旅行記



2009/09 北アルプス




隅々まで開発された日本、とはいっても、片道徒歩2日を要する深い山々も存在する。
これらを、連休を利用してめぐってきた。

作戦名 「 日本最後の秘境へ。 」






上野駅から夜行列車を利用して富山まで入る。

急行能登の自由席は満員以上で、すなわち座れなかった人は最後までたちっぱなしとなった。
富山からは、富山地鉄で有峰口駅へ、そこからはタクシーで登山口へ。
タクシー代は11,000円と高額だが、
単独行のあんちゃんを捕まえて、合計3人で乗ったため1人4000円弱となった。
バスが2400円なのでそんなに悪くない金額である。
バスよりも1時間早く登山口についたし。
登山において、朝の1時間は極めて貴重である。



早速秋晴れの様相。
すさまじい人数が登っており、これは小屋の混雑がどうなるのか思いやられる。

通常、われわれは人を追い越すことはあっても
追い抜かれることは殆どない(トレイルランナーやボッカのあんちゃんを除く)のだが、
今回は長い行程ということもありペースはやや抑え気味に歩く。




で、太郎平小屋に到着





ラーメン大盛(1100円)を食べて昼食とする。
ちなみに普通の乾麺っぽかったが、それでも雲上で食べる食事である。
めちゃくちゃおいしく感じる。




稜線上の小屋なのに水が使い放題とはな。
黒部源流地域の山小屋はそれほど大きいものが少ないなかで、
太郎平小屋はこの付近では最大の150人収容となる。

しかし、登山口の折立から5時間という近い位置にあるので今日は大混雑するだろう。



小屋の中はこんな感じ、物資は充実していそう。




小屋から20分ほど離れたテント場。
テントなら混雑とは無縁・・・とは行かず、快適なテントサイトが次々に使われていくため、
早めにその日のテント場に到着するのが原則となる。



1日目の宿の「薬師岳山荘」

登山口から8時間の行程のため、混雑はそれほどでもないだろうと予測。




薬師岳山頂。
風が強いと評判であるが、このときは微風であった。
三角点は祠のすぐ横にある。

おっさんが三角点を探してうろうろしていた。



遠くには太郎平小屋が見える。
多くの人が休憩しているのがわかる。
木道なので、道がはっきりとわかる。
太郎平小屋はこの辺の十字路で、
折立下山方面・立山方面・雲ノ平方面・黒部五郎方面の道が交叉する。
あちこちに行く人くる人で賑わう。




頂上はパノラマ写真で見るとこんな感じ。
中央は薬師岳カール。






こういう稜線上だと水が得られないので、雨水に頼ることとなる。
当然ながらあんまり綺麗ではない。



あまり規模の大きな小屋ではないので、人が一杯だが太郎平小屋よりはマシそうだ。





夕食が準備された。






寝る部屋はこんな感じである。
ちなみに屋根からあまりにも雨漏りするため、雨漏りするポイントにはビニール袋で防護が。



1日目まとめ

折立⇒太郎平小屋⇒薬師岳⇒薬師岳山荘

8:00出発⇒15:00到着。行動時間7時間。コースタイム8h50min。比率79%



2日目




朝起きてみると5℃。
標高2700mで5℃だから、富士山頂とか余裕で氷点下だな。




広い登山道をいく。

6時20分出発、普段ぐだぐだする我々にとってはかなり早い出発であった。




黒部五郎岳

左に見える山の中腹から今朝出発して、5時間ちょっとでここまで来れるんだからすごい。



パノラマ写真で見るとこんな感じ。
このあと30人の超団体様が上がってきて大混雑になった。




五郎カール内は、なだらかな傾斜になっており、
草原状になっていて花の時期は非常によさそうである。
カール内なので奇岩も点在する。



紅葉真っ盛りである。





なかなかよさげな雰囲気の黒部五郎小屋。60人収容。

本来はここに宿泊予定であったが、予定よりやや早く12時半に到着してしまったため、
次の小屋に宿泊することにする。



黒部五郎小屋
北アの小屋はおしゃれなのが多い。




三俣蓮華岳。
岐阜・長野・富山の3県境となる山である。

ちょうど北アの中央部に位置することから、非常に展望がよい。



三角点。
厳しい環境の中では三角点標石も長く持たないことが多い。
そのため古いものがそのまま置かれてたりする。



北アルプス黒部源流地区の十字路になる三俣。

ここは、新穂高、高瀬ダム、黒部五郎、赤牛方面から来た人行く人がいり交じり、
さながらシルクロードの中継地点のようである。
山深い中での貴重な補給地点である。まさにオアシスであると言えるな。




