旅行記
2008/12 くろがね温泉
くろがね温泉は、福島県の安達太良山の山麓にある、登山者しか行くことができない秘湯である。
天気予報は降水確率0%、
全国的に高気圧に覆われ、日本海側も含めて全て晴れの予報。
快晴の元、東北道を北上する。
登山口は標高950mのあだたら高原スキー場。
二本松ICから30分程度のため、アプローチは非常に便利。
頂上は1700m、所要3時間。
実際すぐに見える位置に。
当然雪が深い道なので、アイゼンを装着。
このアイゼンを付けて雪道を歩く感触はなかなか気持ちよい。
上空を小型機が通過。
福島空港から上がってきたのだろうか。
登山口には雪はほぼ無かったが、標高が上がってくるとだんだん増えてきた。
小屋は標高1400m。
ここも標高1400mなのであとはフラットな道を行くだけだが、雪はかなり深い。
だが堅く踏み固められており、特に歩行に問題は無い。
小屋が見えてきた。
今回の宿である「くろがね小屋」である。
くろがね温泉の1軒宿である。
雪崩が心配になるくらい谷底にあるが、昔からあるようなので大丈夫なのだろう。
小屋に到着したら荷物を置いて、ほぼ手ぶらで頂上へアタック。
ここから頂上へは往復2時間。
登りの方向を間違えて10分ほど時間をロスしてしまったが、
温泉の源流点を見れたので良しとしよう。
ちょっと登ると小屋の全体が見えるようになってくる。
遮光率89%(要するに光量1/9)のサングラスをしているので大丈夫だが、外すと物凄くまぶしい。
もちろん紫外線は99%カットのものなので、目にもやさしい。
途中の休憩ポイントには、大量のザックがデポ(放置)してあった。
しかし冬は12時にもなると日が傾いてきて写真が黄色くなってくる。
ましてや今は2時近い。
もはや完全に夕方だ。
青い空の下、ゆるやかな雪原をゆく。
頂上直下まで到達。
頂上には「安達太良山1700」という看板があったので、これを持って記念撮影。
なかなか良い景色。
猪苗代湖が見える。
毎度恒例の、エロゲシーツも当然持参。
そうでないと「秋葉原系の記事がないじゃないか!!」と言われるので。
PLフィルター(通称標高詐欺フィルター)を装着すると、
標高がかなり高いところで撮影したかのごとく空が一層青く写る。
この空の青さは成層圏かよ、というくらい。
5分に1回は飛行機が飛んでいく。
ここは東京⇔北海道方面の航空路に真下になっているため、
直上を航空機が通過する。
飛行機雲を引いていると言うこともあり、かなりの高度だが、
なんとかJALのB767か?という程度は確認できる。
山頂から見た郡山。
こちらは航空機から見た郡山市街。
郡山駅前の高いビルが、山頂からもみえているのが分かる。
山頂から見た福島。
左に見える山は、信夫山(272m)、福島市街にあり非常に目立つ山だが、
ここを東北新幹線が貫いており、
福島駅から距離1kmくらいしかないため、福島駅通過の「はやて」が通ると、
通称「トンネルドン」を聞くことができる、
鉄ヲタにとって非常にありがたい(?)山である。
航空機から見た福島市街。
左に見える「トンネルドン山」を東北新幹線が貫いているのがよくわかる。
雄大な景色が続く。
帰りは持参したソリを使って斜面を滑り降りて時間短縮を図ろうとしたが、
ソリは全く方向を制御できず、ひらすら下に向かって滑走していく。
トラバース気味の斜面を下るのは、スキーなら可能だがソリでは斜面を落ちてしまって不可能。
しかもスピードを出すのはなかなか怖く、それでいてそんなに速くない。
あまり実用的ではない。
写真は斜面を滑走するの図。
小屋に向かうはずが全然違う下側に落っこちている。
小屋には3時半くらいに到着。
日没まで1時間、本当にギリギリといったところだ。
写真は暗くなってからの小屋の様子。
HDR合成に使おうとして何枚か写真を撮ったものの、
デジイチでは元々ダイナミックレンジが広く、
あまり綺麗に合成できなかった。
これは合成前のそのままの写真。
空を見上げると、頻繁に飛行機が通過する。
ところで若干、レンズの周辺減光があるのが分かる。
写真の4隅がやや暗くなっているが、
これはレベル補正をしてコントラストを大幅に上げているため。
温泉にも入ったので、ここからは夕食で自炊タイム!
