旅行記




2008/11 荒川源流


荒川は標高2475mの甲武信ヶ岳の山腹、約2200mから湧き出る水を最初として、
東京湾まで流れ出る延長169kmの川である。



国道140号を遡る。



三国峠へ向かう中津川林道はなかなか良いダート。
良い感じに紅葉していた。

このロングダートは抜けるのに1時間はみておく必要がある。
延長18km、制限速度は15kmhである。
あまり飛ばすとEGTワーニング(排気温度警告)が出るため、
ゆっくりと行くことにしたい。



三国峠(標高1820m)に到着。
埼玉県⇔長野県で唯一車が通行できる峠である。

普通にドライブで来るだけでも、かなりオススメのスポットである。
実際、ツーリングのバイクも相当いた。



長野県側の登山口から甲武信ヶ岳に登り、
そこから埼玉県側に下り、荒川の源流へと行く。
荒川をそのまま遡るのは確かに今回の探検の趣旨に一番近いが、
登山道が荒廃しているため1泊2日のエキスパート専用コースであることから、
不可能であると判断。



相変わらずこのエンジンにも頑張ってもらった。




登山口には立派な駐車場がある。




ここから30分は林道歩き。
4駆車ならば、その気になれば走破できる道ではあるが・・・。



林道の先も、「千曲川源流遊歩道」として整備されており、
大きなアップダウンもなく、一定の緩いのぼりが連続しており、
歩きやすい。

登山口から千曲川源流までは3時間。
だが心臓の強い奴なら走って1時間で到着できるかもしれない。



だんだんと流れが細くなっていく。



とうとう千曲川の源流だ。
木の下から湧き出る水が、千曲川の最初の一滴である。
ここから日本海までの流れが始まるのだ。



全然別の場所にある謎の看板。
国師ヶ岳はここじゃないぞ!


雪が降ったのか、すこし積雪がある。
凍結箇所はなく、滑ることもない。

赤リボンに導かれて進む。



甲武信ヶ岳頂上までもうちょっとだ。
ちなみに登山道は樹林帯の中の平坦な道をいくので安心を。



この前登った金峰山(2599m)が見える。



凄いところに林道があるな。

ちなみに甲武信ヶ岳頂上から。
残念ながら埼玉県側だけは木が蔽い茂っていて展望がない。
それでも約180度の展望が得られる。

甲武信ヶ岳は、甲州・武蔵・信州の3文字を取ったもの。
3県の県境となっており、
また千曲川・荒川・富士川の3河川の源流地点になっている。
この付近の最高峰ではないものの、地理的には非常に重要な山である。

なお、千曲川へ流れた水は日本海へ、
荒川へ流れた水は東京湾へ、
富士川へ流れた水は太平洋へと注ぐ。
この山の頂上から3方向に立ちションとかしてはいけない。






今回宿泊する「甲武信小屋」
1時半に到着したため、まだ受付をしておらず暇なので、
ザックをデポ(放置)して荒川源流点に行きたい。

小屋のまわりを全てネットで囲ってあるのは、
クマ対策かと思ったがこれはシカ対策なのだそう。
ちなみにテント場はネットの外にあるので安心してください。




ちなみに気温は2℃。




小屋の裏には「荒川水源の碑」があるが、
これは「ここに降った雨が最終的に荒川にいく」という程度の話で、
水を見ないことにはあまり実感がわかない。




隣には太陽光発電。
出力はせいぜい1kWといったところだろうか。
それでも、バッテリーとあわせてかなり軽油の消費量を抑えられるはずである。





荒川源流点の石碑。
小屋から標高160mほど下った、標高2200m地点にある。
所要20分、帰りは30分くらいだろう。




弱弱しい流れが、上からくる。
もうちょっとだ。

埼玉県民である我々は、
これが大きな流れの荒川になるとはなかなか想像できない。



これが最初の一滴だ!
大きな岩の裂け目から、清らかな水が湧き出ている。
流量は水道の全開くらいはある。



非常に冷たい。すくって飲むと、味がせず非常においしい。
ここまできた甲斐があったというものだ。

荒川源流を満喫したので小屋に戻る。



三宝山は埼玉県最高峰(2483m)であるが、甲武信ヶ岳に比べると地味な感じ。




山頂のすぐ隣には展望のいい岩がある。
周りに高い山がないこともあり、埼玉県側を除いた270度の展望が楽しめる。
甲武信ヶ岳方面。
その先には富士山。




日本屈指の航空路の下だけあって、同時に何本もの飛行機雲が見える。

そろそろ暗くなってきた。ちなみに日は丁度地平線くらい。
一応ヘッドランプは持っているがヤバイ。
小屋まではあと10分くらいだからいいが、
日が暮れて段々暗くなってくるのはちょっと怖い。




食堂。
夕食はカレーライス、朝食はご飯味噌汁であった。

ちなみに我々は素泊まりであった。
今回は行程に余裕があったので、下から食料を担ぎ上げてきたのだ。



売店コーナーはこんな感じ。



月明かりだけで撮影したらどうなるのかやってみた。
ISO80、60秒露光、15倍増感で実質ISO1200。
結構はっきり色も分かる。

長時間露光は人間の目よりも凄い。


埼玉北部〜群馬南部にかけての夜景が見える。
手前の線状に見える夜景は秩父盆地。
距離100kmはあるため、夜景の光が星のようにチラついている。
長時間露光するとどうしてもフォーカス甘めの写真になってしまう。

これは友人所有のデジイチに期待するしかない。
むしろコンパクトカメラでこんだけ撮れるのを誉めてほしいくらいだ。



人口は見えている範囲で200万人といったところだろうか?