で、大混雑。
こういうのは早めにチェックインしておくに限る。

やっぱり大切なのは、早めのチェックインである。
そうすれば広いスペースを得られ、早い夕食にありつけ、早く寝れて体力も回復する。
逆に到着が遅いと、通路で寝ることになり、夕食は22時になり、睡眠時間は足りなくなる。

ついでに次の日もゆっくり出れば尚更よい。



夕食。
もともと三俣山荘は食堂のキャパが小さく、
遅いチェックインだとメシにありつくのが遅くなるという評判ではあるが、
今回はなんとも7回の交代制であり、最終の7回目は夜10時からのメシとなる。
山では夜10時といえば深夜まっさかりである。
次の日は4時には起きるのだろうから、睡眠時間もまともに取れないことになってしまう。



小屋の中は新しくて結構快適そうだ。




でもこんな感じで1畳2人になるんだよな。
こういう風に部屋の中の布団にありつけた人はまだまだマシで、
通路で布団で寝る人、もっと酷いとそもそも布団がない人まで出始めた。





あまりに収容スペースが足りないのでザックは全部小屋の外。
雨が降ってないからいいものの、
山では天候の急変はよくあることだから一応ザックカバーをかけておくのが正解。




夕方になるといい感じの夕焼け。
ダイナミックレンジ±2.5EV




で、日が完全に沈むとだいぶ人が少なくなってきた。
露光時間が長いのでさっきの夕焼けの写真よりも明るそうに見えるが・・・





やっと7時となり我々の飯の時間が回ってきた。
とっとと食べて、寝ることとする。
明日は日程に余裕があるのでもう少しゆっくり寝ることにしよう。



深夜起きると、通路までびっしりと埋まっており足の踏み場もない。
でも布団がなかった人にもちゃんと布団が行き渡ったようだ。




受付には大量の弁当が並ぶ。
朝食用の弁当は100個はありそう。隣の昼食用の弁当は30個くらいか。


2日目終了

薬師岳山荘⇒太郎平小屋⇒黒部五郎岳⇒三俣蓮華岳⇒三俣山荘

6:20出発⇒15:40到着。行動時間9時間20分。コースタイム10h55min。比率86%。


3日目




ゆっくり起きた我々は、ほとんど最後の順番になって朝食を食べる。





準備をして、出発。
7時半。かなりゆっくりの出発である。
1日の行動時間は8時間程度に抑え、ゆっくり出・早着が今回の山行きの基本である。
これだとコースタイムで10時間程度は歩けるので、疲労的には結構十分だったりする。



鷲羽岳直下にある鷲羽池。
どうも池に向かう道が見える。
ちょっと行ってみたかったが、結構急斜面なのと時間に余裕がないことからスルー。
高所にある池はなかなか萌えるな。




次は水晶岳。
北アの再奥部に位置するだけあって、360度山しか見えない。
中央は赤牛岳。たしかに赤い。



はるか遠くには黒部湖と黒部ダムが見える。





水晶岳のあたりはこの山行きで唯一の険しい場所だった。
こういう場所はボトルネックになっており激しく渋滞する。



水晶小屋。
30人収容の小さな小屋である。
今日は何人泊まることになるのか。
100人という話もあって、恐ろしいことになるのだろう。



小屋の中はなかなかいい感じ。
子供がいるのがびっくりしたが、
背負ってる母親は、2年前の水晶小屋ヘリ墜落事故から生還した人という噂だ。
たしか操縦してた機長は亡くなったんだよな。