下界からわざわざ運んできた鍋(重い)、肉1kg(超重い)、野菜大量(かさばる)で鍋パーティ開始だ。
運動後でハラが減っているということもあり食が進む。
小屋の中はなかなか良い雰囲気。
小屋の中は1F〜3Fまで吹き抜けになっている。
暗くなってきたので外に出てみると満天の星空。
冬なのに天の川も見えた。
写真は、長時間露光のために地球の自転で星が動いている。
上の隅が明るくなるのはカメラの仕様か、レンズの仕様か、よくわからない。
そして満天の星空を飛行機が貫く。
他のパーティーは「人工衛星だ!!」と騒いでいたが、
航法灯も点滅しておりどう見ても飛行機ですありがとうございました。
ちなみに人工衛星はもっと暗く(ISS、国際宇宙ステーションで1等星程度)、点滅もしない。
赤外線フィルターを通すと、赤外線のみを感光した写真を撮れる。
ストーブの温度が高い部分が白く、温度が低い部分が黒く写る。
ストーブの温度はやや赤熱する程度だったので600℃くらい、
白熱電球はかなり白く写っているがこれはフィラメントの温度がかなり高いため。
部屋の中の様子が分かるのは、
ほかの光源からの赤外線を反射して光っているため。
別に発熱しているわけではない。
なお、赤外線であることと、あまりにも暗いためAFが働かないために、
ややボケている写真になる。
露光時間は44秒、ISO1600、更に増感処理。
赤外線写真というと、「水着が透けて映るアレ」を思い出す人は多いと思うが、
この方法の場合、あまりにも暗く、仮に透けるとしても実用的なシャッター速度が得られないために、
スケスケ写真はできないと思われる。
そろそろ寝るか。
宴会もそろそろ終わり、8時〜9時になると就寝モードへ。
宴会後のオッサンたちもみんなぐっすり寝ている。
次の日の朝は6時起床。
6時半くらいになると出発準備を整えるパーティーで非常に騒がしくなる。
今日も最高の快晴。
とりあえず頂上を目指そう。
赤外線フィルターを通して撮影した風景。
撮影条件は、
フィルター無 1/400s F9 ISO80
フィルター有 1/8s F2.8 ISO800
したがって光量は、フィルターを付けると1/5,000になってしまう。
サングラスを着けないと目を開けられないほどの明るさの中でも、
薄暗い部屋の中と同じくらいの光しか得られていない。
なお、元の画像は赤色(赤紫色)になっているが、
これはデジカメが赤外線を赤色に誤認識しているためである。
実際には赤外線なので当然色などなく、白黒になるのが正解である。
雪原をゆくのは、なかなかRPGゲームの冒険みたいで面白い。
頂上からの下りは、ゆるやかな雪原のために走るとかなり爽快!
雪が衝撃を吸収してくれるために足の負担は少なく、20km/h以上で爆走できる。
ただし雪に埋まると急停止してかなり怖い。
トレースの左側の足跡は僕がつけたもの。
新雪の上を走るのは気分最高。
スキーのシュプールも残っており、山岳スキーヤーが通過したものと思われる。
スキー場ではなく、こういう広い場所で気ままに滑走するのはかなり楽しそう。
ゴンドラリフト頂上駅までくると、スキー場が見えるようになった。
ここから下までは1時間といったところだ。
で、下まで無事に下ってきた。
スキー場は1つのリフト分だけ営業しているが、上のほうのゲレンデは良い新雪なのに勿体無い。
総走行距離590km、使用燃料40L
直接旅費(交通費、宿泊費等) 10k
間接旅費(食費等) 5k
装備品減価償却費 5k
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計 20k
今回の試験運用品
コメント | 制式 採用 |
|
スノーシュー | 新雪の上を歩く時にズボらなくなるため効果大。 だが重く(2kg)、体積も嵩張るうえ、 急勾配には対応できず、樹林帯では取り回しが悪く、 非常に使いどころを選ぶ。 毒と薬の効果がそれぞれ大きい装備。 |
△ |
自炊用具 | 小屋では非常に満足できるくらいに満腹になったが、 自炊用具は重く、かさばり、かつゴミも多い。 楽しみは大きいものの、 高難易度の山行ではちょっと不安。 |
○ |
アイゼン | 撮影担当が導入した8本刃アイゼン。 つま先、かかとに刃があり、しっかりと雪面を掴む。 勾配が急でも対応できるため、制式採用となった。 |