雲取山は東京都最高峰で、
夜景はまさに「宝石箱をひっくり返したよう」と言われるのだそうだ。
空気が澄む冬に行ってみたい。
雲取山から見える夜景は人口2000万人分くらいなので、
上記の写真の10倍は美しいハズだ。



その上には星空が広がる。
気のせいか、地球がほのかに丸い感じがする。
ちなみに写真で地平線が丸いのはレンズの歪みによる。

なかなか綺麗な光景。
ちなみに友人はぐっすり寝ていた。


これは、露出を変えて撮影した3枚の写真(8秒、30秒、60秒)を合成したもの。
60秒露光では白とびする部分を8秒露光の写真から拾ってきている。
逆に8秒露光で黒つぶれする部分を60秒露光の写真から拾ってきている。

ダイナミックレンジが7.5倍まで拡大して、人間の見た目に近いイメージになっている。
これをHDRというらしいが、なかなか面白い。




寒くなってきたので山小屋に戻る。



小屋のロビーでは自炊組みが盛大に宴会をした残骸があった。



部屋はこんな感じ。
僕らは2人で約3畳使えたため、目一杯布団を広げて広々寝れた。
山小屋はオフシーズンに限るな。
ちなみにピーク時は1畳に2人である。
部屋は非常に寒く、布団を2枚被ったら、一度布団に入ったら出たくなくなってきた。



翌朝6時。
残念ながら東側は曇っていて日の出は見れず。残念。

写真の手前側がトイレ棟で、2年前に完成したらしい。
確かに中は非常に綺麗であった。



雲は出ていたものの、富士山ははっきりと見えた。
冬なので空気自体は澄んでいる。




また千曲川源流を下る。



午前10時ちょいに駐車場に到着。
早めの下山。




同じように三国峠を通り、帰路につく。



うむ、良いダート。



ダート区間を抜けると、車を停めて各部の点検に入る。
「異常なし!」ということで再出発。



中津川渓谷はかなり綺麗に紅葉しており、
写真を撮る人たち多数。
バスで大量に運ばれてくるので、そんなツアーもあるのだろう。




上空から見た甲武信ヶ岳と荒川源流域。深い山々である。

以上、走行距離230km、燃料消費量15L。
山小屋に泊まったため総旅費は1万円ちょっと。なかなか経済的な探検旅行であった。



荒川ギャラリー


以下、HDDの中を漁って、自分が撮影した荒川の写真を集めてみた。



秩父湖からすぐ下の、大滝温泉からの荒川。
既に流量は多いが、まだまだ上流部といった感じ。




寄居から関東平野に流れ出ると、すっかりおだやかな流れの姿に変わる。
チャーターしたセスナ172からの写真。高度800m程度。



だが、ときとして荒れた時はこんなものを運んでくる時も・・・。
つーーか噂を聞きつけて取材にいったのだが、いったい何処から流れてきたのか全く不明。
ちなみにこれはのちほど撤去されたとの噂。



ヘリポート、サーキットが見える。
鴻巣付近には軽飛行機用の滑走路もあり(桶川飛行場ではない)、
航空関連施設も結構あることに気付く。

残念ながらこの機では鴻巣の軽飛行機用滑走路には着陸できない。



高崎線吹上駅付近。

荒川に沿って100KIAS(190km/h)くらいでのんびりと空中散歩を続けよう。



高崎線鴻巣駅付近。
ちなみにここは日本一川幅の広い区間。赤い⇔がそう。

堤防と堤防のあいだに民家が建っているように見える。
過去に「退かないなら家の外側に堤防作るからいいお^^」みたいな流れで堤防作ったとか。




桶川付近の荒川。
前方に桶川空港。桶川空港に着陸進入中の写真。

その手前には建設中の圏央道が見える。
この区間だけは、ちょっと川幅が狭く下流におりてきた感じがしない。






さて、成田からの国際線からの荒川。
既に高度8kmに達しているため、ほぼ埼玉県全域を見渡すことができる。



同様に彩湖付近を拡大。
彩湖とは人工の調節池である。良さそうな名前だが実際には結構汚い罠。
まぁ下流部だからしょうがない。

ちなみにそこに架かる橋の名前は幸魂大橋(さいたまおおはし)。
ここの区間は、外環道6車線+R298の4車線=10車線でかなり爽快な区間。
晴れた日には気持ちよいし、夜は埼玉の夜景が美しい。





今度はヘリからの写真である。
東京都心上空から見ると、都心の東側にゆったりと流れるのがよくわかる。



荒川にそって首都高が通っており、非常に目立つ。
この首都高も既に200回は確実に通っている超通い慣れたルートだったりする。

晴れた日に荒川の上を通る首都高を走るのは、まるで飛行機で低空飛行している気分で気持ちよいし、
夜は夜で夜景が素晴らしい。
パイロットは操縦に専念しなければいけないのであんまり夜景を見るのは勘弁してほしいけどな。






東京ヘリポート(写真下中央)へのアプローチ。
荒川放水路には色々な船が通っている。

僕も仕事の関係で、チャーター船で河口から赤羽まで行ったことがある。
ボロい船で20ノット(37kmh)も出なかったので、
首都高の車に抜かれまくりでなんだかなと思ったが、
高速なモーターボートでも50ノットくらいなので、首都高の車をぶっちぎるのは難しい。
不審船ばりの超大出力エンジンを搭載した船ならいけるかも。







反対側から回り込んで、荒川河口橋と葛西臨海公園。
荒川の河口に架かるから「荒川河口橋」というに決まってるだろうと思ったが、
実は1級河川荒川の起点はその1.5kmほど上流にある、中川と合流する地点までである。

なぜかというと、埋め立てで陸地が海側に延びたから。
そのため、実際の管理上は起点から4km海側までを荒川として扱っている。




お疲れ様でした。
東京へリポートの脇の公園からみた荒川河口橋。