旅行記
2008/11 木曽駒ヶ岳

新宿発7時のあずさに乗るためには、始発列車で行かなければならない。
写真は赤羽駅。

新宿→上諏訪→駒ヶ根と乗り継いで、11時近くになり駒ヶ根駅に到着。

ロープウェイ乗り場となるしらび平駅(標高1600m)に向かう道路は、
既にかなり雪が積もっている。

ロープウェイでお手軽に千畳敷駅(2612m)まで到着。
ここでもう秩父の最高峰(2601m)より高いわけだ。
積雪は35cmだが、稜線へと向かう道は積雪1m近くあるとのこと。
夏だと、ロープウェイに乗るのにも3時間待ちとか、
かなり酷い状況になるらしいが、
冬なら当然待ち時間なしで人も少なく超快適である。
オフシーズンなのでホテル千畳敷も夏の半額(11,550円)と安いし。
やっぱり駒ヶ岳は冬に限るな。

赤線で示したルートが今回登る登山道である。
勾配はかなりあり、一度滑ったら止まらないのは間違いない。
ここから駒ヶ岳頂上まではコースタイム3時間半。
ただしこれは夏山の場合で、冬はもう少し多く掛かる可能性が高い。
今は12時半。
雲ひとつ無いのにホテルでぐだぐだするのも勿体無い。
とりあえずいけるところまで行ってみよう。

6本爪のアイゼン+ピッケルを装備。
途中で、「6本爪?やばいよそりゃ、稜線まで行けないよ」と言われる。
うむ、おれもそう思う。
オッサンは、「4月に登った時は上のほうから滑っちゃって100mは落っこちた。
ピッケルを刺そうと思っても刺さらずに走馬灯が見えてきた。」
とか言ってた。

装備を見ると、ピッケルはほぼ100%の人が装備、
アイゼンは10本爪以上が9割、僕みたいな6本爪の人が1割くらいだろうか。
6本爪の場合、地面に対して平行に足を置かないと滑るので怖い。
だが、10本爪でスパッツに爪を引っ掛けて転ぶよりはだいぶマシ。

これは雲ではない。
強風に煽られて雪が舞っている。
転んだらアウトなのに、この強風はかなり参る。
やばいと思ったらピッケルを地面に刺して座るのがいいのだろうか?
僕はセスナで映画トップガンばりに無重力飛行したり海面スレスレ超低空飛行しても大丈夫なので、
高度に対する恐怖はほとんどないのだが、
こういう中途半端な高さは人並みには苦手である。

白い雪ばかり見ているとまぶしくて目が痛くなってくる。
スキー場と違い、標高が高いため紫外線が強く、目に対する防御は必須である。
UVカットのコンタクトレンズでは、白目の部分から紫外線が侵入するため、
完璧とはいえない。
やはりサングラスが必要のようだ。
あまりに明るいため、相対的に空が暗く写る。
昼の13時なのだが、成層圏のごとく空が青い。

なんとか滑らずに稜線まで到達。
ここまで来るだけで、今年の夏に登った穂高岳よりも2段くらい危険に感じたぞ。
ここから先は特に急勾配の場所は無く、
転倒→滑落→即死のコンボにはならないだろう。

宝剣山荘。
実は営業している。
しかも結構客が入っている。
もちろんエキスパートばかりなのは言うまでもない。

あとはのっぺりとした稜線を進むのみ。
歩いている人も多く、人気のほどが伺える。
当然みんな完全装備。
気温はマイナス10℃くらいだが、強風のためかなり体感気温は低い。
デジカメで写真を撮るために手袋を外すと、5秒くらいで指が痛くなってくる。
低温だとデジカメの電池はかなり減る。気付くと残量1になっていた。

遠くには御嶽(3067m)が見えた。
一定の高さ以上が雪に染まっている。
冬は空気が澄んでおり遠くまで見渡せる。
飛行機で見たのと同じ景色で逆に感動する。

頂上山荘。
営業を既に終えていた。

頂上の駒ヶ岳神社に到着。
鳥居に雪がついて凄いことになっている。
標高2956m。

というわけで御嶽を背景に記念撮影。
ちなみにリュックはいつものように25Lのやつである。

中央アルプスの最高峰なので、当然360度の展望が望める。

最初は10人くらいの団体さんが居たが、
すぐに出発してしまい。僕のほか1人が居ただけになってしまった。
もう14時を回っている。
そろそろ帰らないと命が危ない。
こんなところで一晩過ごすことになったら100%死ぬ。

のっぺりとした頂上。

高空を飛行機が通過する。
ここも日本屈指の航空路の下なのである。

はるか先まで見渡せる。だが、残念ながら海は見えなかった。

さてとっとと下山することにしよう。

一定方向から吹いてくる強風のため、
こういう不思議な形の氷が発達する。
これを海老の尻尾という。

のっぺりしていると、道が分かりにくい。
もちろん視界はあるので進むべき方向はわかる。
だが、ガスっているときはどうだろう?

