滑走で離陸。
向かい風が10ktくらいあるため、かなり滑走距離は短い。
フラップはアップのまま。






後ろからみると、なかなかかっこいい写真になる。
後ろ方向は、なかなか普段目にすることがないのだ。
戦闘機とかなら後ろ方向も見れるが・・・。






飛行場を一望

さっきの阿見や大利根よりも立派だな。



大利根からモーターグライダーがあるので注意との指示を受ける。






大利根飛行場の脇を通過。

車だと30分掛かったのに2分くらい。




建設中の圏央道





成田空港上空を通過したいと管制に申請。
ノースウェスト機が着陸進入中なので上空で2〜3分旋回待機せよとの指示。
20〜30度バンクで数回旋回。



ノースウェストが着陸。
飛行中の飛行機を上から見るのはかなり珍しい機会かも?




現在高度2000ft(600m)
管制から高度3000ft(900m)に上昇できるかとの照会。
可能と返答し、ややパワーを上げて300ft/minで上昇。
速度は80〜90ktを維持。








成田空港の直上を堂々とフライパス。
速度90kt、高度3000ftを維持。
空港の展望デッキに居る人もびっくりかも?
管制官には大変お手数お掛けしました☆







真下には飛行機が





ちなみにタッチ&ゴーやローアプローチについては、
大型機と速度が違いすぎるので不可。
大型機は150kt〜200kt出る一方、
こちらは通常90kt、頑張って水平飛行でMax125ktなので、
間隔がおかしくなってしまう。
これは超大迷惑。
たった3人が乗ったセスナ172のために、
400人が乗ったB-747を1分でも待機させるわけにはいかないのだ。






新しいB滑走路。やっと2500mまで延長されたのがわかる。





東関東自動車道に平行して飛ぶ。
こっちは170kmh。ガンガン車を追い抜く。






こんな感じ。なかなか良いながめ。





速度90kt、高度700ft。





着陸進入




格納庫には伊豆諸島方面に飛んでいるドルニエ機が整備中であった。
(見学・撮影には正規の許可を得ています。感謝。)

伊豆諸島に行く時にはだいぶお世話になったドルニエ機だが、
強力なSTOL性能によりこの狭い飛行場にも余裕で発着できる。

運用重量6トンに対して1500PSの大出力のエンジンを積んでおり、
大きな翼を持っているので低速で飛行でき、更に加速性能はかなり良い。
離陸滑走だけで見れば、ジェット旅客機よりも加速はよいようだ。
ちなみにプロペラ機として高速を誇るボンバルティアDHC-8-Q400よりも出力重量比が良い。

但しその代わり燃費が良くない(与圧がないので低空しか飛べないのも原因の1つ)。



土浦駅
ここからは電車で戻る。




土浦駅





土浦駅

その後、秋葉までいき、しらばくうろうろしたあと、解散。
以降、無事に帰還。




多くの写真は友人撮影。多謝。





参考 (C)microsoft
フライトシミュレータによるシミュレーション。
成田空港へ着陸進入するF-14。
滑走路端から僅か13kmにある大利根飛行場はかなり近く、
お互いの管制に苦労しそうである。
進入中に余裕で大利根飛行場が見える。







成田空港直上をフライパスするF-14。
制限速度の200ktを守ること。
マック0.7で通過とか大迷惑もいいところだ。
航空祭だとか特殊な条件がなければ絶対に管制の許可が出ないだろう。
フライトシミュレータでもちゃんとターミナル1・2が入っている。
よくできているもんだ。






千歳⇒羽田便から見た霞ヶ浦。
やっぱり広い。
ちなみにこんなに広くても平均水深は4mしかない。
霞ヶ浦の10万分の1模型を作ると、
ほとんどA4用紙と同じサイズになるが、
厚みは0.04mmとなり紙よりも薄くなる。







千歳⇒羽田便から見た阿見飛行場。
なにげに建物の上に「AMI」と書いてある。
間違えて龍ヶ崎とかに着陸するやつがいそうだし。
(滑走路番号がほとんど同じなのも間違えやすい)






千歳⇒羽田便から見た龍ヶ崎飛行場。
こっちのほうが飛行場が立派である。
滑走路も今日見たときと違ってボロくない。
ちゃんと草刈りやったあとなのか?