それにしても、アルプスでは毎年1回くらいヘリが墜落してる気がするが何とかならんものか。



食堂もかなり小さい。





とりあえずカップめんを食べて昼食とする。





小屋の中は新しく、なかなか快適そう。







雲ノ平周回ルートからは分離して、裏銀座縦走ルートに入る。
こちらも定番ルートではあるが、かなり人が少ない。




今回宿泊予定の野口五郎小屋。
50人収容の小屋である。

テン場は昔はあったもののテントごと人が飛ばされる事件があってから閉鎖された。



小屋の中はこんな感じ。
1畳に1人となり、久々に1つの布団で寝られて快適だ。




現代的で明るい雰囲気の北アの小屋が多い中、
ここはクラシックで暗い雰囲気の、南アルプスとか奥秩父の小屋の雰囲気が漂う。






ちょうど鞍部に建つここでも、ときおり強風が吹くのかどうかは知らないが、
重しの石が屋根に乗っているところを見るとそうなのだろうな。




夕食。





暗くなってくると外で自炊する人もいなくなってきた。



3日目終了

三俣山荘⇒鷲羽岳⇒水晶岳⇒水晶小屋⇒野口五郎岳⇒野口五郎小屋

出発7:30⇒到着14:40。行動時間7時間10分。コースタイム7h。比率102%。



4日目




1人1畳は快適であった。
とっとと準備をして出発することにする。




天気は悪くガスっていた。
ここで友人と別れる。
休暇の関係で僕はこれから下山するが、友人はこのまま縦走を続行する予定である。




少し下ってくると雲の下に出た。

朝イチで体力に余裕があり、
今日で下山なので多少飛ばしても大丈夫なはずだ。どんどん下ってゆく。



高瀬ダム。
この強烈な色のダム湖は、なんなんだろうと思っていたが、
上流から流れてくる硫黄を含んでいるからなのかもしれないな。





烏帽子小屋。
ここか稜線ルートから外れて、下界へ下るルートとなる。
ここは標高2500mで下界は1300m、差1200mを一気に下ることになる。



快調に下っていく。
整備状況は非常によい。




錆鉄人氏のサイトを読んでいて、
「プロトレックの高度計が2分毎に30m以上下るデータを・・・」というくだりを読んだので、
結構がんばって下ったら1200mを1時間20分、ちょうど2分ごとに30mであった。

ここをコースタイム3時間はちょっと余裕を見すぎといった感じで、
せいぜい2時間半といったところではないだろうか。



高瀬ダム周辺地区の標準仕様(?)のつり橋。湯俣温泉のあたりにも架かっていた。





なぜか登山口のほうが、山奥よりも静かである。
人がほとんどいない。
普通、下界に戻ってくるとにぎやかな雰囲気で「ああ、下界だなあ」という感じだが、
まったく逆なのがなんとも。
山の上の喧騒が嘘のようだな・・・。

このあたりは谷が深すぎるせいで静かで暗い雰囲気がある。
1年前のときの湯俣温泉に来たときもそうだったな。





暗いトンネルを歩く。





タクシーで信濃大町駅まで出る予定であるが、2人組の青年を捕まえて相乗りしていく。
8000円掛かるはずが2700円で済んでよかった。



4日目終了

野口五郎小屋⇒烏帽子小屋⇒高瀬ダム

6:00出発⇒9:10到着。行動時間3時間10分。コースタイム6h10min。比率51%。



信濃大町駅。久々の下界。





松本経由で帰還。







ところで、野口五郎小屋で分かれた友人は、高天原温泉に行き、
その後折立へ下山した。




高天原温泉は一般登山道では日本再奥の場所と言ってよく、
どこから行っても片道2日掛かる。
次はぜひ行ってみたい。





ほとんどの写真は友人撮影、多謝。


以下参考資料



航空機から見た高瀬ダム。
空から見てもあの異様な色のダム湖が印象的。





航空機から見た水晶岳を中心とした北ア最奥の山々
立山上空から南側に向かって撮影。



航空機から見た薬師岳・黒部五郎岳
立山上空から南側に向かって撮影。







湯俣温泉

深い谷の底で、いつも暗い雰囲気がある。



湯俣温泉
伊藤新道は、湯俣温泉から15分のこのへんの河原湯あたりまでは通行可能だが、
この先はまったくの廃道となっており沢登り・ロッククライムのスキルが求められる。
つり橋はすべて落ちているようだ。
あの奥に、三俣があるのか・・・・。暗い谷の底からは、想像できない。