◎ |
ザック40L | 小屋泊まりにも対応できるザック。 適当な大きさのためパッキングが便利で制式採用。 |
◎ |
ザック70L | テント泊にも対応できる巨大ザック。 自炊用具を満載できたが、自炊しない時は不要か。 |
○ |
ソリ | かなりフラットな一定の勾配の斜面でないとダメで、 せいぜいスキー場を下る時にしか使えない。 そんな斜面の時は普通に走っても結構速いし。 楽しいが、実用的な効果はほとんどない。 |
× |
サングラス | 雪山で紫外線から目を守る用具。 スキー用のゴーグルは、 激しい運動を前提としていないため曇る。 そのため一般のスポーツショップで売られている、 自転車用などのサングラスが必要である。 今回は1000円のサングラスであったが効果抜群。 したがって制式採用となった。 |
◎ |
赤外フィルタ | 山用具ではないが、一応記載。 可視光線をカットして赤外線のみを通すフィルタ。 珍しい光学現象に、 山小屋の人たちにはかなり大人気(?)であった。 |
◎ |
航空機から見た猪苗代湖。
山からも綺麗に見えた。
2008/12 筑波山
上記のくろがね温泉に対応する装備を整えに秋葉に行ったが、
そのついでに筑波山に寄ってきた。
ちなみに秋葉には登山用品店があり、品揃えもなかなか良いので、
僕はかなり愛用している。
始発電車に乗り、つくばエクスプレスでつくば駅まで。
つくば駅から直行バスで50分、筑波ロープウェイまで来れる。
ここから山頂までは徒歩80分の予定だが、
利用できるものは利用するというポリシーなので、ロープウェイを使い山頂まで行く。
ヘリで山頂に降り立っても登山と言わないのと同様、
今回もロープウェイで頂上まで行っているので登山ではない。
実際、今回の装備は「秋葉にいくついで」にここに来たので、全く登山装備ではない。
スニーカーだし。
で、頂上からはほぼ300度くらいの展望。
ロープウェイ駅から頂上までは徒歩3分程度。
霞ヶ浦の形がはっきりとわかる。
冬型の気圧配置が弱まり、若干雲が出ている天気だが、
そのおかげで風は全くなく、非常にあたたかい。
山頂はこんな感じ。
そこそこ広いうえに平らなスペースもあり宴会には最適と思う。
遠くには水戸にある茨城県庁も見える。
実物は見たことは無いが、映画「県庁の星」で実際に使われたので、
見覚えのある人もいるはず。
距離33km、方位70度。
はるか遠くにはビルが見えるが、方向的に東京ではなく、
おそらく埼玉新都心だと思われる。
距離57km、方位230度。
羽田から北方向の出発ルート・到着ルートになっているため、
多くの航空機が通過する。
多分守谷VOR/DMEを通過する便だと思われる。
ヘリがずっと一定の場所でホバリングしていた。
地面の木が揺れるくらい低空だったので、何かを調べていたのだろうか。
しばらくしたら飛び去っていった。
距離40kmに宇都宮市街が見えるはずで、
しかも方向的に順光なのではっきり見えるかと期待したが全然ダメだった。
市街地の方向すら見当つかず。
ひときわ白い山肌を見せるのが関東地方最高峰の日光白根山。2578m。距離90km。
空気が澄んでおりはっきと見える。
双眼鏡にデジカメをくっつけて光学20倍ズームで撮影。
同じく日光の男体山。
今度は反対方向の土浦市街。
ちょっと双眼鏡が汚く、Photoshopでレベル補正をしてコントラストを上げるとめちゃくちゃ汚れが目立つ。
ロープウェイで上がれる山頂と、ケーブルカーで上がれる山頂駅はやや離れており徒歩15分。
ロープウェイで上がったのでケーブルカーで下ることにしたい。
ケーブルカーで下る。
ケーブルカーなのにカーブがあるんだな。
どういう仕組みになっているのかは謎。
筑波山神社。
ダイナミックレンジ4倍で撮影。
あきばエクスプレスで秋葉原へ。
確かにつくば側から見ればそういう愛称になるわな。
途中、守谷付近で3kmほど常磐道と並走する。
こちらは127kmh付近、常磐道は制限100だが同じくらいのスピードの車も。
127kmhということは自動車のメーター読みでは140kmhくらいになっているはず。
結構がんばるな。
秋葉には2時くらいに到着。
いつものように散策をして終了。
航空機から見たつくば市街。
整然と町並みが並ぶ。
同じく航空機から見た筑波山。
右上が山頂、中央下がロープウェイの山麓の駅。