看板も一応あるが、そもそも道を外れてしまったときは役に立たない。
つーか凄い雪だな。

宝剣山荘に戻ってきた。
先に出発した団体さんに追いついてしまう。

すごい耐寒仕様のテントがたくさん設営されている。

雲1つない快晴(飛行機雲はあるが・・・)
紅葉が終わりに近づいている下界と同じ11月とは思えない、まさに別世界である。

で、僕はホテル千畳敷に戻ることにしたい。
ホテルへ下る道は東側斜面なので、既に日が落ちて少し寒い。
滑らないように慎重に降りてゆく。
で、無事にホテル千畳敷に帰還。3時。
まだロープウェイは動いている時間だが、
明日の天気と今夜の夜景に期待して宿泊することにする。
アイゼンやスパッツを外しているいると、普通の観光客の人から声を掛けられる。
「あの山の頂上まで行けますかねぇ?」と言われた。

こんな感じで警告文が掲載されている。
特に専門用語に解説がついてるわけではないが、
そもそも分からない単語があるという人は論外、ということか?

外をぼーっと見ていると飛行機雲が連続でできていた。

双眼鏡も設置されている。
口径80mm、倍率20倍での富士山。
距離は約100km。

今回お世話になったアイゼンとピッケル。
ピッケルは一番安い奴だったが、ピッケルバンドや保護用カバーで\15kほどかかって涙目。
しかしピッケルだけはケチるわけにはいかない。
アイゼンは簡易な6本爪のものであったが、
10本爪以上のものよりも歩きやすくてむしろいい感じだったかもしれない。
これは7月に行った白馬山荘ツアーで使ったものである。
あとスパッツも必要だ。
もともと富士山用に買った20cmの短いものでは、
上から雪が入ってきてしまい靴の中から雪を掻き出すのにかなり苦労した。
できれば40cm以上のロングスパッツが欲しいが、
20cmのやつでも何とかなったので必須ではないと思う。

暗くなってくると駒ヶ根市街の夜景が綺麗である。

ロープウェイの最終便(16時)もおわると、急に人がいなくなり静かになる。

ホテルの中は2600mとは思えないほど快適な仕様だ。
4時半から風呂に入れるそうなので、
4時半に行ったら誰もいなくて超快適に一番風呂を味わえた。
山小屋と違って風呂があるのは快適度がかなり違う。
それにしても1年前にここに泊まったときは、
ホテルの階段を上がるだけでゼーゼーハーハーだったのに、
今はほとんど息苦しさを感じない。
昔は標高2000くらいで「空気薄!!」とか騒いでたのにだいぶ進歩した予感。

5時にもなるとかなり暗くなってくる。

夜の山は不気味である。

空を見ると、この時間でもかなり多く飛行機が飛んでいる。
8秒露光で写真を撮ってみると、
航法灯が点滅しているのが撮れた。
航法灯は赤と緑があるが、ちゃんと色も識別できる。


左:露出0.62秒 右:露出30秒
同じ場所から撮った2枚の写真。
左の写真は真っ暗だが建物の中の様子が分かる。
右の写真は明るいが建物の中の様子は白く飛んでいて分からない。
人間の目であれば両方同時にわかるのだが。
この2枚を合成したのが下の写真である。
人間の目の見た目に近い。

人間の目にはこんな感じで見える。
ダイナミックレンジは通常のデジカメの50倍。
なんだか3DMark06のような写真になった。

そんなこんなで写真で遊んでたら、
上からヘッドランプを付けて下山してくる人が見えた。
写真ではぱっと見明るいが、実際にはかなり暗く怖いのは間違いない。
予定通り下山できないとこんな感じになるのである。

駒ヶ根市街の夜景も綺麗になってきた。
奥には夕日を受けて空が光るのが綺麗。
もちろんこれも、肉眼ではほとんど見えない。

市街地を拡大するとこんな感じ。

外はマイナス10℃の極寒の世界。

ホテルの部屋に戻ってまったりと休む。

夕食。
高山病でやや頭が痛く、食欲がない。一応全部食べたが。
夕食を食べ終わるとやることもないので寝ることにする。
19時就寝、6時起床。
睡眠時間11時間。
山に登ると普段よりかなり睡眠時間が多くなるので、疲れが取れる。

朝食。

残念!!
日の出はガスっていて見えなかった。
このガスは9時になっても取れなかったので、今日の登山は諦めて下山することにしたい。
とはいえ、昨日の時点で最高峰まで登っていたので、
目標自体は既に達成していたので全く問題なし。
帰りは往路とほぼ同じルートで帰還することにする。
交通費 15k
宿泊費 12k
食料費 2k
装備費 15k
計 44k

航空機から見た駒ヶ岳。筆者撮影。
ホテル千畳敷もちゃんと確認できてワロタ。
撮影日12月上旬。
かなり雪に包まれている。

同様に10月に航空機から撮影した駒ヶ岳。友人撮影。撮影機材NikonD80。
木々がなく、荒涼とした稜線であることが分かる。

南アルプス間ノ岳(3189m)から撮影した駒ヶ岳。
千畳敷カールは肉眼でも確認できる。

南アルプス北岳稜線(2900m)から撮影した駒ヶ岳。
同じアングルだが、若干方向が違うため、背景の御嶽が違う方向に見える。