旅行記



2009/08 巻機山・皇海山





巻機山(makihatayama)は、上越国境(群馬県・新潟県)にそびえる1967mの山である。




上越国境とはいえ、登山道は新潟県側からしかない。
関越トンネルを越える。



登山口は標高730mとやや低い。

7時30分、登山開始。



明るいブナ林を登っていく。




あっちは急峻なヌクビ沢コース。
下山禁止であるのでのぼりで使おうと思ったが、
雪渓の状態が安定しないので通行禁止になっていた。






花が咲いている。
コンデジはマクロには超強い(1cmまで寄れる)のでかなり便利である。




遠くには山頂が見える。
豪雪地帯のため、一体は偽高山帯となっており一面の笹原が広がる。







そこに流れる沢もなかなか美しい。沢の源頭がどうなっているのか気になる。
稜線直下から流れているようにも思える。




そろそろ秋か・・・・?




木道が続く。





のっぺりとした山容。
春はスキーが盛んなようだが、これならば納得である。





で、山頂標識の場所に到着。
しかし真の山頂はここではない。この看板は1930mの稜線にある。



これまで登ってきたルートを振り返る。




山頂部は何故か湿原状の池沼が広がる。





登山道も非常に良く整備されており、迷う心配は無いだろう。




上越国境の稜線が谷川岳へ向かって続く。
登山道はなく、猛烈な藪こぎになるため、残雪期のみに通行できるルートのようである。



1961.6mの三角点がある牛ヶ岳まで足を伸ばす。




三角点。




直下には沢が続く。




巻機山は、マトモな登山道は1つしかない。
他は下山禁止のやや難ルートや、山地図では点線扱いの難ルートとなる。





「山に憧れ 自然を愛した ひとりの若者 ○○君は ここ巻機山 下ノ滝沢の 清浄な滝に 眠る」
おそらく沢登り中の事故だったのだろうか。



この辺にも池が。




怪しい雲が上がってきたので下山することにする。





巻機山避難小屋。
水場まで5分の位置にあり結構便利そう。




内部にはトイレがある。
横の自転車のようなものは、浄化槽の攪拌用。用を足したら暫く漕ぐ事と注意書きがある。



豪雪地帯らしく、2階にも出入り口がある。




内部はかなり綺麗に維持されており、宿泊に適する。寝具はなし。
山小屋の常識で言えば30人くらいは詰め込めそうである。



こういう避難小屋泊まりもやってみたいところだが、1人ではちょっと夜が怖そうである。




駐車場に戻ってきた。12時40分、登山終了。

総コースタイム9時間35分。



時間が少し余ったので、車で国道291号を登っていく。
最後は登山道になるのかと思ったら、通行止めになっていた。
ここから暫く進むと完全に廃道となり、登山者といえども通行できない「国道」となる。
そして上越国境の清水峠に至る。

鉄道の清水トンネルはこの清水峠から名前を取っており、
別においしい水が湧くから清水トンネルと言うのではない。
「おいしい水」と「大清水」は語感が似ているが・・・。




帰りは渋滞する前にとっとと関越道を通過してしまおう。

以降、無事に帰還。





皇海山(sukaisan)とは、足尾山塊の最高峰である。
山自体よりも、延長40kmにも及ぶ悪路である「栗原川林道」が有名。



同じように関越道で沼田ICまで。
早朝出発で車が少なくきもちよい。

燃料消費を抑えるため、機関負荷を抑えるために80kmh(GPS読み76kmhくらい)を維持して巡航する。



で、これが有名な栗原川林道。
延長40kmの林道だが、ここから20km入ったところに登山口がある。

一般車両進入禁止とあるが、
登山者・山菜取り・キノコ取り・林業関係者・送電線管理者など、
その山に用事がある人は一般車両ではないので進入OKである。
じゃぁ禁止の対象となる「一般車両」ってなんなんだろう。
林道の走破を目的に来る林道マニアが乗ってる車両とかか?



色々注意書きがある。




ネットでの評判よりも荒れてないという印象。




ずっと走っていると同じところを何度も通ったような錯覚さえしてくる。
結構尖った落石もあり、パンクを心配して10kmh〜15kmhを維持したため、
1時間40分を要して登山口へ到着。



駐車場は20台は停められそうな感じ。




ここから先は「栗原川林道皇海支線」となるが、
車両の通行は禁止されているので徒歩である。

皇海支線を300mほど歩くと、そこからは登山道に入る。


あまりにも道迷い遭難事例が多いらしく、標識は完備。
ガスっていない状態であれば、進行方向に赤リボンが10個は見えるという状態。

しかし枝沢を下降したりと結構道迷い遭難があり、5件のうち3件が死亡事例となっている。
というのも、林道を20km走ってここまで車でくるため、
極めて山深いところにも関わらず軽装の場合が多いのではないかと予想。



沢筋を登っていく。
ダイナミックレンジ±1EV




最後は涸れ沢を登って稜線へ出る。




あっちは鋸山。まるで四国の石鎚山を思わせる切り立った山容である。




すっかり秋空である。
高層雲・高積雲・巻積雲などが空を彩る。



頂上へ到着。
頂上は樹林に囲まれており展望はない。

早春・晩秋であれば、木々の葉が落ちているのでそこそこ展望があるようだ。
冬は栗原川林道が通行不能となり、登山記録はほとんどない。
20kmをラッセルし続けるか、スノーモービルでもあれば話は別だが、
そんなツワモノはなかなかいない。


三角点の隣に高さ1mくらいのお立ち台があり、
これの上に立っていてもダメである。何も見えない。

そういえば、大菩薩の頂上とかもこんな感じだったな。



2等三角点。




なにもみえん。
とりあえず昼食とする。
凍らしたペットボトルを持ってきたが、
5時間経過した冷凍ペットボトルはほどよく解凍されていて冷たくておいしかった。
冬だと勝手に凍るのになぁ。

ダイナミックレンジ±1EV



では帰りがけの駄賃(?)にさっき見えた鋸山に登っていこう。
鋸山に至る稜線は岩場なので展望が良い。

しかし道はだいぶ踏み跡が浅いように感じた。
みんな皇海山だけで帰ってしまうのか。




岩場を直登。




かなり向こうには日光白根山。
手前の稜線の向こう側は中禅寺湖のはず。



頂上からは皇海山がよく見える。
ちなみに右側はほとんど直角に近い斜面(地形図から判読すると勾配200%くらい)となっている。
植物があるのでぱっと見には見えず、恐怖心はほとんどないが、これが崖だったらかなり怖い予感。




3枚画像をつなげるとこんな感じ。





下りも沢筋を下降する。
沢筋を下降しすぎて登山道に入る地点を見落とさないこと。

ダイナミックレンジ±1EV



沢の流れが美しい。

ダイナミックレンジ±1EV



車に戻る。
戻ってきて絶句、車のカギを掛け忘れていた。
しかし車内にあったノートPCなどは無事。セーフ!

まぁこんな山奥では来る人も限られている。ほぼ登山者だから大丈夫であったのだろう。


林道の入り口はこんな感じ。




帰りは、榛名山の榛名富士に日が沈んでいった。
意外と良い形をしている。
時間があれば寄っていこうと思ったが日没により断念。

※レンズフレアは合成です



関越道を戻る。


以降、無事に帰還。

航空機から見た皇海山。奥深い山々である。


羽田→千歳便。11月撮影。